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C-Raft(クラフト) ~女神に放り込まれたおっさん、筏一つで沈みゆく世界を巡る~  作者: nico
第六章 波上の楼閣(はじょうのろうかく)
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ヴェルディアボウ

youtubeでゲーム実況をおこなっております!

https://www.youtube.com/@nico_channel_

エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、

女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。

挿絵(By みてみん)

AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。



『少しでもごはんが豪華になる足しになれば……』



 そんな軽い気持ちで、夕食の時に話した魔獣狩り。


 マリナはとても心配そうな顔をしていたが、ヴェルディアとノルとクララベル様は、ノリノリでとんでもない弓を作ろうとしていた。





 ヴェルディアは小さな世界樹の枝を取り出すと、目を瞑り何かを念じているような仕草をした。


 世界樹の枝は淡く光りだすと、上下に伸び始め弓の形になった。



「これをぉ、使いなさぁい♪」ドヤァ♪


 ヴェルディアがおれに渡そうとした弓は……




 なんやこれ、女の子が持つような上下に花の付いたメルヘン調の……まるでどこぞの魔法少女が持っているような弓やった。



「こんなん恥ずかしいやん! 人前で使えんわ!!」



「おれ、中身おっさんやで……」


――「……」プルプル


 クララベル様とノルが肩を震わせて笑いを堪《こらえ》えている。なに想像しとんねん。



 マリナは目をキラキラさせている。



「もおっ! 仕方ないわねぇ……」


 ヴェルディアが再度念じると、弓は元の世界樹の枝に戻り、再び弓の形になった。



『おっさん』の部分に引っ張られたのか、今度はずいぶん渋い弓になった。


 握りの部分は黒檀《こくたん》のように黒く、そこから上下に、薄い竹を何枚も張り合わせたようなしなやかなリムが伸びている。


 さらに枝から蔓が伸び始め、細い一本の紐のように絡まりながら、弓の上下を結んだ。



「……これ全部、さっきの枝一本なん?」


「そうよぉ♪」


「めっちゃかっこええやん! ありがとう、ヴェルディア!」


「崇《あが》め奉《たてまつ》りなさぁい♪」ドヤァ!



――な〜んかこの弓、加齢臭漂ってませんか〜♪


「さっきのほうが可愛かったです……」


 いやいやマリナさん、おっさんやからね? 中身は。


 いくら中身おっさんでも酷《ひど》ない? クララベル様よ。




「形は決まったようじゃの」


 ノルが弓に風の精霊紋を刻んだ。



――ではワタシは『遠見の加護』を〜♪


――ついでに加齢臭を抑える加護もつけときますね〜♪



「いやいやいや、加齢臭のやつは要らんからね!?」



 マリナとノルとヴェルディアは、肩を震わせ笑いを堪《こら》えている。


 そんなピンポイントな加護までアリなんか? この女神の加護……



 クララベル様の加護で弓は光に包まれ、そして光は弓に染み込むように消えていった。





「みんな、めっちゃかっこええ弓、ありがとう!」



「ま、これで『やっぱ魔獣怖い!無理!』にならんといいのう」


 ノルが『怖い、無理』の所で変顔。そんな変な顔しとらんわ!



――無茶をせず〜ほどほどに頑張って稼いでくださいね〜♪





 ヴェルディアがじーっと弓を見て考えている。



 人差し指で弓を指すと、握り部分の上から細い蔓が伸びてきた。


 おれの耳元まで届くと、先端が小さなコブのように膨らんだ。


 なんやこれ、イヤホン?



『これで聞こえるかしらぁ?』


「え? ヴェルディアは喋ってないのに声が聞こえるんやけど!?」



「森で迷ったらぁ、マリナが悲しむでしょぉ、おばかさぁん♪」ドヤァ♪


「え、あ……ありがとう。」



 イヤホンみたいな蔓はシュルシュルと弓に戻っていった。




「それなら儂《わし》はこうしてくれるわ♪」


 ノルが弓の両端になにかの精霊紋を刻んだ。



「これで矢を風に乗せて、軌道を曲げられるようになったぞ♪」ドヤァ♪


「えっ!? ほんなら物陰に隠れた獲物にも当てられるん?」



「当てられるかどうかまで儂《わし》は知らんわい……」



「そこは自分で練習せえということですね……」


「そういうことじゃ♪」




――ではワタシはこれを〜♪



 弓が光に包まれ、光は弓に染み込んでいった。



――獣と加齢臭避(よ)けの加護を追加しときました〜♪



「せやから! 加齢臭は要らんからね!?」



「てか獣避《けものよ》けの加護なんか付けたら、魔獣が逃げていくじゃないすか!」



――わかってますぅ〜、不意打ち防止ですよぉ♪(ぷくー)


 ほんまかわいいな……


「いやいや、ありがとうございます!」



――ふふっ♪(ドヤァ♪)




――獣が近くまで忍び寄ってきたら〜嫌がって少し距離を取る程度ですからね〜♪


――過信はしないでくださいね〜♪


 クララベル様は人差し指を立てながら、にっこりとウインクをした。うん、可愛い。



「ま、何にしろ練習あるのみやな」



――(スンスン)


 クララベル様がおれに近づいて匂いを嗅いでいる……


――大丈夫ですね〜♪


「え、なにが!?」



 マリナとノルとヴェルディアもスンスンと嗅いできた。



 みんなにっこりしながらウン! と頷いた。



「え!? うせやろ、普段出てるの!?」アセアセ



「マリナさんや!?」バッ!


 おれはマリナをバッ! と見た!



 マリナはウインクしながらペロッと舌を出して微笑んだ。



 どっちなんやろ!? 加齢臭、我慢してたんやろか!?(ドキドキ)




 おれはその夜、なかなか眠れなかった。





 翌日――


 おれはまた、人気《ひとけ》のない見晴らしのいい場所に行き、弓の練習をした。


 クララベル様たちは、自分の付けた効果の確認で付いてきた。




「なんやこれ……」


 構えてみてびっくりした。



 的《まと》からは結構離れている。なのに、やたらとはっきり見える。


 スコープみたいに大きく見えるわけじゃない。


 ただ――百メートル先の的を見ているはずなのに、十メートル先を狙っているような気楽さがある。



「こりゃ外しようがないわ」



 ヒュン!



「しもた、これ弱いか!?」


 遠見の加護で的《まと》が近くに感じたせいか、完全にいつもの距離感で射《う》ってもうた。



 ギュゥゥン!


……スカッ



「……外れたのう」


「なぁにやってるのよぅ」


――いくらランボルギーニでも〜、乗ってる人が初心者ではそんなもんですね〜♪



 おれは、矢の速度の異常な伸び方のほうに驚いていた。



「ランボルギーニ……」



「あ、それや! 軽トラのつもりでアクセル踏んだら、ランボルギーニやったんや!」


「そらビュン! ってなるわ!」



「ラン……なんじゃそれは?」



「要は、弓が『高性能すぎて加減間違った』っちゅうことや」



「見とけ! 今度こそ!」


キリキリキリ……


 おれは集中し的《まと》を狙って撃った。



 パシュゥ!


 ギュゥゥン!


 先ほどぐらいの力加減で矢を放つ。そしてギュンギュンと加速する矢!



「イケる!今度は当たる!」



……スカッ


――「「ブッ!」」


 三人は思わず吹き出した。酷いなきみら。



 矢は的《まと》の上を通り過ぎ、かなり後ろに生えている木に突き刺さった。




「もうわかった! これ普通の弓と違《ちご》て、射《う》ったあとも矢が加速するんや! せやから普通の弓より真っ直ぐ飛ぶんや!」



「今度こそ!」


 三度目の正直、今度はイケる!



 ギュゥゥン!


 ズバァァン!



 的《まと》のど真ん中! とはいかないが、左右はちゃんと合ってる! あとは距離感の補正やな!



――「「おおー♪」」


 三人はパチパチと拍手をしてくれた。


……なんか妙に反応が素直やな?



 いや、ただ単に自分らが作った弓の性能を確認して喜んどるだけか……?



 まあええわ。


 とりあえずは、曲げられるカーブショットの練習はぼちぼちモノにして行ったらええ。


 今はまず、この弓に慣れることからや!



「せっかくやし名前を……」


「『ヴェルディアボウ』……かな!」



――え〜、『クララベルボウ』じゃなきゃ加齢臭避けの加護消しちゃいますよぉ〜?


「消してくれてエエわ!!」




 普段軽トラに乗っとるオッサンが、急にランボルギーニに乗って調子に乗ったら、ロクなことにならんからな!


 おれは皆《みんな》のおかげで新たな相棒――『ヴェルディアボウ』を手に入れた。


 あとは、使うおれ次第やな。


 ……これで「魔獣怖いから帰る」とか言うたら、三人に何言われるんやろ。




 よし。



 もうちょっと練習しとこ……

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