十の灯(ともしび)
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
夕食後、シグルたち使節団とおれは王宮の客間を借りて会議を行っていた。
「王都に街灯を立てる!」バンッ!
シグルは勢いよく机に手をつき立ち上がった。
「水車も造る!」
バッ! と片手を広げ、
「風車もじゃ!」
もう片方も広げた。
「ガラス工房も増やさんといかん……」
顎に手を当て次第に小声になっていくシグル。
「発電機と排気器はラウリエルから……」
シグルは腕を組み、上を見上げた。
もはや、ひとりごとをブツブツ言ってる状態や。
「そうじゃ! 職人もこっちで修業させてもらえばええ!」
手をパン! と叩き、皆の方を見た。
「「おお……!」」ザワッ
「「それが実現すれば……!」」ザワザワ
「俺には見えるんじゃ……レイゼルの王都が……」
「ラウリエル王都のように、にぎやかな夜の街で……皆が笑っとる姿が……」
「……俺には見えるんじゃ……」
みながレイゼル王都の未来の姿を思い描いた。
「ちょっ、ちょっと待ってシグル!」
「それ、全部同時にやるつもり?」
ハッ! と我に返ったフィオナが、あわてた様子で立ち上がった。
「水車や風車はどこに立てるつもり?」
「土地の確保は? 建設費用は?」
「発電機と排気器だって、買うにしても予算はどこから?」
「修行だって、アルヴェイン陛下へ許可をもらわなくちゃ!」
希望に満ちていたシグルの表情が、現実を突きつけられるたびに、どんどんションボリしていく。
「やめろって言ってるんじゃないの、シグル。」
「順序を決めなさいって言ってるの。」
「あの街を見て、今のシグルの言葉を聞いたら……」
「私だってワクワクした……」
「だからこそ、実現のためにどうすればいいのか、順番を決めてほしいの。」
「……そうじゃのう。 俺は先走り過ぎとった。」
「皆も意見をくれ! 何から始めたらレイゼルにあの光が灯る?」
やらなければいけないことの多さに、皆は一斉に考え込んだ。
そんな中フィオナが立ち上がった。
「まずは第一段階として、小さな実験場を作ることを目標にしたらどうかしら?」
「それならまずは、小さな風車と水車じゃろ?」
「あとは電球と発電機さえあればつくれんか?」
「だから、どうして二つ造ろうとするの!」
「……いかんか?」
「まずはどちらか一つ! 条件のいい場所を調べてから!」
「そうしたら、実験に必要な機材をラウリエルから譲っていただけないか、殿下に交渉していただいて……」
それぞれが意見を出し始めた。
「修行の件は後回しでも良さそうですね……」
「そうなると場所の選定ですな……」
「排気器の持ち帰りもまだ先の話ですな!」
「ん? あれはお主らのところに持ち帰っても動かんぞ?」
ノルが口を挟んできた。
「なんじゃと!? ノル様、それはほんまか!?」
「あれに使われておるのは加護ではない。 『精霊紋』と呼ばれる別のまじないじゃ。」
「加護は大きな力を与えられるが、そのぶん風の奴も力を使う。」
「そう何度も気軽に使わせるものではない。」
「じゃから、あのように小さな力を何度も何度も使う道具には、」
「世界樹の周りに溢れとるあやつらの力を、ほーんの少ーしだけ借りる紋様を使うんじゃ。」
「便利ではあるがのぅ。世界樹から離れれば使えん。」
空き缶一個潰すのに大型ユンボを使う、みたいなもんやろか?
「まーたおぬし、くだらんこと考えておるのか?」
「君は毎度、鋭いなあ!」
「ほならどうしたら……」
「シグル、それはあと。」
「まずは、うちでできること、ラウリエル王国にしかできないこと、」
「うちでも使えるもの、使えないものを分けたらどうかしら?」
シグルたちは次々に意見を出し合い、当面の方針を決めていった。
うーん、見事なまでに空気やな、おれ。
ここに居る意味あるのカナ?
――まぁ〜♪可愛らしいお地蔵さんですねぇ~♪(ナムナム)
なに拝んだはるんですか?
他宗教やのにこの女神様、お参りするんですかね?
「じゃあ、会議で決まったことをまとめるわね。」
フィオナが続けた。
1・実験地を探す
2・小規模発電所を一つ造る
3・実験に必要な機材を譲ってもらう
4・技術者の派遣、または職人の受け入れを打診する
5・レイゼル国内での電球製造体制を整える
6・十灯程度を安定点灯
「このうち、1と2はレイゼルに帰ってから陛下たちと相談ね。」
「4と5に関しても、今はラウリエル陛下へ打診って段階。正式にはレイゼルに帰ってから詳細を決める!」
「一番の問題は3。」
「いま私たちに決定できること、差し出せるものは何もない……」
フィオナは言葉を止め、しばらく考え込んだ。
「……違うわ。3も同じだわ」
「私たちだけで『譲ってもらう』なんて決められない。」
「3、4、5。これは全部、まずラウリエル側に協力してもらえるか確認するところからね……」
「そして6を実験場の目標とする!」
「よし!まず俺が陛下に聞いてみる!」
「レイゼルの未来のために、力を貸してもらえんかとな。」
「でも、お願いするばかりじゃ駄目よ。」
「発電機を譲ってください。技術者も貸してください……」
「それじゃあ、こっちの都合ばかりじゃない?」
「……そうじゃのう。」
「私たちはラウリエルに何を返せるのか。 それは帰ってから、陛下やお父様とも相談しないと。」
「せめて手動の発電機と電球だけでもなんとか分けてもろうて、レイゼルに持ち帰らにゃならんちや。」
「俺が誠心誠意、頼むぜよ。」
シグルの目が変わった。
あの時の目に。
大切な家族を救うために、どうにか力を貸してもらえないかとおれに頼んだときの目に。
国を心から想い、その未来を背負おうとする国士の目に。




