小さな背中
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女神クララベル様はこちらのマスコットキャラクターの見た目を使ったという設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
前回女神クララベル様から、この小島にはおれのほかにも、もう一人生き残りがいると告げられた。
寝床を作っておけと言われたということは、どうやら敵性存在ではないのだろう。
これから一緒に旅をする仲間なんだろうか。
おれはわりと一人の時間を大事にしているのだが…大丈夫か?
――ワタシは居ないもの扱いですか~? かなしい~(しくしく 涙は出ていない)
「いやアナタ、人にカウントされませんやん。柱ですやん。」
「プライバシーも脳内も覗かれ放題なんだから、普通だったら恥ずかしくて発狂モノですよ?」
――そうですね~、娘さんに知られたらドン引きされるような性癖も知ってますし~
クララベル様はニヤニヤと小悪魔的な笑みを浮かべている。
「なにを? いや言わないで!」
――話は変わりますが船出に向けて食料とか、ある程度集まったようですね~
C-Raft能力はあれからも成長し、今では簡単な木の槍と弓が作れるようになった。
素材である木や鉄は、幸いというかなんというか…バラバラになった奴隷船が浜に打ち上げられていたので、木を拾っては道具箱を作る、道具箱が満杯になったら、また新たに道具箱を。
そして置く場所が狭くなってきたら筏を拡張し、当初の目標であった海賊船っぽい筏にまで成長した。
とはいってもまだ小型漁船ぐらいの大きさですが…
中型の貨物船ぐらいにはしたいところ。
多めに作った樽と板は、筏が破損したらすぐ修理できるようにインベントリに放り込んでおいた。
インベントリには何種類か放り込めるようなので、ひとまずは槍、弓、矢、水、食べ物、板、樽あたりをセットしておいた。
ちなみにですが、メニュー画面みたいなものは一応目の前に投影されるがタッチして操作する必要はなく、これを出したい、しまいたいと考えるだけで出し入れできるようだ。
地味に便利。
――8トントラック作る予定が材料ケチって2トントラックになっちゃったって感じでしょうかね~? まあその感覚は家計を考えられる、しっかりしたお父さんって感じですね~
「だっしょ?」
――冒険できない小心者という感じがひしひしと伝わってきます~♪
ああそうですよ。株でもちょこちょこ種銭を削って、収支はマイナスでしたわ。
――まあ、ああいうので大金持ちになれるような人って、大概そのあと破産していますからね~。感覚ぶっ壊れている人が化けられるんですよ~
「んで結局もう一人の方ってどこにおられるんですか?」
――近くにはいるはずなんですがねぇ~
「そういやクララベル様は、ほかの人にも見えるんです?」
――見えるようにもできますし、見えないようにもできますよ~
「男一人だと怖がられるだろうし、姿が見えるようにしてくださいよ」
――すでにしていますからとりあえず探しましょうか~
とりあえず海岸沿いを歩いて探してみるが見つからない。
ずいぶん歩いて日も赤くなってきた頃、岩の向こうに誰か倒れているのが見えた!
「おおーい! 大丈夫!?」
小さな少女が気を失っていた。
幸い息はしているようなので大きな声で呼び続けた。
――よかったですねぇ~、少女に人工呼吸とか完全に事案ですよ~
呑気にふわふわ浮かんでいるクララベル様。
ほんまよかったわR指定食らうとこやで。
少女はぼんやりと目を開けた…と次の瞬間、ダッシュで逃げ出した!
「おーい! 助けに来たんだよー!」
関西弁では引かれるかと思い、慣れない標準語を使って追いかけた。
「いやっ!! 連れてかないで!」
どうやら女の子はおれの事を奴隷商人かと思ったようだ。
「待って! おれも誘拐されてここに着いたんだよ!」
――急いでください。潮が満ちてきてますよ。
普段とは違うクララベル様の真面目な口調にハッとした。
「うそ! 横にいる女の人、浮いてるしお化けが迎えにきたんでしょ!!」
ピシッとガラスにひびが入った背景が見えた気がした。
――エイルさんよっぽど怖い顔してたんでしょうね~ワタシまでお化けに見間違うなんて~
この女神様、どうしてもおれが原因だということにしたいんか!
てかそんな場合じゃない! 潮が満ちてきて波にさらわれちゃう!
次の瞬間大波が彼女を飲み込んだ!
岩に打ち付けられ、再び気を失った彼女はそのまま波に持っていかれた!!
……波に飲まれる小さな背中が、幼い頃の子供の姿に重なって見えた…
「くっそ!」
おれは無我夢中で海に飛び込んだ!
――おばかさん! 死にますよ!!
一瞬でも子供の姿に重なってしまった以上、見捨てるなんて選択肢はない!!
おれは必死で追いかけるも一向に縮まらない!
くそっ! くそっ!
彼女の姿が水面から消えた!
ゴボボボボボ…
水中で必死に探す!
いた! そうだ、水中なら、身体をくねるように泳ぐ方法があった!!
おれは必死に水を掻いて彼女の手をつかむ!
あかん! 苦しい! 水面まで、体力も息ももつやろか!?
せや! インベントリの樽!
水中に出した樽は、おれと少女を一気に押し上げ水面へと向かった!
「ブハッ!!」
――なにやってるんですか、おばかさん! また死んじゃうとこでしたよ! 早く筏に移ってください!
クララベル様は風の力で無理やり筏を運んできてくれた。
無理やり動かしたので錨はちぎれている。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
息を整えるのもそこそこに、彼女に救命措置を行った。
消防団で講習を受けていて本当に良かった。
「ゴボッ!」
彼女は水を吐き出し息を吹き返した。
「あ…助かったんでしょうかね…」
――ひとまず彼女は助かったようですね。いちおう救命活動でしたので、アナタも首の皮一枚で繋がったんじゃないでしょうか~?
うっすら目を開けた少女が小さく震えながらおれを見る…
「……なんで?……」
少女はまた眠りについた…
彼女を寝床に寝かせ、一気に疲れが押し寄せたおれはそのまま眠ってしまった。
――ほんと無茶をしますねぇ~
――女の子を助けに飛び込んだアナタ、完全に父親の顔してましたよ~♪
――よくがんばりましたね、お父さん♪
月明かりに照らされる筏…
少女は穏やかな寝息を立て、安堵したおれも疲れ果てて眠ってしまった…
その傍らでふわふわと浮かぶクララベル様…
――……本当に…お人好しですね…
クララベル様は、二人を見つめながらやさしく微笑みかけていた。




