文明開化の灯(ともしび)
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
次の日、おれたちはシグル一行について、ラウリエル王都を観こ……いや、視察先へ向かう馬車に乗っていた。
王宮の側を流れる大きな川から水を引き込み、用水路沿いには水車棟がいくつも建てられているらしい。
街のあちこちには、オランダを思わせるような大きな風車塔が建っている。
家々の屋根から頭を出したいくつもの風車が、山から吹く風を受けてゆっくりと回っていた。
……エルフの街に風車って、なんか妙に似合うな。
今日おれたちが向かっているのは、その水車や風車を使った発電施設などだ。
というのも、おれとリュミエルが宴会から逃亡した昨夜――
「もう、シグル!しっかりしなさい!」
「なんちゃあない! ヒック!」
「……ん?」
フィオナに引っ張られながら部屋に戻る千鳥足のシグルは、窓から見えた王都の光景に驚いた。
「なんじゃぁ……あれは……」
とうに日が落ちたというのに、街は妙に明るい。
レイゼル王国なら、この時間の明かりといえば魚油を燃やすランプがほとんどだ。
だがここでは、大通りに沿って並ぶガラスの明かりが、夜道を昼間のように――とまではいかないが、十分歩けるほど明るく照らしている。
魚油ランプのような、ぼんやりとした明かりではない……
鮮やかな灯りが、夜の王都には無数に連なっていた。
「なんじゃあ?……ここの夜は……えらい……明るいのう……」
シグルはフィオナに肩を借りたまま、窓の景色を見つめている。
「ほんと……綺麗……」
窓から見える夜景に、フィオナは目を奪われて足を止めた。
それは二人だけではない。
部屋へ戻ろうとしていた使節団員たちも、次々と窓辺で足を止めていた。
「王都では水車や風車で発電をしております。」
部屋まで案内してくれている美人エルフメイドのメルシアさんがシグルたちに説明をした。
「…………」
「レイゼルの……」
「……文明開化の……灯りが……」
「……灯っているぜよ……」
シグルは、窓の向こうに広がる夜景を見つめていた。
レイゼル王国を新しい時代へと導く、可能性の『灯』を。
その目からは、もう酔いなど消えていた……
メルシアさんがこの出来事をアルヴェイン国王へ伝えたことにより急遽、予定が変更され、水車や風車、さらには電球を作る工房への視察が決まった。
「この水路沿いに並んどる水車棟で、発電しとるんでさぁ!」
水路と水車棟の管理責任者が一団を案内してくれている。
少し小太りのひげを生やしたおじさん……
エルフでも小太りで頭髪が薄い人もいるんやな。
おれは妙なところに目が行った。
――やっぱりそっちが気になっちゃうんですね〜♪
なんで頭擦ったはるんですかね!?フサフサですけど!?このエイルくんは!
「ほおお……大きな水車がいくつも並んどるのう……」
「とおーくに見える、あの水門から水を引き込んどります!!」
せっかく丁寧に案内してくれているのに、頭頂部にしか目が行かんようになったやんけ、この女神!!
――ふふっ♪
「上手いこと水が淀まんように、作ってあるのう♪」
ノルがなにか感心している。
「アルくんにぃ〜♪相談されたんだよぉ〜♪」
「水が淀んだらあかんのけ?」
(アルくんて。国王陛下をアルくん呼びかよ。)
「そりゃ水の奴も、その方が喜ぶじゃろ。」
「力を貸して欲しかったら、きれいに整えるのが礼儀じゃろが。」
「なるほど。そりゃそうやな。」ウンウン
「そういやララって、水の精霊と仲いいんかいな?」
「水の子たちとはぁ〜♪な〜んか気が合うんだぁ~♪」
「そっかー♪」ナデナデ
頭を撫でたら、ララはニコニコ喜んだ。
――妖精じゃなかったら〜事案っぽい光景ですね〜♪
本人喜んでるんやしええやん!?
「ほおおー、これが『発電機』っちゅう奴か。このクルクル回っとるのが。」
なんかモーターに似とるな。こっちの世界も似たような発展をしてるんやろか?
「それは仕組みを見てもらうための小さな見本でしてな。実際の設備は、あの建物の中に収めてあるんでさぁ!」
「なるほどのう……」
シグルはめっちゃ興味津々に聞いている。
壊れたときの対処、扱う上での注意点、手入れの仕方、水路の管理など、施設や設備について、管理責任者を質問攻めにしていた。
小太りエルフおじさんも嬉々として説明していた。
その横でフィオナたち一団は、一心にメモやスケッチを取っていた。
事前にシグルから指示が出ていたらしい。
『後でまとめて見せてくれ』と。
昼前に到着したのに、もう夕方になっていた。
「すまんのう……俺が聞きすぎてしもうた。皆の予定まで狂わせてしもうたな……」
「いやいやいや!殿下がこんなにも興味を持ってくださるとは!こちらとしても説明のし甲斐がありましたでさぁ!」
「大丈夫ですよ!すでに残りの視察を別日に回せるよう、人を走らせましたから!」
王宮からの案内人も、こんなに興味を持ってくれたことが嬉しいみたいだった。
なんかごめん、おじさんの頭頂部ばかり見てて……
しかし昨日とは打って変わって王太子らしかったな。
ほんまに同一人物か?ってぐらい切り替えがすごいな。
ちなみにだが――
ノルとクララベル様は前回で学習したらしく、
マリナには朝帰りの事はバレていなかった。
ほんまよかった……




