お地蔵さん
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
使節団の方針が決まった次の日、シグルたちはメルシアさんを通じて、アルヴェイン国王との会談の場を設けてもらった。
なぜおれがここに居るかって?
「エイル、お前も来てくれんか?」
「え? 俺?」
「ノル様が教えてくれんかったら、俺らの計画は丸ごと無駄になっちょったかもしれん。」
「おまんがおってくれとったから、ノル様の意見がもらえたんじゃ。」
「座っとってくれるだけでもええ……俺らを見守っていてくれ。」
昨夜ノルの意見により、『排気器』は世界樹のもとでないと機能しないことが判明した。
実現に向けての無駄足を回避できたのは大きい。
――お地蔵さんみたいに座ってるだけでも〜、助けになったようで良かったですね〜♪
たしかに。それは否定のしようがないわ。
用意された王宮の応接室では、シグルがアルヴェインの前で夢を熱く語っていた。
「俺はラウリエル王都の夜景を見て衝撃を受けました。」
「夜だというのに街は明るく、多くの人たちが楽しそうに行き交う……そんな活気に満ちた王都を見て――」
「それに比べて、……我がレイゼルの夜は……なんと寂しいものかと……」
「俺はレイゼルを……ラウリエル王都のように、夜も活気に満ちた街にしたいのです!」
「夜のラウリエル王都を見て……俺たちのレイゼルを重ねた時……」
「『夜が明るい』……ただそれだけのことが、こんなにも人を安心させるもんなんかと……」
「『明かりがない』 っちゅうことが……こんなにも寂しく、不安なもんなんかと……」
「お願いです! レイゼルに灯りを……文明開化の灯を灯すために、どうか力を貸してほしいがです!」
アルヴェインは静かに口を開いた。
「なるほど。国を想うその気持ち……とても良く伝わってきました……」
「しかし……具体的にはどのように進めるおつもりですか?」
「それについては……フィオナ、頼めるか?」
フィオナは、立ち上がり一礼した。
「失礼致します。」
「昨夜、使節団で話し合い、決まった方針をお伝えします。」
1・実験地を選定
2・小規模発電所を建設
3・必要機材をラウリエルから調達
4・研修・招聘によって技術を学ぶ
5・国内で電球を製造できる体制を作る
6・まず十灯を安定点灯
「もちろん、これらに必要となる予算については帰国後、国王陛下ならびに宰相と協議し、国家事業として予算を組む必要があります。」
頷いて聞いていたアルヴェインは答え始めた。
「なるほど。三つ目の必要機材については、こちらで用意することが可能でしょう。」
「ただし技術者の派遣に関しては、私の一存では決められません。」
「彼らにも生活があり、家族があります。」
「もちろん、待遇については――」
シグルはとっさに返事をしようとした。
「シグル。待遇だけの問題ではないわ。」
それを制止したのはフィオナだった。
「何年になるかも分からない異国への派遣です。」
「家族と離れることになる方もいるでしょうし、工房を空けることになる方もいるはずです。」
「こちらが『来てほしい』と言うだけでは駄目です。」
「来てくださる方が安心して暮らせる住居や待遇、滞在する期間、それに家族を伴う場合のことまで考える必要があります。」
よーそんな言葉がつらつらと出てくるもんやで。感心するわ……
「……そうじゃな。俺はまた、先のことばっかり見よった。」
「そこまでお考えであれば、私としても話し合いの場を設けやすくなります。」
サッとあんな返答がでてくるとは……さすが宰相の娘やな、フィオナさんは。
アルヴェインさん、納得しやはったで。
「しかし、問題はそれだけではありません。」
アルヴェインが続けた。
「やはり、技術の流出に抵抗を持つ者もおります。」
せやなー……そらそうやろ。
「自分たちが長年の努力で培ってきた技術だから、というだけではありません。」
「その核となる技術は、元を辿れば妖精様よりお借りしたもの。」
「『自分たちの一存で他国へ伝えてしまっては、協力してくださった妖精様に申し訳が立たない』と考える者もおります。」
「それならララに直接聞けばよかろうて?」
おいおいノルさんや?
アルヴェインさんがまだ喋っておられますぞ!?
「おい!ララ!おるんじゃろう?」
「な〜にぃ~♪」
ニコニコしたララがふわふわと飛んできた。
「精霊紋を付けているのは、どうせお主じゃろう?」
「そ〜だよぉ〜♪」
「こやつらが精霊紋を使っても文句はあるまい?」
ノルはシグルたちを顎で指しよった。
仮にも……いや紛うことなき王太子やぞ!?
「ん〜……」
ララはシグルたちをじっと見つめた。
「エイルのぉ〜おともだちだよね〜♪」
「お芝居楽しかったねぇ〜♪」
「いいよぉ〜♪」
妖精への配慮の問題は、ノルのひと言でいきなり解決へ繋がった。
でかしたノル、そして参加したおれ。
アルヴェインさん、鳩が豆鉄砲を食ったような顔したはる……
シグルはフリーズしとるし。
「コ……コホン……」
どうやらアルヴェインさんは落ち着きを取り戻したようです。
「どうやら妖精様への配慮については、問題ないようですね。」
「しかし、技術者たちへの説得を、私が行うわけにはまいりません。」
「私からでは、ただの『お願い』ではなく『命令』と受け取られてしまいますので……」
「殿下自身で行っていただく必要がございます。」
「私が出来ることは、場を設けること。」
「それで納得していただけますかな?」
「それで十分ですきに!!」ガバッ!
シグルが机に手をついて立ち上がった。
「あとは俺が、誠心誠意頼むだけです!」
そしてそのまま、勢いよく頭を深く下げた。
おいおい、目の前にカップあるぞ!?
一瞬、そのまま顔突っ込むんちゃうかと思ったわ……
まだまだ乗り越えていかなければならない問題は多い……
しかし……
レイゼルに文明開化の灯をもたらすまでの道のりを、
シグルたちはまず一歩、歩み始めた。
おれは始終、お地蔵さんのように置物状態だった……




