あぶく銭
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
旧王都島の火山の調査から戻ったおれたち。
島の観測ポイント付近には、普段もっと奥地にいるはずの大型魔獣がうろついていた。
この事態を受け、バルガスさんは緊急の調査隊を組むよう国王に進言するため、王宮へと向かった。
おれたちの方はと言うと……
「ヴェルディアよ、ちと頼みがあるのじゃが……」
いつになく真剣な表情のノルが、珍しくヴェルディアに頼み事をしていた。
「なっ、なによぅ……?」ビクビク……
「マリナを守るために、お主の力を貸してはくれぬか?」
どうやらノルは、島でグリズリーのような大型魔獣を見てから、あんなのがいつかマリナの近くにも現れるんやないかと、ずっと心配していたらしい。
「そっ、それならいいわよぅ」ホッ……
なにか無茶な事を言われるのかと心配し、ビクビクしていたヴェルディアは、ホッとした表情に変わった。
「そうねぇ……マリナは月見草の髪飾りをしていたわよねぇ?」
片腕を組み、もう片方の人差し指を唇に当てて考え込むヴェルディア。あんな性格やけど美人でスタイルが良いと絵になるやんけ。
月見草の髪飾りは、マリナが旅に出る時に父のトーマからもらったものだ。
教会で旅立つ娘の無事を祈っていたところ、いつの間にかクララベル様から賜っていたという、未だに枯れない不思議な生花だ。
「マリナぁ、ちょっと来てちょうだぁい」
ヴェルディアが取り出した世界樹の小枝をマリナの髪飾りに近づけると、小枝から細い蔓が伸び、月見草をやさしく包み込んだ。
やがてそれは、小さな花束のような髪飾りへと姿を変えた。
地味にセンス良いな君。
「これでいいかしらぁ?」ドヤァ♪
「おお、マリナよ。似合うのう♪」和み顔
ノルは、孫を見るお婆ちゃんの目になった。
「してヴェルディアよ、どんな力を秘めておるのじゃ?」チラッ
ヴェルディアによると――
マリナに危険が迫ると、髪飾りから即座に蔓が伸び、彼女を包み込む。
そして半球形のシェルターとなり、魔獣などの攻撃から守ってくれるらしい。
さらに海へ落ちた場合は、蔓が小舟のような形になり、マリナが溺れるのを防いでくれるという。
ノルはさらに、土の精霊紋で蔓を硬化。
水と風の精霊紋で、小舟になった際にも転覆しにくいようにした。
「土の奴の力を借りるのは忍びないが……マリナのためには仕方あるまいて」
――ワタシの加護もついていますし~♪ よくばり安心パックってところですね~♪
「パッ……? なんじゃそれは……」
安心パックどころか、マリン号といいキミら盛りすぎやろ。
いやまあ、おれも安心やけどさ……
「ありがとうございますっ♪」
満面の笑顔のマリナ。もしかして王族クラスでも、そんな盛り盛りの加護は付いてないんとちゃうやろか?
トーマさん、マリエさん。アナタの娘、女神と妖精と精霊のシークレットサービスが付いてますわ。安心してください……
次の日の昼過ぎ、おれたちはデカい魔核を売るために、エイル号で商店のある杭上商店街へ向かった。
べつにおれだけ借りた小型船に乗って行ってもよかったんやけど、買取額によっちゃあマリナに普段着を買ってもいいかなと思ったのでみんなで向かった。
ラウリエルの王妃さまにたくさんもらった服は、普段着にするには少しもったいなかったからだ。
「おいおい、お客さんよ。魔核なんかここじゃ買い取れないよ」
商店街の買取所で魔核を出そうとしたら、浜に専門の『魔核取引所』があると教えられた。
燃料として使える魔核は、ちゃんと密封できる容器で取り扱いに注意しなければならないそうだ。
『魔核は密封しないと、再び魔素を集めて魔獣化することがある』
なんてバルガスさんも言ってたから、そりゃ専門で扱う店もあるわな。
おれたちはエイル号で、少し離れた浜にある魔核取引所の桟橋へと向かった。
「ほおお、こりゃ大きい! しかもズシッと重いときた!」
魔核取引所の買取窓口は、周囲から見えないよう仕切りで囲われていた。
その窓口のオヤジが、取り出した魔核を見て目を丸くする。
「おっとすまねぇ。一体なにを狩ったらこんなのが取れるんだい?」ボソボソ
オヤジが急に小声になった。
「三メートルぐらいある熊みたいな魔獣を……」ボソボソ
「三メートル級? よく生きてたな!」ボソボソ
おれは王都島での経緯を話した。
「安全圏からだとしたら、弓の腕前も相当なもんだな兄ちゃん!」ボソボソ
うん、精霊紋とか話がややこしくなりそうだったので、そういうことにしておこう……
「じゃ、買い取り相場はこんなもんだ。どうだい?」ボソボソ
なんといつも売る魔核の十倍ほどの値段を提示された。
「まじすか!?」
「おい! 声がデカいよ!」ボソボソ
買取所では、ひったくりに目をつけられないよう小声でやり取りするのがルールなんだとか。
「重いと高いんです?」ボソボソ
「ああ。魔素が凝縮された魔核ほど重くなる。こいつは相当だぞ」ボソボソ
おれはホクホク顔をまわりに悟られないよう、残念そうな顔で買取窓口を後にした。
「だめだったんですか? おいしいもの作りますから元気出してください……」
マリナが残念そうな顔をして慰めてくれた。
おれはとりあえずエイル号に戻り、桟橋から少し離れた端のほうで錨を下ろした。
「大きい声出したらあかんで?」ボソボソ
「なんと……」ボソボソ
「この額で売れましたああ!」囁き声で
マリナたちは両手で口を抑えながら目を丸くし絶句している。
おれは取引所で聞いた話を説明し、絶対顔に出しちゃいけないと念押しした。
「わかってぇ~、おるわぁ~」キョロキョロ
ノルは泳いだ目で辺りを見回し、手までプルプルと震えている。
……妙に挙動不審だった。
リュミエルとの朝帰りを皆にバラした時もそうやったけど、君演技下手やなぁ。
「マリナ。普段着はたくさん買えそうやけど、急に羽振りが良くなったら怪しいから、今日は二着でいい?」
マリナは目をキラキラさせて、ウンウンと頷いた。可愛らしいねぇ♪
お金は一部のみ取り出して、残りは道具箱へ入れておいた。
筏の住民以外が開けてもカラの道具箱にしか見えない。
金庫としても、めちゃ優秀。
「エイルさん、どっちが似合いますか?」
服屋には、王泊の皆が着てるような民族衣装っぽい普段着が並んでいる。
「どっちもめちゃ似合ってて可愛いから、正直わからんわ……」ボソッ
「あ……ありがとぅゴザイマス……」だんだんと小声に
マリナが顔を真っ赤にさせて背中を向けた。
――おやおや~♪ またご神託ですかねぇ~♪(ニヤニヤ)
せやからチクリに神託て!?
また……? またてか!?
言うたんか!? トーマさんに!?
結局おれたちは最初の二着を買い、杭上商店街をぶらぶらと散策していた。
夕刻前ということもあって、辺りは多くの人で賑わっている。
「アンタかい? 凄腕の弓使いってのは?」
不意に、後ろから声を掛けられた。
若い女性の声――
おれはドキドキしながら、ゆっくりと振り返る。
そこには見知らぬダークエルフの女性が立っていた。




