正式な玄関口
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
レイゼル使節団はエイル号を先頭に、以前ラウリエル王国を訪れた際に上陸した浜へと向かった。
浜にはラウリエル王国の誘導船が停泊しており、船上で待っていた女兵士ルエミをエイル号に乗せると、シグルの乗るレイゼリア号へと送り届けた。
「お初にお目にかかります、シグル王太子殿下。」
ルエミはシグルに挨拶をし、誘導船が正式な玄関口である港まで先導すると告げた。
「はぇー、正式な玄関口があるんや。」
「なーにが『はぇー』じゃ。また呆けた面をしおって!」
『はぇー』で変顔。そこまで変な顔しとらんやろ。
「また。ノルったら♪」
マリナがクスクスと笑った。
――ノルったら〜♪段々と顔真似が上手くなってますね~♪
嘘やん!?
ラウリエル王国の正式玄関口であるラウリエル港へ到着した一団を、王宮楽団の演奏と整列した兵士たちが出迎えた。
シグルは王太子らしい堂々とした態度で歓迎を受け、簡単な挨拶を交わしたあと、一行は王宮へ向かう来賓船へと乗り換えた。
川を上って王宮まで向かうそうで、レイゼリア号の連絡艇には献上品が次々と積み込まれていった。
さすがシグル。普段のおちゃらけた様子はどこへやら、王太子らしく堂々と歓迎を受けている。
「普段はアレやけど、こういう時はやっぱ王族なんやねー。」
「おれには絶対出せん雰囲気やわ……」ハァ〜
――ワタシはエイルさんの雰囲気が好きですよ〜♪
「まじで♪」パァァァ
――そうやってコロコロ変わる表情は見てて飽きませんから〜♪
なんやろう?この褒められてるのか貶されてるのか分からん、ギリギリのコースを攻めるピッチングみたいなのは……
――ふふっ♪
誘導船を先頭に、来賓船、レイゼリア連絡艇、エイル号の順で川を上っていった。
「この間は急いでたからやけど、今回はのんびりと風景が見れるかな。」
「あっ、エイルさん麦畑の人たちが手を振っていますよ!」
追突しないよう目が離せないです……
「エイルよ!お主みたいに牛が大あくびしとるぞ!」
だから目を離せないんだよなぁ……
――大きな風車も見えますね~エイルさん♪
だからぁ……
嫌がらせかな?キミタチ!
前に船があると、よそ見の余裕なんか全然ないやんけ。
一行はのどかな田園風景を抜け、いよいよ王都市街へと入った。
市街の橋は封鎖されているらしく、使節団を見ようと集まった人たちは、川の両岸から手を振っている。
「今から橋の封鎖は解除するが、くれぐれも馬車の通行帯には飛び出さないように!!」
一行が通り過ぎた橋は次々と封鎖が解かれ、荷馬車が走り始めた後ろの橋からも、人々がわっと集まり手を振っていた。
「この間は、世界樹の大きさに気を取られていたけど……」
「改めてよー見たら、ラウリエル王宮もかなり大きいよな……」
王宮へ到着した一団は客間へと通され、献上品の搬入と謁見の準備が整うまで待機することになった。
カチャリ
あの美人エルフメイドさんがお茶を出してくれた。
なんか、おれの方をチラリと見た気がする。
リュミエルとの朝帰りの件、まだ忘れてくれてへんのやろか……。
汗がダラダラ流れてきた。
「どうしたがや? エイル。えらい汗かいちゅうけど?」
「ななな、なんでもないで!?」シドロモドロ
マリナさん、絶対零度の笑顔で見ないで?
「ぶはは!こやつのう、モガモガ!」
おれはノルを捕まえ、口を押さえ込んだ。
「チミ!またあの空気にするつもりかね!?」ボソボソ
「わ、わかったわい……」ボソボソ
「しかしエイルよ! この王宮もそうじゃが、世界樹っちゅうのか? アレはほんまこじゃんとでかいのう!!」
「そうじゃろう!儂らと精霊どもはあそこから生まれたんじゃぞ。」
いや、なんで君が答えてるん? 打ちっぱなしに出現する教え魔かキミ!?
「お主ら子を成す者どもも、元を辿れば世界樹から生まれたんじゃぞ?」
「ほんまか妖精様!?」
「じゃあ神話のことは本当なんですかノル様!?」
シグルとフィオナは衝撃を受けている。
「神話のことは知らんが、クララベルにとって儂ら世界樹から生まれた者は、みな等しく『愛し子』なんじゃ。」
シグルたちは、雑談ついでにさらっと明かされた衝撃の事実に、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしている。
ちらりと見れば、美人エルフメイドさんまで目を見開いている。
……あれ? もしかしてエルフにも知られてない話なん?
「……ダメ……ですよ……ララ様!……」
「……えー……会い……く……のぉ〜?……」
部屋の外から声が聞こえてきた。
と思った次の瞬間、小さいのが部屋へ飛び込んできた。
「ノル〜♪また来たんだねぇ〜♪」
「ダメですよララ様!!」
飛び込んできたララを止めようとリュミエルが一礼して入ってきた。
「あ、エイル〜♪ リュミエルが朝からずぅ〜っとソワソワしてたよぉモガモガ♪」
「ララ様!!」
リュミエルが真っ赤な顔でララの口を押さえた。
なんか前より、仲良くなってない?キミタチ。
「失礼いたしました!!」
真っ赤な顔でリュミエルがララを連れて出ていった。
突然の闖入者――もとい珍入者に、ぽかんとしているシグルとフィオナ。
次の瞬間、二人はニヤニヤとおれの方を見てきた。
「エイルよ、おんし〜、なかなか隅に置けんのう〜♪」
「あらあら〜♪」
――………………っ!!
止めてくだされ!マリナさんもジト目で見てこないで!
クララベル様は、後ろを向いて肩を震わせている。
謁見の式典前なのになんなんこの緩んだ空気は!?
準備が出来たと知らせが来た。
「それでは皆さプッ……失礼致しました……」
「皆様、こちらの方へご案内致します……」
美人エルフメイドさんはおれと目が合った瞬間、耐えられず吹き出した。
こんなんで大丈夫かいな……。
そう思っていたのだが――
部屋を一歩出た瞬間、シグルの雰囲気が変わった。
さっきまでおれをニヤニヤとからかっていた男はもういない。
背筋を伸ばし、堂々と前を歩くその姿は、紛れもなくレイゼル王国の王太子だった。
その空気に引っ張られるように、フィオナや使節団の面々も表情を引き締めていく。
……おれまで緊張してきたやんけ。
長い廊下の先。
大きな扉の向こうで、ラウリエル国王が待っている。
レイゼル王国謝恩使一行は、静かに謁見の間へと向かった。
……おれは一度会ってるはずやのに、なんでこんな緊張してんねん。




