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ドラッグレーサー

youtubeでゲーム実況をおこなっております!

https://www.youtube.com/@nico_channel_

エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、

女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。

挿絵(By みてみん)

AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。



「さあー! 皆さん! 到着でさぁ!」


おれたちが乗った馬車の外から、やたらと楽しそうなグレオルさんの声が聞こえてきた。



「ここでさぁぁ!」バッ!


片手を腰に当て、もう片方をバッ! と広げる満面の笑みのグレオルさん。




「ほおお……ずいぶん立派な店じゃのう……」




「王都広しといえどォー! 『世界樹の花』を掲げることをォ!許された店はァァ! こ、こ、し、か、ありやせんッ!」


おれたちの前に躍り出て、バッ! と両手を広げるグレオルさん。


『許された~』でブルブルッ! と顔を横に振り、なぜか厳しい表情を作る。


『ここ~』で超満面の笑み、表情豊かやなー。





「料理長はセレヴィン・アルフェリオ!」


満面の笑みで両手を広げたまま、今度はクルクルと回りだした!




「な、な、なッ! なんとォ!」おめめパチクリ


「王宮の晩餐を任されることもあるゥゥゥ!ラウリエル随一の料理人でさぁ!」


『ななな〜』で目を見開いてパチクリ……


『王宮の〜』で小刻みに激しく何度も頷き……


『随一』でビシッ!と指を立てたグレオルさんの全身を使った紹介術。


やたらと目を引くわ。





――ほ〜んと楽しみですねぇ~♪


顔の横で手を組み目をキラキラさせているクララベル様。グレオルさんの紹介術は女神も心躍らせとるわ。





「高そうな店やなぁ……」ポツリ


おれがポツリとつぶやくと、片眉を上げたグレオルさんがニヤリとした。




「今日のあっしらにゃ、コイツがついてるんでさぁ♪」


なーんか悪そうな笑顔で、小切手の束みたいなのをチラチラ見せてきよったで?



「あっしらにゃあ、天下の王家支払証が付いとりやすぜ!!」


「今宵《こよい》はあっしにッッッ! ドォーン!と任せておいてくだせぇ!」





マリナたち女性陣は目をキラキラさせとんのやけど。



……もしかして一番渡したらアカン人に、天下の『王家支払証』持たせたんとちゃうやろな?


化物エンジンにニトロぶち込んだような危険なニオイがするわ……




「さあッ!いきやしょう!!」





心なしか、ホイールスピンで焼けたゴムのような匂いがした。





カチャカチャ……



――美味しいですねぇ〜♪



めちゃつまみ食いされてるんですけど?


一口食べてよそ見してたら消えてるんやけど。



ノルはマリナに分けてもろとるし、ララはリュミエル。


ま、妖精は小さいから、食べる量なんて大したことないやん?



クララベル様めちゃ食うんやけど?





「相変わらずエイルは食べるのがはやいのう。もうちょっと味わったらどうや。」




「まーた精霊様につまみ食いされてるんだなぁ……」



「そうやったか!」


「グレオルさん! エイルのやつはな……」




『筏には精霊様の加護が付いてるかわりに、供物として食事が頻繁に無くなる』


みたいな事を伝えてくれたので、おれのところには料理が二人分運ばれてくるようになった。


大食いみたいでちょい恥ずかしいわ……



(まーたこやつ、上手い言い訳与えてしまいよって……)


ノルがまた「うわぁ……」という顔をしてこちらを見ていた。




「こんな頻繁に精霊様のせいにしてたら怒られそう……」ボソリ


風もないのにフワッと頭を撫でられたような気がした。





「そう言えばお嬢さん、観劇は初めてで?」カチャカチャ


グレオルさんがマリナに話しかけた。


……いちおう相手によってテンション変えられるんやな。




「はい!初めてなのでめちゃくちゃ楽しみです♪」カチャカチャ


「あー、マリナは初めてって言ってたもんな。」


マリナの満面の笑みに、グレオルさんもニコニコしている。



そういやこの間、王妃様やフィオナさんのテーブルマナーを真似しとったな。


ほんま、マリナは覚えるの早いわ。




「それは幸運ですねぇ!」


「本日の演目がですねッ。 話はよくある恋物語なのですがねッ、」カチャリ


……心なしか、さっきよりテンション上がってきてる気がする。



「演じる劇団がですねッ!」



「月桂歌劇団《げっけいかげきだん》のですねッ!!」ゴゴゴ……


火山が噴火する前の地鳴りが聞こえてきた気がする……



「…………」ピタリ……


メルシアさんの手がピタリと止まった。



「トォップスタァー! エリシア・フェルネールなん――」

「まことですかっ!!」バンッ!!


メルシアさんが興奮して立ち上がった!!


グレオルさんは驚いて、プシューっと空気が抜けたように落ち着いた。




「……失礼しました」コホン……


少し顔が赤くなったメルシアさんは、しずしずと席に座った。


「メルシアはエリシャとかいう役者のファンなのよ。」


「エ、リ、シ、ア、・フェルネールよ。」


「そうそう、その役者さんのファンなのよ。」



「でも、今宵の公演はとっくに満席だったはずでは!?」




「そこはほら……」


グレオルさん、また片眉上げた悪い顔でニヤッと笑っとるわ……



「今ッ、回ッ、はッ……」


「国賓の皆様をご案内する『文化視察』でさぁ♪」


『今、回、は』で目を見開いて……


『国賓の〜』でまた悪い笑顔に戻ってる……


ほんま、『表情豊か』とはこのことなんやな。





「いやぁー、それにしてもマリナ殿は運が良い。」



「よく知っているお話でも、演じる方々によって舞台はまるで変わりますからな!」



「お話は歌劇初心者の方にもお勧めできますし、役者の演技力で通の方でも楽しめる。」




「いやぁ、初観劇がこの舞台とは! 本当に運が良い!」



「ワクワクしてきましたああ♪」足パタパタ


「こりゃマリナ、行儀が悪いぞ。」


 ほんま、孫を嗜《たしな》めるおばあちゃんやな……


「こりゃエイルよ、またおぬし失礼なことを考えておらんかったか?」ジロリ


「トンデモゴザイマセン……」カシコマリ





しっかしグレオルおじさんめっちゃハイテンションな人やな。





王家支払証というニトロを手にした、モンスター級のドラッグレーサー――グレオル・ヴェンディス。


タイヤはギュルギュルと空転し、もうもうと白煙を上げている。



ヘルメットを被ったグレオルさんは、こちらを振り向いて大笑い!



そして次の瞬間――



爆音とともに、夜の王都へぶっ飛んでいった。


……前見ろや。



……そんな、ものすごーく嫌なイメージが脳裏に浮かんだ夜だった。

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