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音速の矢

youtubeでゲーム実況をおこなっております!

https://www.youtube.com/@nico_channel_

エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、

女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。

挿絵(By みてみん)

AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。



『大型魔獣は突然現れる』


 昨日――調査五日目。


 ヴェルディアの索敵とおれたちの目視で、普通の魔獣しかいないことを確認したはずの場所に、大型魔獣が突如として現れた。


 もちろん、目の前に突然現れたというわけではない。

  ノルからの警告を受け、その場を離れたあとの話である。



「ということは、ノルが言う『邪悪な魔素』が絡んでるってことやんな?」



 翌朝、おれはレイナやバルガスさんたちと集まり、昨日わかったことを改めて整理していた。



「噴火自体の規模は関係なさそうな話だったな」


「ノルはそう言ってましたね。」


 おれが答えると、レイナも昨日の噴火を思い返すように口を開いた。


「噴煙しか上がってなかったよね……」



「ということは、ノル様の言う『邪悪な魔素』は、噴火の規模にかかわらず、あの火口から流れ出ているということか……」


 バルガスさんは片腕を組み、もう一方の手を顎に当てて考え込む。




「……とにかく、大型の姿が確認された以上、これ以上森へ入るのは危険だな」


 つい先ほどまで安全だった場所にも、突然大型魔獣が現れるかもしれない――その可能性がある以上、これまでと同じように調査を続けるわけにはいかない。


 こうして残る二日間は上陸を取りやめ、洋上から旧王都島の様子を観察することになった。





「あ、せや! ヴェルディアボウを構えたら遠くまで見えるわ」


 ヴェルディアボウにはクララベル様の『遠見の加護』が掛けてある。おれは望遠鏡代わりに弓を構えた。



「エイル、あたしにも少し構えさせてくれないか?」


 ヴェルディアボウに興味を持ったレイナが話しかけてきた。




「ええか?」ボソッ


『レイナなら良いわよぉ』


「ありがと」ボソッ



 ヴェルディアボウを受け取ったレイナは弓を構えてみた。


「うーん、遠くまでの見え方は特に変わらないなぁ……」


「ちょっと射《う》ってみてもいい?」



 おれは頷くと、レイナは矢を放った。


「射程もあたしの弓とは変わらないし、威力も多分おなじくらいなのかな……」



 あれ? レイナなら使えるようにしてもええんちゃうの?



『だってぇ……エイル以外にもレイナが使えたらぁ、きっとほかの男たちも射ってみたがるでしょぉ?』


 あー……なるほど。



『エイル以外の男になんてぇ、触られるのはまっぴらごめんよぉ』


「一途な彼女みたいやな……」ボソッ


『おばかさぁん! おばかさぁん!』


 ヴェルディアがプイッってしてる姿が目に浮かぶわ。




「エイルが射ってみて?」


「ほい。あ、ついでに射程も調べてみたろ」


 おれは弓を引き、火山のほうへ狙いを定めた。



 バシュゥゥ!!



 放たれた矢が、ギュンギュンと加速していく。



「どんどんスピードが上がってない!?」


 レイナが驚きの声を上げる。


 そやろな。おれも最初は驚いたし。




 さらに加速していく矢の周囲に、衝撃波のような白い輪が生まれた。


 矢は生まれた輪を置き去りにし、さらに先へ。



 ひとつ……ふたつ……


 取り残された輪は空中で大きく広がり、消えていく。


 みっつ……よっつ――



 そして、五つ目の輪が生まれる直前――


 矢を包み込むように、白い雲のようなものが一瞬だけ現れた。



 ――次の瞬間。




 矢が弾けた!?





     …………パァァン!……



 しばらくして、遅れて音が届いた。


 レイナが口元に手を当て、目を丸くしている。


 いや、おれもびっくりしてるわ!



 バルガスさんたちも、遠くを見つめたまま目を見開いていた。



 音の速度って秒速なんぼぐらいやったっけ?



 たしか……三百三十メートルぐらいやったような……



 それに、あの白い雲みたいなん……戦闘機の動画で見たことあるぞ。


 たしか……ベイパーコーンやったっけ?


 ってことは、音速近くまで加速したんかいな!?





「ちょっと、もっかいやってみる!」



 バシュゥゥ!!


 再び矢がギュンギュンと加速していく。



 ひとつ、ふたつ――次々と輪が生まれ、矢の後ろへ置き去りにされていく。



「弾けた!」


 ゼロ……いち……に……



    …………パァァン!


「三秒ないぐらい……九百メートルぐらいやろか?」



「かなり遠くまで届くで、これ……」


「あんなに飛んでるのに、ほとんど軌道が落ちてないよ!?」



「せやねん……風の精霊様の加護やから、加速するわ軌道は落ちんわで、普通の弓と感覚が全然ちゃうのよ」


「慣れるまでめちゃ苦労したわ……」


 まあ、半日ぐらいで慣れたけど。


 そういうことにしとこ……




   ガサガサガサ……



 森の木々が大きく揺れた。




 また地震か?





   バキバキバキ……



「ん? 森の木がまた倒れとる……」



「大型魔獣だ! 森の方へ移動している!」


 バルガスさんの言葉に目を凝らす。


 溶岩原から森へ向かって、何頭もの大型魔獣が移動していた。



「……違う!」


 バルガスさんの声色が変わった。



「あいつら……何かから逃げているんだ!」


「え?」




「あれだ!」


 バルガスさんが指差した先を見ると――



 木々の向こうから、巨大な背中がゆっくりと姿を現した……




……でかい。



 大型魔獣なんて比べものにならんぐらいでかい。


 森の木々が、まるで草むらみたいに見える。


 身体からは、黒いヘドロのようなものが絶えず滲み出し、ボタボタと地面へ滴り落ちている。




「エイルよ! あやつを形作っておるのは、普通の魔素ではないぞ!」


 小さなつむじ風に運ばれて、慌てた様子のノルがやってきた。




「……邪悪な魔素の塊じゃ」


 レイナが、小刻みに震えるノルを抱きかかえた。


 こんなノルは見たことがない……あの魔獣……相当やばいのか?



 ズシン……ズシン……


 巨大魔獣が地面を揺らしながら、こちらへ向かってくる。



「船を出せ! 全速力で離れるぞ!」



 調査船はサイレンを鳴らし、周囲の小型船へ非常事態を伝えた。



「ヴェルディア! マリナたちに逃げるように伝えてくれ!」


『任せて!』


「くそっ!」


 おれはヴェルディアボウを構えた!


 時間稼ぎになるかわからん! でも、なんもやらんなんて出来るか!



  ギギギギ!


 おれは力いっぱい弓を引いた。



  バシュッ!


 放たれた矢が、ギュンギュンと加速していく。


 衝撃波のような輪が、みっつ……よっつ――



  ボッ!


 巨大魔獣の頭が吹き飛んだ!


「……え?」



 その瞬間――巨大魔獣の身体が、黒い霧となって崩れ始めた。



「いかん! 皆《みな》、部屋に入るのじゃ! 窓も閉めろ!」


 ノルが大声を上げた!



「聞いたか!? マリナたちに伝えてくれ!」


『わかったわ!』


「窓もやぞ!」


 甲板のおれやバルガスさんたちは、小型船たちに『船内に入れ!』と大声を上げ、身ぶり手ぶりで伝えてから調査船の船内へ飛び込んだ!


 緊張が走る船内。


「まだじゃぞ……まだ去っておらん」





 どれくらい経っただろう。


 十分……十五分……


 おれたちは息を潜め、なにかが通り過ぎるのを待った。




 マリナは無事だろうか……



 たまらず、おれはヴェルディアに問いかけた。


「マリナは無事か……?」


 おれは囁き声で問いかけた。



『大丈夫、心配ないわ……』


 よかった……おれはホッとした。




 あの時、咄嗟に『ヴェルディア』と叫んでしもたけど、みんな慌ててたし大丈夫やろか……





「どうやら……去ったようじゃの」


 レイナに抱きかかえられながらも、まだ小刻みに震えるノル。



 おれたちは安堵し甲板へ出た。




「マリナー! 窓は閉めてたかー!?」



「はーい、ちゃんと閉まってましたー!」



 手を振って返事するマリナの姿を見て、おれはやっと落ち着いてきた。



「マリナよ! 身体は何ともないか!?」


 レイナに抱きかかえられたノルが、心配そうな顔でマリナを見た。



「あっ、ノル! 大丈夫だよ♪」



 周囲の船からも、次々と無事を知らせる声が上がっていた。



 よかった……


 どうやら、大きな被害は出ていないようや。





 この日の夕刻、旧王都島を一周しながら観測していた調査船が戻ってきた。



 おれたちはいつもより沖合に停泊し、明日の朝、王泊へ向けて出発することになった。


 バルガスさんたちは、このあと今日の出来事について報告会議をするそうだ。





 まさか調査六日目で、あんな化け物に出くわすなんてな……


 あのまま船まで来てたら、どうなってたんやろ……


 それに――あんなに怯えるノルは、初めて見た。




 巨大魔獣の姿。


 黒い霧。


 震えていたノル。



 いろんなことが頭を巡り、その夜、おれはなかなか眠れなかった。

ま、結局寝たんかいw って話なんですよね(笑)


あと、ヴェルディアボウの弾道イメージはこんな感じです。(AI作成イラスト)



挿絵(By みてみん)



巨大魔獣のイメージはこんな感じです。(AI作成イラスト)

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挿絵(By みてみん)

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