ラウリエル王国へ
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
ラウリエル王国からの返書が届き、いよいよシグルたち謝恩使一団が出立する日となった。
シグルとフィオナさん、そしておれたちは、国王の病室で出立の挨拶をしていた。
ベッドの上で上体を起こしたリュウガ国王。その傍らにはエレナ王妃が座っている。
ベッドの足元には、宰相ユリウスが立っていた。
「本来ならば私が行かなければならないところだが……」
先触れから返書が届くまでにひと月以上掛かったので、リュウガ国王は随分と回復された。
だが、さすがに長旅に出られる状態ではない。
ラウリエル王国までの道のり、片道一ヶ月ほどの長旅に耐えられる程の回復には、おそらく相当な時間がかかるだろう。
「どーんと任せちょけ!親父の分まで、きっちり頭下げてくるき!」
「頼んだぞ……シグル……」
リュウガ国王はふと寂しそうに微笑んだ。
その目はマリナを見送る時のトーマに似ている気がした。
「フィオナ。シグルが無礼を働かんよう、よろしく頼む……」
「お任せ下さい!陛下。」
「ちょっと待ちや!俺よりフィオナを頼りにしちょるんか!」
「殿下。フィーちゃんになにかあったら……」
ユリウスさんの背中からは、ゴゴゴ……と魔王の黒い炎が出ている気がした。
「わっ、わかっちょるわ!もう何十回目じゃ!」
「エイル殿には、またお世話になることに……」
「陛下、お気になさらず。おれはたんに、友のため一緒に行くだけですから。」
「ありがとう……」
リュウガ国王は頭を下げ礼を言った。
「シグル……気をつけてね……」
シグルの元へやってきたエレナ王妃はぎゅっと抱きしめた。
「ちょっ、お袋!!いつまで子供扱いするんじゃ!」
「うちと同じだ♪」
マリナがにっこり微笑んだ。
「嬢ちゃんとこもか?」
「うちのお母さんも、別れる時ぎゅーってしてくれました♪」
「そう……マリナさんのところも……」
エレナ王妃はマリナをぎゅっと抱きしめた。
マリナは別れ際、母に抱きしめられた時のことを思い出した。
そっとエレナ王妃の胸に顔を埋める。
……懐かしい、母の匂いがした。
「シグル。親っていうのは、いつまでも小さい頃の姿が頭から離れんもんよ。」
「エイルよ。おまんたまーにおっさん臭いこと言いよるな。」
シグルは思わず照れ笑いをした。
港には、大きな王室専用外遊船レイゼリア号と護衛船が二隻、そして小さな漁船程の筏が並んでいる。
いつまでも『筏』では呼びにくいらしく、今回の航海中は仮称として『エイル号』と呼ばれることになった。
――名前がエイル号なんて〜ちょっと加齢臭がしますねこの筏〜♪
――クララベル号にすればよかったのにぃ〜(ぷう〜)
「いやいやいや、ほっぺた膨らませんといて?」
「アナタが良くても、周りにドン引きされますからね?」
「『女神様の名前を筏につけるとか、畏れ多いやろ。ナメとんか?』って。」
「しっかし……大きな船三隻と並んでたら、まるで港で誘導する役割の小型船やな……」
ただ、こちらが思っているほど見劣りはしていないそうだ。
船乗りたちによると、なんだか妙な神々しさがあるらしい。
本物の女神が乗ってるからやろか……?
レイゼリア号には多くの荷物が積み込まれている。食料や燃料、そしてたくさんの献上品。
こちらのエイル号にも食料や燃料などが積み込まれた。
レイゼリア号には舷側から下ろすタラップも設置されている。
エイル号を横付けすれば、甲板からタラップを下ろして行き来できるようなので、食事はレイゼリア号でお世話になれるようだ。
運転役のワタクシは?
また、しょっぱい味のする肉をかじらなければならない気がしてきた。
エンジンの燃料などを点検していると、港から勇壮な音楽が聞こえてきた。
見れば、色鮮やかな礼装に身を包んだ楽団が、楽器を奏でながら一糸乱れぬ隊列で行進している。
ザッ! ザッ! と揃って踏み出される足。
先頭の指揮杖が大きく振られると、一直線だった隊列が左右へ分かれ、今度は二つの列が交差するように進んでいく。
すれ違う奏者たちはぶつかることもなく、やがて再び一つの隊列へ――。
演奏を止めることなく次々と形を変えていく様は、まるで大きな一つの生き物が動いているようだった。
「うわー! かっこええー! これレイゼリア号から見たら、めちゃ見応えあるやろなー!」
「なあ?」
……
エイル号には、おれ以外誰もいなかった。
ハッ! まさかと思いレイゼリア号を見上げる。
「…………」
いた。
マリナたち三人、ちゃっかりレイゼリア号の甲板から見学しとるやんけ!!
運転役のお父さんの運命か……
「あ、階段のタラップ下ろしてくれてるやん!!おれも行こ!」
少しの間だけど、おれも一緒に見学できた。
「そろそろタラップ上げるよー!」
係の人が呼んだので、おれたちは大急ぎで戻った。
ブオオオオオオオン!!
港中に響き渡るような汽笛が鳴った。
楽団の演奏がひときわ大きくなる。
岸壁を離れたレイゼリア号は、ゆっくりと船首を沖へ向けた。
甲板にはシグルとフィオナさんたち使節団、そして船員たちがずらりと並び、港へ向かって手を振っている。
「みんなー!!行ってくるぜよー!!」
「おとーさーん!行ってきまーす!!」
港からは多くの人たちが手を振ってくれていた。
ひときわ目立ったのはユリウスさんが涙を流し手を振っている姿だった。
「フィーちゃあああん!!気を付けるんだよおおおお!!」
城の病室からも、きっとリュウガ国王とエレナ王妃が見送ってくれているだろう。
エイル号もゆっくりとあとに続いた。
今度の船旅は大型船に合わせるのでひと月はかかるだろう。
急ぐ旅でもない。
道に迷う心配もない。
漂流していた頃ほどではないにしても、久々にゆっくり景色を眺めながら楽しめる航海になりそうだ。
おれたちはレイゼル王国に別れを告げ――
のんびりと、ラウリエル王国へ向け旅立った。




