海に浮かぶ街
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
おれたちは、トラブルがきっかけでバルガスと出会い、ダークエルフ領の王泊(他国で言う王都)へ向かうことになった。
向かう途中に見えた大きな船からは、こちらにチカチカと発光信号が送られてきた。
バルガスさん、『遭難者を救助したから連れてきたで』 みたいな信号送ったんやろか?
まあ間違いではないけど……
どんどんと街へ近づく筏。見えてくる街並み……
……街並み? もしかして海の上に家が建っとる?
ま、とりあえず海賊アジトなどではなさそう。
なので、おれはマリナを呼んだ。
「マリナー! 街が見えてきたでー!!」
海賊のアジトではなさそうだと分かって安心したマリナが、ぱたぱたと走って来た。
「わー♪ 海の上に家があるー♪」
「二階からやったらよー見えるんとちゃうか?」
マリナとノルたちは居住区二階の前方、小さなバルコニーへと出た。
髪が潮風になびくマリナも可愛らしい。
筏は海上に浮かぶ住宅群の中を通っていた。
木造の平屋が、まるで大きな筏のような土台の上に建っている。リアルRaftやんけ。
家々は勝手に漂っているわけではないみたいで、太い縄が海へ斜めに伸びていた。
家の横には小舟が繋がれ、軒先には洗濯物や魚がずらりと干されている。猫がおったら大喜びしそうやな……
家と家の間に道らしい道はない。
代わりに、小さな舟が当たり前のように行き交っていた。
あちこちから舟を漕ぐ水音や、人を呼ぶ声が聞こえてくる。
海の上なのに、ちゃんと『街の音』がする。
「……子供かあれ?」
一人用の小さなボートに乗って移動する、どう見ても子供のような姿がちらほら見える。
なんか……自転車に乗って遊びに行く、みたいな感覚なんやろか?
バルガスの船と繋いでいたロープは、王泊が見えて、もう迷う心配がなくなったので外した。
おれたちはバルガスの後ろを付いて陸の方へと向かっていた。
さらに陸へ近づくにつれ、景色が変わってきた。
海岸近くには太い杭が何本も打ち込まれ、その上に二階建ての建物まで立ち並んでいる。
建物同士は木の桟橋で繋がり、人々が普通の道みたいに行き交っていた。
海の上に浮かぶ家々とは違って、こっちは完全に街やな。
「なんか……南国リゾートに来たみたいやわ!」
「めちゃテンション上がるやん!」ワクワク♪
「…………」
おれは、ふと筏の後ろが騒がしいのに気づいた。
後ろを見ると……
なんか一人乗りの船とか小型船とかが、手を振りながらいっぱいついてきてるんですけど!?
みんなの視線の先を見ると……
ノルが手を振っとる!!
せやった! あいつ、中身アレでも伝承クラスの存在やんけ!!
前のバルガス船は変わらず陸に向かっていた。
海岸の桟橋に到着したおれとバルガスさんの船。
「エイル、店の場所なんだが……ん?」
バルガスさんは、筏の後ろが騒がしいのに気づいた。
「なんかやけに騒がしいな……って、おい……」
バルガスさんは筏の後ろを見たまま、口をあんぐりと開けた。
「お、お前らちょっとここで待っててくれ!」
バルガスさんは遠くの入り江にある、たくさんの杭の上に立つ大きな建物に向けて、船から発光信号を送った。
もしかしてあれが王宮とかやろか?
回りにはどんどん人が集まり、杭の上の通路や浜辺には人があふれそうになっていた。
王宮みたいな建物からは、多分やけど返事の発光信号が来た。
王宮から迎えでも寄越してくれるんやろか?
あ……これ、また打ち合わせしとかなアカンやつや……
おれは急いで居住区に飛び込むと二階へ駆け上がった。
途中、足の脛をガン! って柱にぶつけた!
「おいノル!また大騒ぎになってもうた!」
「わかっとるわ、のうマリナ♪」
「はい、ノルさま♪」
別に急ぐ必要なかったわ…… 痛ったああぁぁ……
気が焦ってたから、今になって激痛が来た。
足を引きずりながら甲板に降りると、小型船がコチラに向かってきていた。
なんか紋章みたいなのが見えるし、王族専用船みたいなやつやろか?
ドリフトみたいに桟橋に到着すると、桟橋で待ってた人がササッと係留した。
カッコいい到着の仕方やなぁ……などと見ていたら、操縦していた人がこれまたカッコよく飛び降りてきた。
船からは女の人二人も降りて、こちらの桟橋に向かってきた。
居住区の方に振り返ると、レイゼル城のメイド服に着替えたマリナが肩にノルを乗せ、しずしずとこちらに向かってきた。
なんか雰囲気出てますね?マリナさんや。
さすがレイゼル&ラウリエル仕込の所作ですね!
あかんあかん、ボーッとしとる場合やない!
おれもノルの隣に並んどかな!
先ほど船を操縦していた男を先頭に、二人の女性が一歩後ろに並んでいた。
さらにその後ろでは、バルガスさんたちまで姿勢を正している。
……あれ?
もしかして、めちゃくちゃ偉い人?
マリナはノルを肩に乗せ、浜へ続く桟橋を進んだ。
おれも反対側からノルに付き従うように、その隣へ並ぶ。
桟橋のおれたちに向かって男の人が一礼して喋り始めた。
「お初にお目にかかります、妖精様」
「ヴァルネシア王国国王、ガルディアス・ヴァルネシアと申します」
「こちらは妻のサフィリア。そして娘のネリアです」
隣の女性二人が一礼をした。
「――うむ。出迎え、大儀である」
「儂は妖精族、ノル」
「長き時を巡り、この沈みゆく世界を見届けてきた者じゃ」
めちゃ雰囲気出してますね、ノルさん。
「こちらは旅を共にするエイル。そしてマリナじゃ」
おれはヴァルネシア王国の人たちに一礼をした。
マリナはペコリと頭を下げた。肩にノルが乗ってますからね。
ずり落としたら、出していた威厳丸つぶれですもんね!
――せっかく頑張って雰囲気出してるのに可哀想ですよ〜♪エイルさん〜♪
こういう時に余計なこと考えてしまうのなんでやろね?
「両名とも、儂が信を置く者。よしなに頼むぞ」
「はっ。承知いたしました」
「妖精様を我が国へお迎えできましたこと、望外の喜びにございます」
「うむ。そう畏まらずともよい」
机の上で仰向けにジタバタ駄々こねていたのとほんま同一妖精か!?
おれたちはそのまま王宮へと招待されることとなった。
国王と顔を合わせるなんて、普通はそうそう無いやん?
なんやかんや、ノルの存在ってすごいんやな。
普段はアレやけど……
まあ……どこぞの国王様も、酔っ払ったら酷いもんやけどな。
よくよく考えたら、この世界に来てからほぼタダ飯食らってるおれ。
クララベル様とノルの存在の凄さを改めて思い知った。
普段はアレやけどな……
南国リゾートみたいな、このヴァルネシア王国。
海の上に浮かぶ街並み。
一体どんな暮らしをしているんだろう。
おれは期待に胸を膨らませながら、王宮へと向かった。




