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雨降って

youtubeでゲーム実況をおこなっております!

https://www.youtube.com/@nico_channel_

エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、

女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。

挿絵(By みてみん)

AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。



 ラウリエル王宮で修羅場を迎えたおれ。


 マリナを口実……いや、『子供のマリナにこんな修羅場を見せるわけにはいかない』と講じた奇策も潰され、絶体絶命のおれ。




 おれはもう、保身に走っている場合ではないと悟った。





「エイル! レイナさんと『ただならぬお付き合い』ってどういうこと!?」


「エイル! リュミエルさんとは『お付き合いしている』ってどういうこと!?」



「「私のことは遊びだったの!?」」




 もうこれ以上策を講じるのはあかん……


 二人の気持ちに対して、おれはしばかれる覚悟で正直に答えなあかん。



『男には、逃げたらあかん時がある』



 傷つくことを恐れたらあかん! 男なら、彼女らのすべてを受け止める覚悟を持て。




「……」



「……」




「リュミエル、レイナ」


「おれの話を聞いてくれ」



「おれは二人とも愛してるんや……」



「「なにを都合の――」」



「『なにを都合のいいことを』って思うよな。おれもそう思うわ」


「でもそれが……ほんまの気持ちやねん」




「三人の娘の中で、だれが一番大事? って聞かれても答えられへん」


 リュミエルもレイナも、おれの言葉に黙って耳を傾けている。




「二人はそれぐらい、おれにとって大切な女性なんや……」



 レイナは照れたように、わずかに目を伏せた。


 リュミエルは、まっすぐおれを見つめている。



「愛想つかされてもしゃあない。おれが一方的に悪いんやし」




 長い沈黙……




「ほんまずるい男やと思う。こんなおれを、いっときでも愛してくれてありがとう」



 おれは二人に頭を下げた。



 再び長い沈黙。




 終わった……


 まあ、この二人はおれには分不相応なぐらいのいい女や。



 瀕死のおれを救ってくれたリュミエル。


 猟師初心者のおれに、一から猟の基本を優しく教えてくれたレイナ。



 こんな二人、おれには勿体ないぐらいの女性や。


 願わくば、次はおれみたいな男にだけは捕まらず幸せになって欲しい。


 こんな女性たちと、たとえわずかな間でもお付き合いできたおれは、一生分の幸せを使い果たしたと思う。



 言葉にはならなかったが、こんな気持ちがおれの中を巡っていた。




「……ちょっと待って?」


 重い空気の中、リュミエルが口を開いた。



「……なんや?」



「なんで勝手に終わらせてるの?」




「いや……こんなおれは……フラれて当然やん……」




「私が聞きたかったのは、レイナさんとのことを……その……なんで黙ってたのよ」ゴニョゴニョ


 リュミエルの顔が赤くなった。可愛いなぁ……




「あたしも、別れるなんて一言も言ってないけど?」


 レイナも続けて話し始めた。



「彼女がいたことは……その……まあ、思うところはあるけど……」


「エイルは……その……優しいし……その……」ゴニョゴニョ


「なんで黙ってたの!?」


 『エイルは〜』あたりはゴニョゴニョ言っててよく聞こえなかったが、顔を赤くしながら『なんで黙ってたの』と大きな声でごまかした。


 レイナも可愛いなあ……




「それは……二人とも傷つけたくなかったし……」


「……いや、ちがうわ」



「『傷つけたくない』って言い訳して逃げてた。言うのが怖かっただけや」



「いつか言わなあかんとは思ってた」


「でも、言ったら二人を失うかもしれんって思ったら……怖くて言えへんかった」



「二人とも、おれには分不相応なぐらい……最高にエエ女やし……」


「この先絶対に、リュミエルとレイナ以上の女性なんか現れへん!」



「そう思ったら……この幸せが壊れるのが怖かったんや……」



「ごめん……卑怯な男で……」




「絶対……に……」ポワポワ


「最高……」ポワポワ


 リュミエルとレイナが、熱くなった頬を冷ますように両手で包みながら、おれの言葉を繰り返している。




「二人とも『最ッ高の女性』や! この先、『絶ッ対にこれ以上の女性なんかおらん』に決まっとる!」


 少なくとも今のおれにとって、それだけは紛れもない本心や。





「まだ納得はできないけど……エイルの気持ちは伝わったわ」ポワポワ


「あたしも……エイルの気持ちはわかったよ」ポワポワ



「でもまだ許してあげないからね! 罰として、もう隠し事禁止!」ぷくー


 両手を腰にあてたリュミエルが、頬をぷくっと膨らませて顔を近づけてきた。頬を赤くした怒り顔も可愛い。




「あたしも。これで許したわけじゃないからね!」


「もう一人で勝手に決めないこと。いい?」ぷくー


 腕を組んだレイナが、赤くした頬をぷくっと膨らませ、ズイッと顔を近づけてきた。


 クール系やのに可愛いの反則やで。





 パチパチパチパチ――!


 突然、後ろから拍手が聞こえてきた。


 …………



 せやったわ!


 ここ、ラウリエル王宮の玄関やったんや!!





「いいものを見せてもらいました♪」


「あらあら♪ まぁまぁ♪」


「ふぉっふぉっ、青春ですなぁ♪」


 ニヤニヤしながら拍手をしているアルヴェイン国王たち。


 二人の顔が一気に真っ赤になった。




「もうっ! エイル!」ポカポカ


 リュミエルは恥ずかしさを誤魔化すようにおれの肩を叩き、レイナは俯いたまま顔を上げようとしない。





「どうじゃ? 儂《わし》のお陰で丸く収まったじゃろう♪ カッカッカ!」


 おい糞トンボ! お前はかき乱してくれただけやんけ! なんやその笑い方! 長老気取りか!?



 せやけどまあ、強引に連れてきたからこうなってくれたんやな。


 雨降って地固まるってやつ……かな。



…………



 まあ、それはそれとして。


 おれたちは痴話喧嘩をするために、二か月もかけてラウリエルまで来たわけではない。



「リュミエル、レイナ。まだ気持ちには整理がつかんやろうけど……」



「おれらがここまで来た本来の目的は、王泊で起きた魔素病のことや」



 全員がハッとした。余韻なんか楽しませてたまるか!



「…………」


 なにかを考え込むリュミエル。


 おれとレイナをチラッと見た。



「陛下。やはりヴァルネシアでの現地調査が必要だと『強く』感じます」


 アルヴェイン国王へリュミエルが進言をはじめた。



「現地での聞き取り、患者の容態、周辺の地形など、実際に現地へ赴《おもむ》かなければ見えてこないことがあると思います」



 なんかそれっぽいことを、つらつらと語り始めたで?



「陛下。ぜひ私に、エイル号への同行をお許しいただけませんか?」



「ふむ……」


 リュミエルの進言に考え込むアルヴェイン国王。





「では調査団を結成し、王泊へと向かう方向で話を進めよう」



「リュミエルよ。そなたもその一員に加えることとする」




「調査団の編成にはしばし時間がかかる。それまで何もせぬというわけにもいくまい」


「リュミエルよ。そなたは先遣として王泊へ向かい、患者と現地の状況を調べておくのだ」


 なんや……? アルヴェイン国王まで、それらしいことをつらつらと語り始めたわ……





「そしてエイル殿。先遣として、リュミエルを同行させてはもらえぬか?」ニヤリ


 アルヴェイン国王さんよ? なんやねんな、その悪い笑みは?


 レイナもびっくりしたような顔してるし。





「よろしくね、エイル♪ そして、レ・イ・ナ・さん♪」ニッコリ♪


 リュミエルは両手を後ろで組むと、首をちょこんとかしげ、これ以上ないほどの笑顔をレイナへ向けた。




 …………


 なんやろ? めっちゃいい笑顔のはずやのに、なんか怖いんですけど……




「……こちらこそ。リュ・ミ・エ・ル・さん」ヒクヒク



 腕を組んで胸を張るレイナの顔も、少しヒクヒクしとるし……





 最大のヤマは越えた。


 越えたはずなのになんやろう……この胸騒ぎは。


 また汚い大人たちが、悪魔のような笑顔を浮かべている――


 ような気がした……


 ホンマに、地固まったんか……?


第七章 禍福はあざなえる縄の如し


良いこと(福)と悪いこと(禍)は裏表になっており、交互に訪れる。悪いことが良いことの原因になったり、その逆があったりして予測できない様子を、繊維をねじり合わせて1本の縄を作る姿に例えている。

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