この上ない収獲
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
「ぶははは! こりゃマリナ! 自分で洗えると言っておろうが! ぶははははは!」
マリナはお風呂で、ノルをお人形感覚で洗ってるんやろな。
「まったく、ひどい目に遭ったわい♪」ホカホカ
ノルがふらふらと飛んできた。その割に楽しそうやね?
リエラとレイナが帰ったあと、おれたちは緊急会議を開かねばならなかった。
そう、レイナに弓の性能をどう説明するかを。
近いうちにレイナと一緒に狩りへ行くことになったからだ。
「そんなのぉ、精霊の加護で構わなくなぁい?」
「弓の威力とか、ヴェルディアの索敵はそれで誤魔化せるけどな」
「まあほぼ確実にやけど『弓を試射させてほしい』って話になるやろ?」
「エイル以外だとぉ、弓の精霊紋は使えないわよぉ?」
「あ、そうなん?」
「このワタシがぁ、認めた相手にしか使わせないものぉ♪」ドヤッ!
「あー、そっかー。ほなそこまで心配することなかったな」
「そっかー、気に入ってくれてるんや」ボソッ
「もうっ! おばかさぁん! おばかさぁん!」ポカポカ!
「いてて、ごめんて……」
インベントリも……まあ、『収納の加護が掛かったカバンです』で押し通せるやろ。たぶん。
それから数日後――
おれはいよいよ、レイナと狩りに出かけることになった♪
「おはようエイル、準備はできてるか?」
日の出前にレイナがエイル号へと迎えに来た。
うん、相変わらずクール系美人やな。
「おはようレイナ。今日はどこまで出かけるの?」
「王泊から西にある島だ。そう遠くはない」
その島にはすでにレイナが罠を仕掛けてあり、ここ数日は毎日、様子を確認しに行っているらしい。
ブォォォォン!
レイナの船で島へ向かう途中、おれは狩猟についていくつか聞いてみることにした。
「そ、そういえばヴァルネシアで猟をするときにさ、守らなきゃならないルールとかあったら教えてほしいんだけど……」
「ほら、地域によってルールとか違うやろし」
――ここ以外のルールなんて、エイルさん知ってましたっけ〜?
クララベル様は片腕を組み、人差し指を唇に当てて「う〜ん?」とでも言いたげに宙を見上げる。
そして何かに気づいたように、ポンッと手を叩いた。
――あ、美人さんだから見栄を張ってるんですね〜♪ わかりました〜♪
満面の笑顔。
なんですかね? その白々しい小芝居。
てか、なんで付いて来てるんですかね?
レイナによると、狩りで島に入っている間は、船を必ず桟橋に停泊させておく決まりらしい。
桟橋に船がなければ、あとから来た猟師は『この島には誰もいない』と判断する。
その状態で狩りを始めれば、獲物を狙った矢が別の猟師の近くへ飛んでいく――なんて事故にもなりかねない。
なるほど。桟橋に停めてある船が『ただいま入山中』みたいな目印になってるわけか。
他にも細々としたルールはあるが、船を桟橋に停めることだけは必ず覚えておくように言われた。
島の森へ入ると、レイナが先頭に立った。
足音を立てないよう、ゆっくり、ゆっくりと進んでいく。
歩幅も自分の足の大きさほどしかない。
しばらく歩いては立ち止まり、周囲の音に耳を澄ませ、また歩く。
うっかり枯れ枝を踏み、『パキッ』と音を立ててしまったときも、その場で立ち止まり、じっと周囲の音に耳を澄ませていた。
はぇ~、これがプロの猟師の歩き方なんや。
『エイルぅ〜、サッサと進みなさいよぉ♪』
『ここら辺には居ないわよぉ♪』
プロの技を見て習っとんねん!
『ちょっとぉ、聞いてるぅ?』
「今は勘弁して……」ボソッ
『わかったわよぉ……』シュン
「エイル、どうした?」
レイナが小声で話しかけてきた。
「かっ、風の精霊様が話しかけてきて……」アセアセ
「風の精霊様!?」
レイナがギョッとしながら囁いてきた。
「もしかして凄腕の斥候とはエイルのことか!?」ボソボソ
「そ、そうなのかなぁ〜?」目が泳ぐ
「まさか同一人物だったとは……」
「い、いや、おれは風の精霊様に頼りっきりだったから……」
「だから、レイナの索敵のやり方がすごく勉強になってて……ちゃんとした狩りのやり方を教えてもらいたかったんだ」
「その……黙ってて、ごめん」
「そうだったのか……」
それからしばらくは、レイナが解説を交えながら歩き方を教えてくれた。
獲物に近づくときは、ゆ〜〜っくりと。決して急な動きをしない。
ほかにも、魔獣以外の獲物は狩り尽くさない。子連れは撃たない――などなど。
おれが知らなかった、猟師としての基本をいろいろと教えてもらった。
先頭を歩いていたレイナが、不意に立ち止まった。
そして振り返ると、おれにハンドサインを送る。
『魔獣』『二匹』『この先にいる』
おれも小さく頷いた。
そこからはさらに慎重に、ゆっくり、ゆっくりと距離を詰めていく。
やがて木々の隙間から、二匹の魔獣が見えてきた。
レイナが一匹を指差し、次に自分を指差す。
そして、もう一匹を指差してからおれを見る。
なるほど。右はレイナ、左がおれやな。
おれたちはそれぞれ弓を構え、狙いをつける。
あとはレイナの合図を待つだけ。
「3……2……1……」
囁くようなカウントダウン。
「ゼロ」
同時に矢を放つ。
ドドッ!!
二本の矢はほぼ同時に魔獣へと命中した。
しばらく様子を見てから近づき、二匹から魔核を回収した。
「おれが初めて、ちゃんと猟師らしく狩って手に入れた魔核……」シミジミ
そう思うと、なんか普通に売るのが勿体なくなってきたわ。
「あ、せや! レイナ、これ授業料や。貰って!」
「え? な、な、な、なんで!?」
なんで驚いてんの?
「いや、ちゃんと狩りをして獲れたのは、やっぱレイナのおかげやん?」
「レイナにもらって欲しいねん!」ニッコリ
「あ……りがと……」目そらし
なんやろ、レイナが気まずそうなんやけど……
――加齢臭……ですかね〜♪
加齢臭!? 魔核渡しただけやん!
てかなんで鼻つまんでんの? なあ?
『エイルぅ〜、ワタシ暇なんですけどぉ?』
『暇ぁ、暇ぁ、暇ぁぁ〜』
「あーもう、わかったから……」ボソボソ
「レイナ、精霊様が暇してるらしいから、索敵やらせてもろてええか?」
「せ、精霊様が……暇……?」
「も、も、もちろんだ!」アセアセ
結局その日の収穫は、魔核九個となった。
レイナのおかげで、狩猟の基礎の基礎を教えてもらえた。
おれにとっては魔核の数以上の、この上ない収穫やった。




