継世の英雄
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
国王を救った特効薬「星露錠」のお礼にエルフの国へ向かうこととなったシグル王太子。
出立に向け、着々と準備が進められていた。
「殿下の訪問については、すでに先触れを出しております。」
「ラウリエル側から受け入れの返書が届き次第、正式に出立となりますな」
そして返書を待つ間、シグルは今一度、エルフに対する恩義についてユリウスに復習させられている。
なぜかおれも付き合わされていた。
「厄災の時に我が国は継世の英雄に救われたんじゃろ?」
「ざっくりしすぎです!」
「伝承の詳細は語れますか?」
「なんでも、神託を受けた賢者様が命を張って、俺らのご先祖を今の城がある場所まで逃がしてくれたそうじゃの?」
「え?城って昔はここにはなかったん?」
「エイル殿。実は厄災前の城は、今ではもう海の底なのです。」
そういえば、おれたちを海賊から救い出してくれたドワーフの隊長、オルドさんもそんな事言ってたな。海の底にはご先祖様が住んでた家があるって……
「厄災で混乱する城に、不思議な神々しさを身に纏うエルフ族の青年が現れたそうです。」
「青年は王の前に立ち、こう告げました。」
「『この地を捨て、高き地へ民を導くのです――継世のために』と。」
ユリウスさんが、なんか語り始めた。
「もちろん、誰もがすぐに信じたわけではありません。」
「しかし青年の言葉通り、海は日に日に大地を呑み込み、次々と村が海へと消えていった……」
「そこで当時の王は決断したのです!」
「この者を信じよ!民を高き地へ移せ!」
「こうして我々の祖先は、故郷を捨て、現在この城が建つ高台を目指しました。」
「さらに青年は風の精霊を呼び、その加護を人々へと分け与えました!」
「疲れ果てた者の足には再び力が宿り、」
「老人も子供も、誰一人取り残されることなくッ、高き地を目指したのです。」
「――しかァしッ!!」
ユリウスの熱弁に、おれとシグルはビクッとした。
「あと少しで高台へ辿り着くという、そ の 時ッ!」
「再び大地が大きく沈んだ!」
「海から押し寄せた濁流が、逃げる人々の背後へ迫ったのだった!」
なんかユリウスさん、語りに熱入ってきたんやけど。
「逃げ切れぬッ――誰もがそう思った、その時イィッッ!!」
ユリウスさんは一旦目を瞑り、『その時』でクワッと見開いた。
「青年はただ一人!迫る濁流の前へと立ちはだかったァ!」
ビシィィッ! と前方を指さした。
「そして精霊の……奇跡の力をもってェ、押し寄せる濁流を食い止めたッ!!」
今度は両腕を大きく広げ、天を仰いだ。
やたら芝居がかってきて、舞台劇見てるようなドキドキ感あるな。
「……」
「……やがて、最後の一人が高台へと辿り着きました……」
先ほどまでの熱が嘘のように、ユリウスさんの声が静かになる。
「青年はそれを見届けると……ついに力尽きた……」
「押し留められていた水は一気に押し寄せ、その姿を濁流の中へと呑み込んでいったそうです……」
「――『継世のために』」
「青年が、人々を導きながら幾度となく口にしていた言葉です……」
「自らの命を顧みず、我々の祖先を次なる世へと繋いだ者。」
「人々は深い感謝と敬意を込め、彼をこう呼びました。」
「――『継世の英雄』……と。」
「我々を救い、その命を散らした青年――」
「『継世の英雄、賢者エルドラン』は、二千年を経た今も我が国の伝承に語り継がれているのです……」
「…………」
エルドラン?
おれは宴会で国王アルヴェインに『え!?あんだって!?』とやってるエルドラン爺さんの顔が思い浮かんだ……
……まさかな。
まぁちゃうやろな……
「我々はこのように、エルフ族に多大なる恩があるのです。」
「なんか語りが上手くてドキドキしたのう。」
「話に引き込まれてもうたわ。」
「これマリナが目を輝かせて聞きそうやな。」
「ほう……では折を見て、お聞かせしましょう。」
ユリウスさんが顎ヒゲを撫でながら微笑んだ。
ユリウスさん、マリナにカッコイイとこ見せられるといいっすね♪
その後、城ではユリウスさんの熱の入った一人芝居に、目を輝かせて聞き入るマリナとノルの姿が目撃された。
マリナとノルの拍手を浴び、ユリウスさんは満足げに去っていったという……
おれが通りかかると、歩き去るユリウスさんの背が見えた。
グッと拳を握りながら去るその背は、とても満足そうだった。
「おー、マリナ。ユリウスさんの話聞いとったの?」
「ユリウスさんとても上手にお話聞かせてくれましたッ!」ふんすふんす
マリナはとても興奮し喜んでいる。
「しかしまあ、エルドランのやつ、ここでは伝承になっておったのか。」ボソリ
「え!?やっぱあのエルドランさんだったの!?」ボソボソ
「ボロ布のように倒れておったあやつとは、しばらく旅をしておったからの。その折に聞いたわい。」
「しかし今の話は、面白かったのう。」ホクホク
「でも今年で厄災から2026年ぐらいでしょ?」
マリナが不思議そうな顔をしている。
――神託のとき加護も与えておきましたから〜♪
――すぐ死なれちゃ困りますので〜♪
「クララベル様にご加護をいただくと長生きになるんですか?」
――マリナも普通の人より、少ぉ~し長生きになりますよぉ〜♪
クララベル様はマリナににっこり微笑んだ。
「クララベル様の加護にはそんなご利益もあるんや……」
――あのときは〜、精霊使いの力と〜♪
――生命力とぉ~♪運気上昇をつけときました〜♪
なんか怪しい通販の広告みたいやな……
――ワタシのはちゃんとしてますよぉ〜(ぷくー)
相変わらずほっぺた膨らませた不満顔も可愛いやん……
――ふふっ♪
このあと酔い鴎でユリウスが同行を認めてくれたとフィオナに伝えると、
「えっ!?本当にお父さん認めてくれたの!?」
と両手を口に当てびっくりし喜んでいた。
シーンと聞き耳を立てていた店の客たちも、拍手と指笛でお祝いしてくれた。
いよいよエルフの国、ラウリエル王国への旅立ちに向け――おれたちは本格的に準備を始める。
……それにしても。
『継世の英雄、賢者エルドラン』か。
宴会で『え!? あんだって!?』と国王に絡んでた、あの爺さんがねぇ……。
今度会ったら、ちょっと昔話でも聞いてみるか。




