火山調査
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
あれからおれは、バルガスさんたちと何度か魔獣駆除に出かけた。
ヴェルディアの索敵は非常に重宝され、みんなにも喜ばれた。
まあ周りには、『風の精霊から索敵情報を聞いてる』ってことにしてるんやけどな。
他人の褌で相撲取ってるみたいで、ちょっと申し訳ない気もする……
んで分け前の魔核は、密封できる箱などで保管しろと言われたけど……
クララベル様によると、『筏の道具箱で大丈夫です〜♪』とのことなので、魔核専用の道具箱を新しく作って、そこに放り込んでおいた。
――ワタシのものまね、全然似てないんですけど〜?(ぷくー)
ごめんて……
しかしストレージもそうやけど、食べ物も腐らんし、元の世界の冷蔵庫よりめっちゃ優秀やわ
ただ最近はマリナが学校へ行ったり、おれが仕事を手伝いに行ったりと別行動が増えた。
おれがエイル号で仕事に行ってしまうと、学校から帰ってきたマリナの家がなくなってまう。
そこでバルガスさんに相談すると、小型の船を一隻貸してくれることになった。
普通の魔導エンジンなので、スピードはエイル号よりは出ない。
仮に出るとしてもそんなスピードで湾内を走らんけどな。
おれは早朝の、あまり船が往来していない時間帯を狙って試運転をしていた。
ブオオオオオオン……
――この船、うるさいんですけど〜?
「しゃあないでしょ? 借り物なんやから。」
てか、なんで付いてきてんのやろ?
暇……危ない、考えてること筒抜けなんやった。
いらん事考えんとこ。
「音もそうじゃが振動も酷いもんじゃ!」
ノルが分身したみたいに震えている。
「せやから、なんで君もついてきてんのよ? こんな朝っぱらから……」
「ただの試運転なんやから付いて来んかったらええのに」
ブォォォォ……
おれたちはエイル号が停泊している桟橋に戻ると、バルガスさんたちが出港の準備をしていた。
「おはようございます! どこか行くんすか?」
「おぉ、エイルか。おはよう」
「今から火山調査に行くんだが……」
バルガスさんがおれの顔をじっと見た。
「エイル、お前も一緒に来るか?」
バルガスさんたちは、旧王都があった島まで定期調査に向かうところだった。
興味がわいたおれは、マリナに出かけることを伝え、バルガス船に乗りこんだ。
マリナもついて来たがっていたが――学校あるやろキミ。
「ん? お前一人なのか?」
バルガスさんが不思議そうな顔をしておれに聞いてきた。
「え、なんかあるんすか?」
「帰ってくるのは、明日の夕方頃だぞ?」
「一晩、嬢ちゃん一人にする気か!?」
「え、マジっすか!?」
嘘やん!?
夕方には帰ってくるもんやと思い込んでたわ!
「ちょっと待っててもらって良いですか!」
「おう。まだ荷物も積み終わってないからいいぞ。」
おれはダッシュでエイル号へ戻った。
「ごめんマリナ! 帰って来るの明日になるらしい!」
「えぇ~……」
マリナは不安そうな顔になった。
「せやから、一緒に来るか?」
「はい♪」
不安そうだったマリナの顔が、一転して笑顔になった。
おれはバルガスさんに事情を話して、マリナの同行許可をもらった。
ちなみに学校の方への連絡は、リエラがしてくれることになった。
「あっぶね! 一晩とはいえマリナを一人にするところやったわ……」
どうせ泊まりになるなら、風呂もベッドもあるエイル号で行った方がいい。
それにバルガスさんの方も、最初からおれたちみんながエイル号で付いてくるものだと思っていたらしい。
「昼飯のときは引っ張ってやるから、またこのロープを括り付けろ」
エイル号を初めて王泊に連れてきた時のように、バルガス船とロープで繋いでもらい、王泊を出航した。
途中で休憩を挟みつつ、おれたちは昼頃、旧王都島付近の沖合に到着した。
一旦エイル号と繋いだロープは外して、バルガス船は観測を開始した。
沖合から火山の噴煙に異常がないかを観測して、問題がなければ上陸するそうだ。
「煙と共に、火口から邪悪な魔素が流れておるのう……」
火山を見ているノルがつぶやいた。
「エイルよ、マリナは陸に上がらせるでないぞ」
ノルがいつになく真面目な顔で忠告してきた。
「マリナ、エイル号を頼むわ。何かあったらヴェルディアを通して連絡するから」
マリナにはエイル号を操縦してもらい、クララベル様と一緒に少し離れた沖合で待機してもらうことにした。
マリン号で操縦を覚えてくれてて良かったわ。
大きさは全然違うけど、基本的な操作は同じやからな。
おれはバルガスさんたちと共に島へ上陸した。
海水を張った容器で細かい揺れを確認したり、湧き水の温度を測ったり。
森のなかにまで進むから、ヴェルディアの索敵がめちゃ頼りになる。
「エイルぅ〜、あの大きい岩があるところぉ」
「あそこまでは、行っちゃだめよぉ?」
「なんかおるの?」
「かなり大きい魔獣がいるわよぉ?」
まじか!?
「バルガスさん、あの大きい岩のあるところ」
「かなり大きい魔獣がいるそうですよ!」
おれは急ぎバルガスさんへ伝えた。風の精霊様が教えてくれたと。
「あんなところにか!?」
「いつもならそこまで進むのだが……」
ドォォォン!……
次の瞬間岩の方角から大きな音がした。
「全員引き返すぞ!」
バルガスさんの声で、おれたちは全力で船へ戻った。
森の方からバキバキと音がして、こちらに何かが近づいてきていた!
全員急いで船に乗り込み、島から十分に離れたところで――それは姿を見せた。
森から木々を押し退けるようにして、巨大な魔獣が海岸へ出てきた。
グリズリー? シロクマ?
とにかく、それぐらいデカい。
「危なかった……エイル、おまえさんのお陰で助かったぜ」
ヴェルディアさん偉い! みんな無事だった!
もうあの魔獣も攻撃できんやろ……と安心したら、ふと思いついた。
「ここからやったら、一方的に攻撃できんやろか?」
「目測三百はあるぞ? さすがに届かんだろ……」
何言ってんだお前? という顔のバルガスさん。
「弓には風の精霊様の加護がついてるから、ちょっと試してみますね?」
ヴェルディアボウの威力はいったいどれぐらいまで通用するのか?
おれはちょっと前ぐらいから知りたいなと思っていた。ちょうどいい機会や。
遠見の加護のおかげで、三百メートルも離れているようには感じない。
キリキリ……と狙いを定める。魔核のちょい下ぐらい……
バシュウ!!
放たれた矢はギュンギュンと加速していく。
ズバァァン!!
「「!?!?!?」」
バルガスさん――だけでなく、おれも目が点になった。
矢が魔獣の頭部を貫通したのだ。
魔獣はその場で、ズズン! と倒れ込んだ。
放ってからでも加速するから、威力はいったいどこまで上がるのか気にはなってたけど、まさかここまでとは……
これからは射線をもっと意識せなあかんな……
ヴェルディアの索敵で、他に大型の魔獣がいないことを確認したおれたちは、再び島へ上陸した。
さっきの魔獣が飛び出してきた場所へ向かってみると――
「うわぁ……」
森の中には、木々をなぎ倒してできた道が続いていた。
こいつ、こんなところを突っ切ってきたんか……
船から見た時もデカいとは思ったけど、改めてどれだけヤバい魔獣だったのかよく分かる。
「弓の威力も驚いたが……あんなところにまで大型が降りてきてたとは」
バルガスさんによると、あれほど大きな魔獣は、普段ならもっと島の奥まで行かないと出会わないそうだ。
「あの時、思いつきでお前を誘ってみたんだが……命拾いしたぞ」
朝、バルガスさんがおれの顔を見た時、ふと風の精霊様の索敵能力を思い出したらしい。
偶然ついて来ただけやったんやけどな……
まあ、みんな無事やったんやから良しとしよう。
ちなみに大型魔獣からは、今まで見たこともないくらいデカい魔核が取れた。
これは結構いい値段になるんちゃう?
ちょっとぐらいは酒代に回しても文句言われんやろ……
翌日、残りの調査を終えたおれたちは王泊への帰路についた。
今回見つかった大型魔獣については、後日本格的な調査隊を組んで調べることになったらしい。
バルガスさんからは、次の調査にもぜひ参加してほしいと頼まれた。
まあ、ヴェルディアの索敵があれば役には立てるやろ。
しかし――
本来なら島の奥深くにいるはずの大型魔獣が、なぜあんな海岸近くまで降りてきていたのか。
火山を振り返ると、今日も変わらず噴煙が空へ昇っていた。




