世界樹の精霊
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
ラウリエル港を出発してから、おれたちは久々にのんびりと漂流する旅を再開した。
翌日おれは筏の後方、居住区の二階バルコニーにある、ちょっとした菜園で立ちつくしていた。
大小さまざまなプランターも少しずつ増え、野菜や小さな果樹を育てているうちに、ちょっとした植物園のようになってきた。
その中に見慣れぬ木が生えている。
おれより少し大きい程度だから、たぶん二メートルもない。
木としてはまだ小さい方やろう。
「なんやこれ……根が広がって、プランターがぶっ壊れとるがな……」
隣には、クララベル様みたいにふわふわ浮かんでる、見知らん女の人がおるし。
「あの……アナタは……?」
「そこのニンゲぇン」
「喉が渇いたかしらぁ」
乳酸菌でも勧めてこられそうな、むかし何かのアニメでみた、女性キャラそっくりの声やな。
いや、あのキャラは、正確には人ではなかったな……
ぱっと見た感じ、膝裏まで届きそうな、栗色の長い髪をした清楚な女性。
背丈はスラリとそこそこありそうだ。
柔らかな薄布を重ねたようなロングドレスを身にまとった女性が浮いていた。
なんなんやろこの人、浮いてるし人ではないんやろうけど……
「あの……どなたですか?」
「おばかさぁん、私はぁ喉が渇いたぁ って言ってるでしょぉ。」
とりあえず、インベントリから水筒を出して渡そうとした。
「おばかさぁん。そっちよぉ。」
見知らぬ女性は、プランターを突き破った木を指さした。
「ところでアナタ、誰なんです?」
おれは木に水をやりながら聞いてみた。
ま、ふわふわ浮かんどるし、人ではないんやろうけど。
「私はぁ、ヴェルディアよぉ。」
まじで乳酸菌勧めてきそうやな。
「世界樹の精霊よぉ。 崇め奉りなさぁい。」
「世界樹?なんでここに?」
「おばかさぁん。」
「ララがぁ、ここに刺したのよぉ。」
木に突き破られたプランターを指した。
「ララが?」
「なにしてくれとんねん、あいつ!」
しかも人のこと、おばかさんおばかさんって。
いくら、くっそ美人でも失礼やない?
「おいエイルよ、マリナが呼んでおるぞ。」
「儂は腹が減ってきたから、早く行こうぞ……」
ノルがふらふらと飛んできた。
「あぁノル。この方、知り合いか?」
「ああっ!お主なんでここにおるんじゃ!!」
ノルが大声を出すと、ヴェルディアはビクッとした。
「ララがやったんだから、仕方ないじゃない!」
あいつなんでそんな事しよったんや?
「おいノル、このヴェルディアって人と知り合いか?」
「こいつはのぅ、世界樹の精霊なんじゃ。」
ノルの話によると、このヴェルディアは一種類の精霊ではなく、
世界樹に集まった色んな精霊が、長い年月をかけて一つになった存在らしい。
それがいつしか、一つの人格まで持つようになったんだとか。
ハイブリッド精霊ってところか?
「アナタぁ。ララが言ってたぁ、エイルって言うのねぇ。」
ヴェルディアはそう言うと、目を瞑った。
するとヴェルディアの身体が淡く光り、ミニ世界樹の葉がかすかに揺れ始めて、草笛のような音が聞こえてきた。
草笛の音程が高くなったり低くなったり。
なんか楽器とかの調律をしてる感じやな。
「あ〜♪エイルぅ〜♪聞こえるぅ〜♪?」
あ、ララの声や。
どうやら、この小さな世界樹を通して向こうと繋がっとるらしい。
「おいララ、何してくれとんねん。プランターぶっ壊れてるやんけ。」
「え〜♪こっちは小さいよぉ〜♪」
「おい!お主。小さくなれんのか!?」
ノルが大声を出すと、またヴェルディアはビクッとした。
「わっ、わかったわよぉ……」
ヴェルディアがそう言うと、ミニ世界樹は光りに包まれ縮んでいった。
結局、盆栽ぐらいの大きさになったわ。
おれはC-Raftで小さい鉢を作り、世界樹を植え替えた。
世界樹の盆栽て……
――エイルさ〜ん♪マリナが呼んでますよぉ〜♪
クララベル様が、ふわふわと浮かびながら来た。
「ひゃっ!」ビクッ!
ヴェルディアがビクリ! と驚いて固まってるわ。
――あら〜♪根付いたようですね~♪
「はぃ……おかげさまで……」プルプル……
ヴェルディアが、消え入りそうなぐらいか細い声で、びくびくしながら答えてる。
クララベル様が怖いんか?
まぁこれでもいちおう女神様やしなぁ。
――失礼ですね〜、れっきとした女神ですよぉ〜♪(ぷくー)
ほんまかわいいな……性格アレやけど。
「あ〜♪クララベル様ぁ〜♪ありがとぉ~♪」
――無事に〜♪繋がったようですねぇ~♪
「リュミエルぅ〜♪こっちこっちぃ〜♪」
「なんです?ララ様。」
あ、リュミエルの声や。
「リュミエル、昨日ぶり!」
「え!?エイル!?なんで!?」
リュミエルも驚いているようだ。
「リュミエルがぁ〜♪エイルがいなくなったら寂しいってぇ~♪モガモガ……」
「ララ様!!」
真っ赤な顔で、ララの口を押さえてるのが想像できた。
おれはフフッと笑いそうになった。
「でも……ありがとう、ララ様。」
「ララ、ありがとう!」
「ぷはっ♪ どぉ〜いたしましてぇ〜♪」
とりあえずおれたちはリビングに向かい、マリナを交えて食事をした。
最初、マリナは驚いていたがすぐに慣れた。
ま、こんなのに囲まれてたらそんなもんか。
「ヴェルディアさん、一緒にごはんどうですか?」
マリナがヴェルディアに聞くと、ノルが口を挟んできた。
「マリナ、こやつはのう……」ニヤニヤ
――ノ〜ル〜♪
「はっ!はいい!」ビクッ!
クララベル様が低めの声でノルを呼ぶと、直立不動の姿勢で返事をした。
なにをビビってるんやろ?久々にノルのこんな姿を見たわ。
(危なかったわい……思わず口を滑らす所じゃった……)ボソボソ
――(ワタシたちまで食事が要らない事に気付きかねませんから〜)ボソボソ
――(ほんと気をつけてくださいね〜)ボソボソ
「あらぁ♪美味しいわぁ♪」モグモグ
マリナはヴェルディアの胃袋まで掴んだようだった。
筏カースト、不動のトップは変わらずやな……
マリナは世界樹越しのリュミエルと、楽しそうにおしゃべりしながら食事をしている。
なんか賑やかやな。
筏には新たにドライアド――その方が呼びやすいから――のヴェルディアが加わった。
おまけに、小さな世界樹を通してララやリュミエルとも話せるようになった。
シグルたちと別れて、少し寂しくなるかと思っていたけど――
「エイルぅ〜♪聞こえるぅ〜♪」
「聞こえとるでー。」
「エイル、こっちは今日――」
「ちょっとララ様! まだ私が話してるでしょう!」
「ヴェルディアさん、おかわりありますよ!」
「いただくわぁ♪」
「儂にもくれんかのう!」
……うん。
寂しくなる心配なんて、いらんかったわ。
今日も賑やかな筏は、海流に乗ってのんびりと流れていく。
おれたちはまた、あてもない漂流の旅へ戻った。




