旨い酒
youtubeでゲーム実況をおこなっております!
https://www.youtube.com/@nico_channel_
エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
おれたち4人はエルフの国ラウリエル王国を出てから7日間、人間の国レイゼル王国へ向け、ひたすら筏を走らせ続けた。
待っててくれ、シグル。ちゃんと薬は手に入れてきたぞ!
おれは操舵輪を握る手に力を込めた。
グォオオオオオオオオオオオオ!!
「あかん、どの島がレイゼル城の島かわからん!」
「ここらへんは島が密集しとるから、おれでは見分けがつかん!!」
行きは外海だったので、右手に島が見えるようひたすら走ればよかった。
しかも目指すラウリエル王国のある島には、世界樹というとんでもなく大きい目印があった。
あんな分かりやすいもんがあってホンマよかったわ。無かったら迷うところやったで。
しかし帰りの目的地には、目印になるような大きいものはない。
レイゼル城のある島は周囲の島よりかなり大きいが、それは地図で見比べたときの話。
実際は海から見れば、小さな島でもかなりデカく見える。
正直なところ、遠目ではどれがレイゼル城のある島なのか見分けはつきにくい。
どの島がレイゼル城のある島なのだろう。
不安から、アクセルを緩めそうになったその時だった。
水平線の向こうから、煙が上がっている島が見えてきた。
「あの島から狼煙が見えるんやけど!?」
「遠くの方にも見えますよ!」
「儂らを誘導しとるのかのう?」
「もしかして……クララベル様け?」
――神託飛ばしときました〜♪
神託がメール感覚なの笑う。
でもほんと、めちゃ助かる。
「クララベル様!ありがとう!」
たまには女神っぽいことするやんけ。
――たまには〜、それっぽいことしときませんとね〜♪
せやった!考えてること筒抜けなんやった!
――ふふっ♪
点々と続く狼煙に導かれ、筏は波を蹴立てながら白波を残して海を駆けていく。
太陽が赤くなる頃、導くように点々と並んでいた狼煙が最後のひとつとなった。後ろにはもう、ひとつも見えない。
「アレが最後の狼煙っぽい!」
「あの港、見覚えがあります!!」
筏は旋回し港に飛び込んだ。
夕日に染まる港には男が立っていた。
大切な親父の命を救うため、おれに賭けた男が立っていた。
急いで筏を港の岸壁へ横付けし、インベントリから薬の木箱を取り出した。
「シグルー!!コレを持って行ってくれ!」
「一日一錠!細かいことはあとで説明する!!」
おれは木箱をシグルに投げ渡した。
「すまん!恩に着るき!」
受け取ったシグルは城へと消えていった。
「親父さん、間に合ったやろか……」
「きっと大丈夫ですよ……きっと。」
マリナも心配そうに城を見つめていた。
おれは筏を停泊させ、急いで城に向かった。
城の衛兵はおれたちを王の寝室へと案内してくれた。
そこには親父の手を握り泣き崩れるシグルと、穏やかな顔で微笑みながらシグルを見つめる王がいた。
「間に合った……みたいやな。」
「おれら、一旦外に出よっか。」ボソッ
「邪魔しちゃ悪いですもんね。」ボソッ
「お主は疲れとるじゃろ。筏でひと寝入りせい。」ボソッ
「せやな……」ボソッ
そう言って振り返った瞬間、
おれの目に見知らぬ天井が映った。
城のベッドの上で目が覚めたのだった。
目を横にやると、心配そうに見守るマリナがいた。
「あれ、なんで?」
「エイルさん!!」
涙で頬を濡らすマリナが、横たわっているおれに抱きついてきた。
「よかったああああ!!」グスグス
「気づきおったか。心配したぞ、エイルよ……」
ホッとしたノルは、おれの枕元でゴロンと寝転んだ。
「部屋から出ようと、振り向いた途端に倒れたのじゃ。」
「魔獣の傷でずいぶん血を失っとる上、」
「七日間もろくに休まず運転しとったんじゃ。」
「緊張の糸が切れたんじゃろ。」
「そのまま丸々一日、眠り続けておったぞ?」
あー、そういや一人暮らしで働き始めた頃、盆正月で実家へ帰るたびに熱が出てたことがあるわ。
仕事中は気を張ってるから何ともないのに、実家へ帰ってホッとした途端ドッと疲れが出て熱が出とった。
ま、それみたいなもんか。
「エイル殿!大丈夫か!!」
シグルがノックも忘れて飛び込んできた。
「後ろから大きな音がして、振り返ったらおまんが倒れちょってたまげたぞ!」
「だいぶ無理させてしもうたようじゃのう……ほんま、すまんかった……」
「そして、親父を助けてくれて……ほんま、ありがとう……」
シグルは深々と頭を下げた。
「そうや!薬の注意点や!」
「大丈夫。私が伝えておきました。」グスッ
「まじで?」
「一日一錠、最低三日は飲み続ける。」
「小便の色が普通に戻ったら完治。」
「薬の色が抜けて白くなったら魔素吸着の効果は無くなるが、万能薬としては使える。」
「この嬢ちゃんがしっかり伝えてくれたき。」
「よかったー。マリナ、ありがとう!」
不安の涙で濡れていたマリナの顔が、ぱっと笑顔になった。
「安心したら腹減ってきたわ。」ボソッ
「そうか!粥か何か用意させるき!」
「いやいや、肉が食べたい……です。」
(もう、いつ焼いたかも忘れたような肉は、当分食いたくないわ……)
「なんじゃ、急によそよそしい喋り方になったのう。」
「さっきまで普通に喋りよったやないか。」
言葉遣いにまで気がまわらんかったのよ許して!?
「おれは、おまんに大きな恩ができた。」
「どうしたら、おれはこの恩を返せる?」
「ほな、一緒に酒飲んでーな。」
「そんなもん当たり前じゃ!そういうことやのうて……」
「おれは、王太子としてではなく、家族を心配する一人の男、シグルの真剣な思いに心を動かされたんや。」
「なんもいらん。」
「酒飲み友達ができたら嬉しい。」
「あ、シグルは酒飲めるんか聞いてなかったわ……」
「おまん……いや、エイルも酒が好きか!おれもじゃ!」
美味い酒場が港にあるとシグルがおれたちを誘ってくれた。
「酒場へ行く前に、すまんが親父に会うてやってくれんか?」
「どうしても、直接礼を言いたいそうなんじゃ。」
おれたちは国王リュウガの寝室へ入った。
リュウガは王妃の介助でベッドから起き上がり、感謝の言葉を伝えようとした。
「……おぉ、エイル殿……このたびは……ゴホッゴホッ!!」
「陛下!薬で魔素は排出されるけど、失った体力は日にち薬だそうです。」
「ご無理をなされず、回復に努めてください。」
「ありがとう……本当に……ありがとう……」
「王妃のエレナと申します……このたびは夫を救っていただき、本当にありがとうございました。」
国王リュウガとエレナ王妃は深々と頭を下げた。
「いまは体力回復の事だけを考え、お大事になさってください……それでは失礼致します……」
おれたちは長居するのも悪いと思い、一礼して退出した。
「お袋も親父が助かって、本当に感謝しとった。ありがとう。」
「さ、小僧よ。どんな美味い飯を食わせてくれるのじゃ!?」
――ほ〜んと楽しみですね~♪
アナタはまたワタシの分をつまみ食いする気ですね〜♪
いつも気づいたらおれの酒とか飯が減ってるのな。
ほんま盗み食いが上手いでこの女神様……
「マリナは果汁だけじゃぞ!?」
「えー!」
「エイル!不貞腐れても酒は渡してはならんぞ!!」
「わかっとるわ!!」
「「ワハハハハハハハ!!」」
おれたちはシグルの案内で、すっかり日が暮れた港の酒場に向かった。
今夜は本当に旨い酒が飲めそうだ。




