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継世の英雄

youtubeでゲーム実況をおこなっております!

https://www.youtube.com/@nico_channel_

エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、

女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。

挿絵(By みてみん)

AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。



国王を救った特効薬「星露錠《せいろじょう》」のお礼にエルフの国へ向かうこととなったシグル王太子。


出立に向け、着々と準備が進められていた。


「殿下の訪問については、すでに先触れを出しております。」


「ラウリエル側から受け入れの返書が届き次第、正式に出立となりますな」



そして返書を待つ間、シグルは今一度、エルフに対する恩義についてユリウスに復習させられている。


なぜかおれも付き合わされていた。





「厄災の時に我が国は継世《けいせい》の英雄に救われたんじゃろ?」


「ざっくりしすぎです!」



「伝承の詳細は語れますか?」



「なんでも、神託を受けた賢者様が命を張って、俺らのご先祖を今の城がある場所まで逃がしてくれたそうじゃの?」


「え?城って昔はここにはなかったん?」



「エイル殿。実は厄災前の城は、今ではもう海の底なのです。」




そういえば、おれたちを海賊から救い出してくれたドワーフの隊長、オルドさんもそんな事言ってたな。海の底にはご先祖様が住んでた家があるって……





「厄災で混乱する城に、不思議な神々しさを身に纏《まと》うエルフ族の青年が現れたそうです。」


「青年は王の前に立ち、こう告げました。」



「『この地を捨て、高き地へ民を導くのです――継世《けいせい》のために』と。」



ユリウスさんが、なんか語り始めた。



「もちろん、誰もがすぐに信じたわけではありません。」


「しかし青年の言葉通り、海は日に日に大地を呑み込み、次々と村が海へと消えていった……」


「そこで当時の王は決断したのです!」



「この者を信じよ!民を高き地へ移せ!」


「こうして我々の祖先は、故郷を捨て、現在この城が建つ高台を目指しました。」


「さらに青年は風の精霊を呼び、その加護を人々へと分け与えました!」


「疲れ果てた者の足には再び力が宿り、」


「老人も子供も、誰一人取り残されることなくッ、高き地を目指したのです。」





「――しかァしッ!!」


ユリウスの熱弁に、おれとシグルはビクッとした。



「あと少しで高台へ辿り着くという、そ の 時ッ!」



「再び大地が大きく沈んだ!」



「海から押し寄せた濁流が、逃げる人々の背後へ迫ったのだった!」



なんかユリウスさん、語りに熱入ってきたんやけど。





「逃げ切れぬッ――誰もがそう思った、その時イィッッ!!」


ユリウスさんは一旦目を瞑り、『その時』でクワッと見開いた。



「青年はただ一人!迫る濁流の前へと立ちはだかったァ!」


ビシィィッ! と前方を指さした。




「そして精霊の……奇跡の力をもってェ、押し寄せる濁流を食い止めたッ!!」


今度は両腕を大きく広げ、天を仰いだ。



やたら芝居がかってきて、舞台劇見てるようなドキドキ感あるな。




「……」


「……やがて、最後の一人が高台へと辿り着きました……」


先ほどまでの熱が嘘のように、ユリウスさんの声が静かになる。



「青年はそれを見届けると……ついに力尽きた……」



「押し留められていた水は一気に押し寄せ、その姿を濁流の中へと呑み込んでいったそうです……」




「――『継世《けいせい》のために』」




「青年が、人々を導きながら幾度となく口にしていた言葉です……」




「自らの命を顧みず、我々の祖先を次なる世へと繋いだ者。」


「人々は深い感謝と敬意を込め、彼をこう呼びました。」




「――『継世《けいせい》の英雄』……と。」




「我々を救い、その命を散らした青年――」


「『継世《けいせい》の英雄、賢者エルドラン』は、二千年を経た今も我が国の伝承に語り継がれているのです……」




「…………」



エルドラン?



おれは宴会で国王アルヴェインに『え!?あんだって!?』とやってるエルドラン爺さんの顔が思い浮かんだ……



……まさかな。


まぁちゃうやろな……





「我々はこのように、エルフ族に多大なる恩があるのです。」



「なんか語りが上手くてドキドキしたのう。」


「話に引き込まれてもうたわ。」




「これマリナが目を輝かせて聞きそうやな。」




「ほう……では折を見て、お聞かせしましょう。」


ユリウスさんが顎ヒゲを撫でながら微笑んだ。


ユリウスさん、マリナにカッコイイとこ見せられるといいっすね♪






その後、城ではユリウスさんの熱の入った一人芝居に、目を輝かせて聞き入るマリナとノルの姿が目撃された。


マリナとノルの拍手を浴び、ユリウスさんは満足げに去っていったという……



おれが通りかかると、歩き去るユリウスさんの背が見えた。


グッと拳を握りながら去るその背は、とても満足そうだった。




「おー、マリナ。ユリウスさんの話聞いとったの?」



「ユリウスさんとても上手にお話聞かせてくれましたッ!」ふんすふんす


マリナはとても興奮し喜んでいる。



「しかしまあ、エルドランのやつ、ここでは伝承になっておったのか。」ボソリ


「え!?やっぱあのエルドランさんだったの!?」ボソボソ


「ボロ布のように倒れておったあやつとは、しばらく旅をしておったからの。その折に聞いたわい。」


「しかし今の話は、面白かったのう。」ホクホク



「でも今年で厄災から2026年ぐらいでしょ?」


マリナが不思議そうな顔をしている。



――神託のとき加護も与えておきましたから〜♪


――すぐ死なれちゃ困りますので〜♪


「クララベル様にご加護をいただくと長生きになるんですか?」


――マリナも普通の人より、少ぉ~し長生きになりますよぉ〜♪


クララベル様はマリナににっこり微笑んだ。




「クララベル様の加護にはそんなご利益もあるんや……」



――あのときは〜、精霊使いの力と〜♪


――生命力とぉ~♪運気上昇をつけときました〜♪


なんか怪しい通販の広告みたいやな……



――ワタシのはちゃんとしてますよぉ〜(ぷくー)


相変わらずほっぺた膨らませた不満顔も可愛いやん……


――ふふっ♪





このあと酔い鴎《かもめ》でユリウスが同行を認めてくれたとフィオナに伝えると、


「えっ!?本当にお父さん認めてくれたの!?」


と両手を口に当てびっくりし喜んでいた。



シーンと聞き耳を立てていた店の客たちも、拍手と指笛でお祝いしてくれた。



いよいよエルフの国、ラウリエル王国への旅立ちに向け――おれたちは本格的に準備を始める。



……それにしても。


『継世の英雄、賢者エルドラン』か。



宴会で『え!? あんだって!?』と国王に絡んでた、あの爺さんがねぇ……。



今度会ったら、ちょっと昔話でも聞いてみるか。

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