上陸じゃんけん
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
おれたちレイゼル船団はラウリエル王国へ向けて外海を北へと進んでいた。
途中、真水や新鮮な食料を補給するため、寄港予定の港には事前に先触れが出されている。
なんせ船団ともなると扱う量が多い。いきなり立ち寄って「用意してくれ」と言うわけにもいかないからだ。
今回は2回ほどの補給でも十分らしいが、万が一を考え3回に分けて寄港する予定だ。
グロロロロロロ……
「急いでたときはかなりエンジンぶん回してうるさかったけど、今回は静かなもんやなぁ。」
「ネコちゃんが機嫌いいときの鳴き声みたいですね♪」
「ほんまやな。」
「この前はめっちゃ無理させたさかい、今回はのんびりしてな……」
グォオオオオオオオオオオオオ!♪
「早いとは思とったけんど、ほんまこじゃんと早いな!!」
「だっろおおおお!!」
「すごおおおおおおおい!」
「きゃあああああ♪」
――「フウウウウウウ!!」
エイル号の様子を見に来たシグルとフィオナさんを乗せて、護衛艦の周りを爆走するエイル号。
のんびりさせる話はどこいった?
しかも魔導エンジンも機嫌良さそうやし。
クララベル様とノルはどこから出したのか、サングラスをかけてノリノリだ。
「みんな!捕まっとけよ!!」
大きな護衛船の後ろに回り込むエイル号。
グオオオオオオオオオ!♪
大きな護衛船が作った引き波をジャンプ台代わりに、エイル号を突っ込ませる!
バシュウウウッ!!
「うおおおおおお!?」
「「きゃああーーーー♪」」
筏が水面を蹴り、勢いよく宙へ飛び出した!
宙へ飛び上がるスリルに、大興奮のマリナとフィオナさん!
シグルは突然の浮遊感に驚いている。
やっぱこの二人、こういうの大好きなんやな。
「もういっちょいくでえええ!!」
…………
…………
「実際乗ってみると、あんなスピードやったとは……ほんまたまげたわ……」
シグルは心なしか、げっそりしているように見えた。
「楽しかったー! ね?マリナちゃん!」
「楽しかったですねー! フィオナさん!」
女性2人はご満悦です。
――たまには息抜きも良いですね〜♪
「じゃのう♪」
きみら抜いてばかりで、貯めてるところ見たことないんやけど?
日が暮れてきていたので、おれたちは帆を出して夕食の準備にした。
護衛船は当初、ブイの付いたロープを下ろしてエイル号を曳航する予定だったそうだ。
おれが、休憩時や夜間は精霊が力を貸してくれるから大丈夫だと伝えると、船員たちはめっちゃおどろいていた。
知っていたシグルは、ウンウンと頷いていた。
「しかしつくづく思うけんど、エイルの筏は異常やのう。」
「スピードといい、妖精様のお陰とはいえ、精霊様が力を貸してくれることといい。」
「これで女神クララベル様まで付いちょったら、怖いモンなしじゃのう!!ガハハハ!!」
ここに居るんですわ。さっきまでサングラスをかけて、ノリノリで腕を振り回してたンすわ……
おれたちとシグルたちは、狭いながらも居住区のリビングで夕食を一緒にたべた。
夕食の準備では、マリナをフィオナさんが手伝ってくれた。
「じゃから、ビビったりなんかしとりゃあせん!」
「ウッソ〜♪シグルったら後ろの柵を力いっぱい握って身を預けてたじゃない♪」
――「「ワハハハハハハハ!!」」
シグルはバツが悪そうに頭を掻いている。
楽しい夜は過ぎていき、シグルとフィオナさんはレイゼリア号へ戻っていった。
それから数日――
おれたちレイゼル船団は、次の寄港地へと近づいていた。
寄港は大体4〜5日に一度。
一日で全部積み込める量でもないので、その日は港に一泊。翌朝残りを運び込んで出航するらしい。
船を空にするわけにもいかないので、港への上陸には人数制限がある。
「よーし、行くぞ!!」
「「さーいしょーはグー!」」
「「じゃーんけーん……」」
「「ぽい!!」」
「うおおおおおおおおお!!」
勝った若い船員が、両腕を突き上げて雄叫びを上げる!
「くっそおおおおお……!」
一方、負けた船員は両手で顔を覆い、その場に崩れ落ちた。
なんやこれ。王国の命運でも懸かっとるんか?
恒例の、上陸する船員選抜『上陸じゃんけん』が行われ、若い男の船員たちは鬼気迫る顔でじゃんけんを行なっていた。
女性の船員たちは、そんな男どもを冷ややかな目で眺めている。
「ったく……男ってのはホント……」
今回の寄港地は少し浅いため、レイゼリア号や護衛船は水深のある沖合に停泊することとなった。
上陸には、二隻の護衛船とレイゼリア号にそれぞれ艦載されている、計三隻の連絡船を使って荷物を運搬する。
それぞれに、選抜された男たちが目を輝かせて乗っていた。
「おれらの筏は小さいし、そのまま入れるな♪」
おれたち4人は連絡船と共に、そのまま港へ入った。
……なんか、大型船に残った若い船員たちから、ものすごい視線を感じるんやけど。
昼の港町は活気に満ちていた。
「安いよ安いよ! 今朝獲れたばっかりだ!」
あちこちから競りの威勢のいい声が飛び交い、その後ろには新鮮な海鮮を扱う食堂がずらりと並んでいる。
店と競りを行き来する人たちで通りはごった返し、道端では昼間っから顔を真っ赤にした男が、酒瓶を抱えて気持ちよさそうに寝ていた。
……どこの世界にもおるんやな、こういうオッサン。
――いますよねぇ~♪ ね?なんども道端で朝を迎えたエイルさん♪
はい……ワタクシもそうでした……
商会の荷物がたくさん岸壁に並べられ、船員たちは次々と連絡船に運び込む。
連絡船は沖合のレイゼル船団と港を何度も往復している。
夕方になる頃には、岸壁に山積みだった荷物もほとんどなくなっていた。
とはいえ、これで全部ではないらしい。
明日の朝、残りを運び込んでから出航するそうだ。
そして夜になると、昼間とは別の顔を見せる港町。
船員たちは待ってましたと言わんばかりに夜の街へ繰り出す。
年配の船員たちは賭場へ。
そして鼻の下を伸ばした若い船員たちは、
際どい服装をしたお姉さんたちが店先で手招きする夜の繁華街へと、吸い込まれるように消えていった……
……ああ、それが目的だったのね。
翌朝――
戻ってきた男たちは、どいつもこいつも随分と財布が軽くなっているようだった。
こうしてレイゼル船団は無事補給を終え、再びラウリエル王国へと向かって出航した。




