サプライズ
youtubeでゲーム実況をおこなっております!
https://www.youtube.com/@nico_channel_
エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
王家支払証というニトロをぶち込んだモンスターエンジン搭載のドラッグスターに乗るグレオル・ヴェンディス。
激しいバーンアウトで白煙を上げながら、王都の夜を爆走していく……
「それではッ!」
「女性陣のッ!エスコートはッ!」
「メルシアさんッ!」
「よろしくお願いしますゥ!!」
目を見開き、小刻みに頷き、両手を広げ、最後はクルクルと回る。
……この人、一晩こんなテンションなんやろか?
エネルギッシュやなぁ……
「はい……それでは皆様、参りましょう」
グレオルさんから王家支払証を預かったメルシアさんは、女性陣を連れて馬車へ向かった。
メルシア、リュミエル、フィオナ、マリナ。それに妖精二人と、なぜかクララベル様まで先頭の馬車へ乗り込んでいった。
狭ないのか?
「それにしてもロイヤルボックスなんて私初めてよ♪」
興奮気味のリュミエルはメルシアに話しかけた。
「私も王妃様のお供で入ったことはありますが、観客としては初めてですね♪」ふんす
「ろいやるぼっくす?」
「王族や来賓のために用意された、特別なお席ですよ」
「この国、何もかもウチより一段上ね……」
フィオナは感心したように息をついた。
馬車は一般客とは別の貴賓入口へ入り、支配人の出迎えを受けた。
王妃様のお供で何度か訪れているというメルシアは、慣れた様子で一行を先導していく。
「メルシアさん、すごい……」
マリナが小声で呟くと、メルシアはにこりと微笑んだ。
案内されたロイヤルボックスには小さな応接室まで併設され、飲み物や菓子も用意されていた。
「ほれマリナ、劇が始まったら食べられんぞ」ポリポリ
「今のうちにぃ〜♪」ポリポリ
……妖精と女神は真っ先に満喫。
「すごーい!ひろーい!」
二階席からは客席と舞台が一望できる。
その広さと豪華さに、マリナは目をキラキラと輝かせていた。
「マリナさんは初めてなのですから、真ん中の一番良い席でご覧なさい。」
メルシアに促されマリナは着席した。
「それにしても……この公演を、ギリギリの最終日で観られるなんて夢のようです♪」ふんす
「エリシア・フェルネールは男役のトップスターなのですが……」
メルシアが俯き、プルプルと肩を震わせる。
「……メルシア?」
「なんと!」バッ!
「ひゃっ!?」
リュミエルが椅子からずり落ちた。
「今宵は女性役を演じる特別公演なのですッ!」ふんす
「三百年を超える舞台人生で、女性役はわずか三度!」ふんすふんす!
「そして今宵――四度目なのですッ!!」ふんすふんすふんす!!
「もう……びっくりしたじゃない……」
普段の落ち着いたメルシアさんしか知らないマリナは、ぽかんと口を開けている。
リーン――
開演を告げる澄んだ鐘の音が響き、客席の明かりがゆっくりと落ちていく。
「コホン……いよいよ始まりますよ」
何事もなかったかのように取り繕うメルシア。
幕の向こうから楽団の旋律が流れ――
やがて、舞台の幕が上がった。
『月より美しい人と出会えるとは。今宵の私は、ずいぶん運がいいらしい……』
「「わあぁぁ……♪」」お目々キラキラ
マリナたちは胸の前で手をギュッと組んでいる。
『もう結構です! あなたなんて、馬に蹴られて隣の国まで飛んでいけばいいのよ!』バタン!
「「あははは♪」」
リュミエルたちは、目から涙を出して笑っている。
『もう言葉では足りない……君を……愛している……』
マリナは頬を真っ赤にして、胸の前で両手をギュッと握っている。
フィオナも顔を赤らめながら、なぜか少し気まずそうに視線を泳がせた。
メルシアは……
「…………♪」ギュゥゥゥ!
完全に乙女の顔になっている。
『必ず……必ず帰ってきて。武勲も名誉もいらない。私はただ、あなたに帰ってきてほしいの……』
「…………」
さっきまで笑っていた女性陣から、すっかり笑顔が消えていた。
マリナは口元をきゅっと結び、フィオナはすでにハンカチを目元に当てている。
『嘘よ……帰ってくるって約束したじゃない……』
「…………っ!」
マリナが両手で口元を覆った。
ポロポロと大粒の涙が頬を伝っている。
隣を見ると、リュミエルまで静かに目元を拭っていた。
『ねえ、月よ……あの人も今、あなたを見ているのでしょうか。……私の心は、今もあの人のものなのに』
「…………」
あちこちから、小さく鼻をすする音だけが聞こえていた。
『ただいま……もう二度と、君をひとりにはしない。今度こそ……この手を離さない!』
「……っ!?」
マリナが勢いよく顔を上げた。
「……生きてた……!」ボソッ
フィオナの濡れた顔にも、ぱっと笑顔が戻る。
『あぁ……おかえりなさい、私の愛しい人……』
「うぅ……よかったぁ……」
マリナはもう涙を拭こうともしていない。
フィオナもリュミエルも、泣きながら笑っている。
そしてメルシアは……
「エ゛リ゛シ゛ア゛様゛ぁ……」
一人だけ……泣いてる理由が違った。
幕が下りても女性陣たちは、しばらく余韻に浸り、動けなかった……
「「…………」」ボーッ
「……メルシアがハマるのも……わかる気がしたわ……」
「歌劇というのも、なかなかいいものじゃったのう♪」
「楽しかったねぇ~♪」
――長い子たちも……なかなかやりますねぇ……
メルシアやマリナ、リュミエルたちは、まだ放心したように椅子へ身を預けていた。
コンコン!
ドアを叩く音に全員ハッと我にかえり振り返った。
「失礼致します。当劇場支配人でございます。」
カチャリと扉が開いた。
「本日はレイゼル王国よりお越しの皆様に加え、妖精様にもご観覧いただけたことを、主演も大変光栄に思っております。」
「本日最終公演を迎えました主演から、ぜひご挨拶に伺いたいとの申し出があり、お連れ致しました。」
支配人がスッと横に移動するとそこには……
先ほどまでの舞台衣装で現れた主演のエリシア・フェルネールの姿が……
「……!?!?!?」ザワッ
口元を手で押さえ驚く一同。
クララベル様や妖精たちも目をキラキラさせていた。
まさか主演本人が挨拶に来てくれるなど、誰も思っていなかった。
「主演のエリシア・フェルネールでございます。」
エリシアは来場への感謝を述べた。
「マリナ、よかったのう♪本人が来てくれおったぞ♪」
マリナの顔ははち切れんばかりの笑顔だ。
ノルが初めての観劇だったことをエリシアに伝えると、
「まぁ、可愛いお姫様。初めての観劇が私の舞台とは光栄ですわ。」
エリシアはそう言うと、記念にと舞台小道具のネックレスをプレゼントしてくれようとした。
「あの……それ、メルシアさんにあげてもらえませんか?」
「まあ?」
「メルシアさん、エリシアさんのことが大好きなんです!」
「……マッ、マッ、マッ、……マリナさん?」プルプル
メルシアは顔を真っ赤にし、小刻みに震えている。
「まあ……そうだったの。」ニコリ
「…………」
メルシアは口をパクパクさせている。
「そんなに応援してくださっているのね。いつもありがとう……」
手渡してくれようとしたが、メルシアは固まっていて動けない。
エリシアは、メルシアの背後へ回ると、舞台で身につけていた首飾りを、その首へそっと掛けた。
「ふふっ♪ よくお似合いですよ……」
エリシア・フェルネールはそっと微笑んだ。
「…………」
真っ赤な顔のメルシアは、いつまでも唇を震わせていた……
先ほどまで舞台で見ていた主演が目の前に挨拶をしにきてくれた。
そんな夢のような時間を過ごした一同は心地よい余韻の中、次の店に向かおうとしていた。
「ほら、そろそろ次の店行くわよ?」
リュミエルが話しかけてもメルシアはまだ唇を小刻みに震わせている。
王都の夜は、まだ宵の口だ。




