デコボー
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
マリナの通学のために小型艇を作ったおれ。
クララベル様たちの加護が盛り盛りの、とんでもないシロモノが出来上がってしまった。過保護すぎるやろ。ま、おれも安心やけど……
初登校の今日はマリナを先生たちに紹介するため、リエラさんが付いて行くことになった。
おれも保護者として、エイル号で付いて行くことにした。
――若い女性の先生がいても〜♪ネットリした目で見ないでくださいね〜♪
はい、気をつけます……
マリナはエイル号に乗っては行かず、マリンで向かうと張り切っていた。
「マリナー、あそこの桟橋に係留しなさいねー♪」
「はーい♪」
リエラさんが生徒用の桟橋を指さした。通学用の自転車置き場みたいなもんか。
たくさんの小型艇が係留されている中、マリナは上手に接岸し、マリンを桟橋につないだ。
ほんま飲み込み早いなぁ……
マリンは子供たちの注目の的になっていた。
「あんな、屋根のあるボートなんて珍しいからね♪」
たしかに。リエラさんが言う通り、まわりの小型艇には屋根付きなんて見当たらない。
「変に目立ってるけど大丈夫やろか……」ボソリ
おれは少し心配になった。
リエラさんに案内されたおれとマリナは、職員室っぽい所へ連れて行かれ先生たちに挨拶を済ませた。
「それじゃあマリナちゃん、行きましょうか」
「はい!」
先生に連れられて歩き出すマリナ。元気よく返事をしたものの、教室へ向かう前に一度だけこっちを振り返った。
……やっぱり、ちょっと緊張しとるんやな。
おれが小さく手を振ると、マリナも笑って手を振り返し、先生について行った。
そんなマリナを、おれは少し心配しながら見送った。
「マリナなら、きっと大丈夫だよ」
リエラさんに声をかけられ、おれは学校を後にした。
王泊に滞在している間、何から何まで世話になりっぱなしというのも落ち着かない。
「ずっと食事の世話になりっぱなしってのも悪いし、ここで何か手伝えることないかな?」
帰りのエイル号で、おれはリエラさんに聞いてみた。
「そうねぇ……何かないか、バルガスおじさんに聞いてみるよ」
「エイルはぁ、ワタシのお世話をぉしてればいいのよぉ」ぷくー
いや、そういうわけにもいかんでしょ、ヴェルディアさんよ。
「あ……もしかしたら、ヴェルディアのお世話に役立つ知識を得られるかも知れんで?」
「そういうことならぁ、頑張ってきなさぁい♪」ルン♪
意外にチョロいな、ヴェルディア。
今朝、マリナのマリン号が子供たちに注目されていたのが気になっていたおれは、マリナの帰宅を心配しながら待った。
「エイルさん、ただいま!」
はぁはぁと息を切らせてマリナが帰ってきた。
「ど、どうしたん!?」
まさか何かあったんか!?
……と思ったが、本人はやたら笑顔だった。
「これからお友達と遊んできていいですか!?」
「え、ええけど……」
「おい、ノル! マリナについて行ったって!」
「任せておけい!」
荷物を置いて、またマリナはノルとともに出て行った。
過保護すぎかなとか思ったけど、初日くらいはええやろ。
しかし、マリンはかなり目立ってたから心配してたけど……どうやら大丈夫そうやな、良かった。
夕食のときにマリナから聞いたのだが、学校では質問攻めだったらしい。
『マリナちゃん! よろしくね!』
『どこからきたの!?』
『あの船、どうやったの!?』
『私もあんなのにしたい!』
『学校終わったら、みんなで木とか探しに行こうよ!!』
『ちょっとオレらにも見せてくれよぉ!!』
『マリナちゃんも一緒にくるでしょ!?』
『カバン置いたら桟橋に集合!!』
「あーの童ども、木の上に登ったり岩の上に登ったり……子守が大変じゃったわい!」
ノルがやれやれと言った顔で話すと、一緒に食事をしていたガルディアス国王たちも笑いながら聞いていた。
「いつもなら儂のまわりに集まってきて、逃げ回るのは儂のほうじゃというのに……」
「あの童どもときたら、儂そっちのけで、あっちへこっちへ駆け回りおって……追いかけるのに難儀したわい!」
子供たちは、ノルそっちのけで枝や蔓を集めに走り回り、
『そこは危ないから登るでない!』
『こら! はよう降りてこんか!』
などと、みんなのお婆ちゃんをやっていたらしい。
王泊の子供たちにとって、小型艇はあくまで移動手段。
今までは実用性ばかりで、『自分の船を飾る』という発想はあまりなかったらしい。
そこへ現れたのが、屋根まで付いたマリン号。
文化の『黒船来航』ってところか?
どうやらマリナは、とんでもないものを持ち込んでしまったようだ。
いわゆる『デコチャリ』文化みたいなもんやな。おれも小学生の時やってたわ。
子供たちは家に帰ってからも、自分のボートのデコレーションに取り掛かっていたらしい。その日の夜は『ご飯だって言ってるでしょ!!』という声が、そこかしこから聞こえたという。
ちなみにこの文化はその後、子供たちの間でどんどん広がっていったらしい。
屋根を付ける者。
船体を塗る者。
木彫りの飾りを付ける者。
やがて若いダークエルフたちにまで飛び火し――
デコレーションボート。
通称――『デコボー』。
そんな名前まで付いて、すっかり定着していったそうだ。
……どこの世界も似たようなものが流行るんやね。




