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身から出た錆

youtubeでゲーム実況をおこなっております!

https://www.youtube.com/@nico_channel_

エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、

女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。

挿絵(By みてみん)

AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。



『再発する魔素病』


 普通なら『命脈錠《めいみゃくじょう》』で治るはずの魔素病が、今回は治らない。


 そこで思いついたのが、リュミエルからお守りとしてもらった『星露錠《せいろじょう》』だった。


 勝手に使うわけにもいかず、おれはヴェルディア通信でリュミエルに許可をもらうことにした。



 ただし、『世界樹の秘密』にも関わるこの力。レイナに知られるわけにはいかない。


 決して二人が鉢合わせして、おれが地獄を見るのを避けるためではない。


 ……決して。





「ごめんレイナ、何も言わずしばらく自宅で待っていてくれ……」


 おれはできうる限りのシリアスな顔でレイナに告げた。



「……どうして、エイル? なにかやましい――」


「レイナ……」


 おれはその言葉を遮るように、レイナをぎゅっと抱きしめた。




「……待っててくれ」


「…………」




 しばらくして身体を離すと、レイナは少し不満そうにおれを見つめ――


「……早く迎えに来てね」ぷくー


「ああ……」


 なんとか誤魔化せた……のか?





 おれはレイナの自宅から少し離れた沖合で、リュミエルへの通信を試してみた。



「ヴェルディア、頼む。リュミエルを呼び出してくれ」


「……わかったわぁ」


 なんや、今の間は?



 おれはリュミエルに事情を話し、星露錠の使用許可をもらった。



 その際、星露錠を飲ませたあとの経過を詳しく教えてほしいと頼まれた。


 命脈錠では治らなかった魔素病に、星露錠が効くのか。


 まずはそれを確かめることになった。





「レイナ、ごめん。許可が取れたので迎えに来た。」



「え? なんの許可なの?」

 しもたー! 余計なこと言うてもうた!



「『星露錠』をおれたちにくれた人にね、ほら、やっぱ無断で他人に分けるのは厚意をアレやん? やっぱ。」シドロモドロ



「まあレイナよ、ざっくり言うとじゃな。角を立てんためじゃよ」ウンウン


「お主がエイルのために渡したものをじゃな」


「無断で他人に使《つこ》うたら、いい気はせんじゃろ?」ビシッ!



「はい……」


「そういうことじゃ」ウンウン


 ナイスアシスト妖精様!





 おれはバルガスさんのもとへ向かい、ラウリエル王国のとある方からもらった『星露錠』なら効果があるのではないかと伝えた。


 リュミエルに頼まれたとおり、飲ませたあとの経過を詳しく記録しておいてほしいと伝えた。




 さっそく魔素病を再発した患者の一人に、星露錠を飲んでもらうことになった。


 しばらくすると、星露錠が魔素を吸着し始めたのか、患者の顔色が徐々に良くなっていった。


 そして数時間後――体内に残っていた魔素は尿に混じり、すべて排出された。


 命脈錠のときと同じように、一旦は症状も治まった。



 問題は、ここからや。


 翌日――再発なし。


 さらに翌日も――再発なし。



 どうやら『星露錠』なら、今回の魔素病も再発することなく治せるようだ。



 このことはバルガスさんを通じてガルディアス国王へ伝えられ、正式にラウリエルへ星露錠の提供をお願いすることとなった。





星露錠の効果をリュミエルへ伝えると――


「エイル、まだ治っていない患者さんの血液を採取して、持ってきてほしいの」




 今回の魔素病はこれまでのものとは何かが違う。


 リュミエルから話を聞いたラウリエル国王も、この魔素病について調べ、治療に協力してくれることになったそうだ。



 そのため、まだ星露錠を飲んでいない患者から血液を採取し、サンプルとして持っていくことになった。


 こうしておれは、ラウリエルへ向かうことが決まった。



 問題は、この辺り一帯が羅針盤の使い物にならない海域だということ。


 だがノルによると、クララベル様やヴェルディアが何とかしてくれるらしい。



 それなら安心やな。





出発前夜――


「レイナ、しばらく王泊で待っていてくれないか?」


「片道何ヶ月もかかる旅路や……レイナに仕事を休ませるのも申し訳ない」


「あたしはエイルと一緒なら――」


「それに! そんな長旅……レイナの体調も心配や」



 レイナはマリナをチラッと見た。


「それに! 国王様からの正式な依頼や……」


「旅行じゃ……ないんよ。おれもレイナに何ヶ月も会えないのは寂しい……」



「待っててくれるか?」


「……わかった」


 レイナは俯いて小さく頷き、肩を震わせている。


 マリナやノルたちも揃って俯いていた。


……みんな、別れが寂しいんやろな。





 そして出発当日――


 レイナも見送りのため、王宮まで一緒に来てくれた。


「見送ったら……みんなの前で泣いちゃうから……ここでお別れね」



「エイル……無事に戻ってきてね」


「ああ。必ず戻ってくる」


 おれはレイナに背を向け、親書を受け取るため王宮へと向かった。




 その間にも、バルガスさんや王宮職員の人たちが、エイル号へ食料や燃料を積み込んでくれている。





「エイル殿……よろしくお願いします」


 執務室でガルディアス国王から親書を受け取ると、おれはエイル号へと戻った。


 レイナの姿は……もうなかった……





 おれたちをのせたエイル号は王泊を出発した。


 もう王泊は見えなくなり、おれは一度エイル号を停め振り返った。



「レイナ……行ってくる……」


 もう声が届かないレイナに向かって、おれは呟いた。



「……気をつけて行こうね」ボソリ


 聞こえるはずのない、レイナの声が聞こえた。



「あぁ……行ってくる」



…………



 いや、待て。


 ゆっくりと振り返ると――



「え、レイナ?」


「やっぱりついてきちゃった♪」テヘ


 やっぱり可愛いな、反則やで。


 おれは思わずレイナを抱きしめた。




「ええのか、仕事は?」


「エイルと離れるほうが嫌だ」



「それに……この海域を抜けるには、あたしの力が必要だって……」



「ノル様とヴェルディア様が」



 ん? なんとかする?


 なんとかするって、こういうことやったんかい!


…………




 待てよ。




 ラウリエル。


…………


 リュミエル。


 …………レイナ。



…………



 レイナの後ろには、ニコニコしているノルがいた。


「……お前、まさか……」


「なんのことじゃ?」ニヤリ




「こんのぉ! 糞トンボォォォォォ!!」





 こうしておれには、美人との楽しい楽しい旅が始まった――


 終着駅が地獄なのを除けば……

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