ヴェルディアボウ
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
『少しでもごはんが豪華になる足しになれば……』
そんな軽い気持ちで、夕食の時に話した魔獣狩り。
マリナはとても心配そうな顔をしていたが、ヴェルディアとノルとクララベル様は、ノリノリでとんでもない弓を作ろうとしていた。
ヴェルディアは小さな世界樹の枝を取り出すと、目を瞑り何かを念じているような仕草をした。
世界樹の枝は淡く光りだすと、上下に伸び始め弓の形になった。
「これをぉ、使いなさぁい♪」ドヤァ♪
ヴェルディアがおれに渡そうとした弓は……
なんやこれ、女の子が持つような上下に花の付いたメルヘン調の……まるでどこぞの魔法少女が持っているような弓やった。
「こんなん恥ずかしいやん! 人前で使えんわ!!」
「おれ、中身おっさんやで……」
――「……」プルプル
クララベル様とノルが肩を震わせて笑いを堪えている。なに想像しとんねん。
マリナは目をキラキラさせている。
「もおっ! 仕方ないわねぇ……」
ヴェルディアが再度念じると、弓は元の世界樹の枝に戻り、再び弓の形になった。
『おっさん』の部分に引っ張られたのか、今度はずいぶん渋い弓になった。
握りの部分は黒檀のように黒く、そこから上下に、薄い竹を何枚も張り合わせたようなしなやかなリムが伸びている。
さらに枝から蔓が伸び始め、細い一本の紐のように絡まりながら、弓の上下を結んだ。
「……これ全部、さっきの枝一本なん?」
「そうよぉ♪」
「めっちゃかっこええやん! ありがとう、ヴェルディア!」
「崇め奉りなさぁい♪」ドヤァ!
――な〜んかこの弓、加齢臭漂ってませんか〜♪
「さっきのほうが可愛かったです……」
いやいやマリナさん、おっさんやからね? 中身は。
いくら中身おっさんでも酷ない? クララベル様よ。
「形は決まったようじゃの」
ノルが弓に風の精霊紋を刻んだ。
――ではワタシは『遠見の加護』を〜♪
――ついでに加齢臭を抑える加護もつけときますね〜♪
「いやいやいや、加齢臭のやつは要らんからね!?」
マリナとノルとヴェルディアは、肩を震わせ笑いを堪えている。
そんなピンポイントな加護までアリなんか? この女神の加護……
クララベル様の加護で弓は光に包まれ、そして光は弓に染み込むように消えていった。
「みんな、めっちゃかっこええ弓、ありがとう!」
「ま、これで『やっぱ魔獣怖い!無理!』にならんといいのう」
ノルが『怖い、無理』の所で変顔。そんな変な顔しとらんわ!
――無茶をせず〜ほどほどに頑張って稼いでくださいね〜♪
ヴェルディアがじーっと弓を見て考えている。
人差し指で弓を指すと、握り部分の上から細い蔓が伸びてきた。
おれの耳元まで届くと、先端が小さなコブのように膨らんだ。
なんやこれ、イヤホン?
『これで聞こえるかしらぁ?』
「え? ヴェルディアは喋ってないのに声が聞こえるんやけど!?」
「森で迷ったらぁ、マリナが悲しむでしょぉ、おばかさぁん♪」ドヤァ♪
「え、あ……ありがとう。」
イヤホンみたいな蔓はシュルシュルと弓に戻っていった。
「それなら儂はこうしてくれるわ♪」
ノルが弓の両端になにかの精霊紋を刻んだ。
「これで矢を風に乗せて、軌道を曲げられるようになったぞ♪」ドヤァ♪
「えっ!? ほんなら物陰に隠れた獲物にも当てられるん?」
「当てられるかどうかまで儂は知らんわい……」
「そこは自分で練習せえということですね……」
「そういうことじゃ♪」
――ではワタシはこれを〜♪
弓が光に包まれ、光は弓に染み込んでいった。
――獣と加齢臭避けの加護を追加しときました〜♪
「せやから! 加齢臭は要らんからね!?」
「てか獣避けの加護なんか付けたら、魔獣が逃げていくじゃないすか!」
――わかってますぅ〜、不意打ち防止ですよぉ♪(ぷくー)
ほんまかわいいな……
「いやいや、ありがとうございます!」
――ふふっ♪(ドヤァ♪)
――獣が近くまで忍び寄ってきたら〜嫌がって少し距離を取る程度ですからね〜♪
――過信はしないでくださいね〜♪
クララベル様は人差し指を立てながら、にっこりとウインクをした。うん、可愛い。
「ま、何にしろ練習あるのみやな」
――(スンスン)
クララベル様がおれに近づいて匂いを嗅いでいる……
――大丈夫ですね〜♪
「え、なにが!?」
マリナとノルとヴェルディアもスンスンと嗅いできた。
みんなにっこりしながらウン! と頷いた。
「え!? うせやろ、普段出てるの!?」アセアセ
「マリナさんや!?」バッ!
おれはマリナをバッ! と見た!
マリナはウインクしながらペロッと舌を出して微笑んだ。
どっちなんやろ!? 加齢臭、我慢してたんやろか!?(ドキドキ)
おれはその夜、なかなか眠れなかった。
翌日――
おれはまた、人気のない見晴らしのいい場所に行き、弓の練習をした。
クララベル様たちは、自分の付けた効果の確認で付いてきた。
「なんやこれ……」
構えてみてびっくりした。
的からは結構離れている。なのに、やたらとはっきり見える。
スコープみたいに大きく見えるわけじゃない。
ただ――百メートル先の的を見ているはずなのに、十メートル先を狙っているような気楽さがある。
「こりゃ外しようがないわ」
ヒュン!
「しもた、これ弱いか!?」
遠見の加護で的が近くに感じたせいか、完全にいつもの距離感で射ってもうた。
ギュゥゥン!
……スカッ
「……外れたのう」
「なぁにやってるのよぅ」
――いくらランボルギーニでも〜、乗ってる人が初心者ではそんなもんですね〜♪
おれは、矢の速度の異常な伸び方のほうに驚いていた。
「ランボルギーニ……」
「あ、それや! 軽トラのつもりでアクセル踏んだら、ランボルギーニやったんや!」
「そらビュン! ってなるわ!」
「ラン……なんじゃそれは?」
「要は、弓が『高性能すぎて加減間違った』っちゅうことや」
「見とけ! 今度こそ!」
キリキリキリ……
おれは集中し的を狙って撃った。
パシュゥ!
ギュゥゥン!
先ほどぐらいの力加減で矢を放つ。そしてギュンギュンと加速する矢!
「イケる!今度は当たる!」
……スカッ
――「「ブッ!」」
三人は思わず吹き出した。酷いなきみら。
矢は的の上を通り過ぎ、かなり後ろに生えている木に突き刺さった。
「もうわかった! これ普通の弓と違て、射ったあとも矢が加速するんや! せやから普通の弓より真っ直ぐ飛ぶんや!」
「今度こそ!」
三度目の正直、今度はイケる!
ギュゥゥン!
ズバァァン!
的のど真ん中! とはいかないが、左右はちゃんと合ってる! あとは距離感の補正やな!
――「「おおー♪」」
三人はパチパチと拍手をしてくれた。
……なんか妙に反応が素直やな?
いや、ただ単に自分らが作った弓の性能を確認して喜んどるだけか……?
まあええわ。
とりあえずは、曲げられるカーブショットの練習はぼちぼちモノにして行ったらええ。
今はまず、この弓に慣れることからや!
「せっかくやし名前を……」
「『ヴェルディアボウ』……かな!」
――え〜、『クララベルボウ』じゃなきゃ加齢臭避けの加護消しちゃいますよぉ〜?
「消してくれてエエわ!!」
普段軽トラに乗っとるオッサンが、急にランボルギーニに乗って調子に乗ったら、ロクなことにならんからな!
おれは皆のおかげで新たな相棒――『ヴェルディアボウ』を手に入れた。
あとは、使うおれ次第やな。
……これで「魔獣怖いから帰る」とか言うたら、三人に何言われるんやろ。
よし。
もうちょっと練習しとこ……




