一にして全、全にして一
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女神クララベル様はこちらのマスコットキャラクターの見た目を使ったという設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
おれは異世界から意識をコピーされ連れてこられた中身オッサンのエイル18歳。
クラフトした筏で小島に漂着してからというもの、とりあえず何ができるかの確認に没頭していた。
「とりあえず水だわ」
C-Raftでは海水を真水にする浄水装置が作れたので、まず水分確保を優先して行った。
C-Raftのシステムは何となく覚えがある。
以前プレイしたことがある、筏で漂流生活をするサバイバルクラフトゲームだ。
「移動する拠点」を作れるのが楽しくてとても大好きなゲームだった。
しかし一致しない部分もある。プラスチックだ。
この世界にはプラスチックがほとんど存在していないようなのだ。
なくはないが、ありふれてもいない。
ゲームでは多用途の使い道があった重要な素材である。
しかしC-Raftシステムでは今のところ必要がなさそうだ。
この世界はまるで……おれが筏のサバイバルクラフトゲームをヒントに書き始めたなろう小説。
そういえば女神クララベル様は『私の世界も面白くしてください~♪』と言ってたな。
――そうですよ~(ピョコッ)
「うわばばばびっくりした! 人の独白をハッキングして割り込まないでください」
――も〜(ぷくー)昭和のおじさんは細かいですね〜♪
クソッ、ほっぺたを膨らませた不満顔も可愛い
――どうです〜? あなたのオリキャラの姿拝借して正解だったでしょ〜♪
――自分が考えるかわいいキャラと一緒に行動できて幸せでしょ〜? うりうりw
小悪魔的笑みを浮かべてほっぺたをつついてきた。
あいかわらずクララベル様はおれの周りをふわふわと優雅に浮かびながら漂っている。
「暇なんですか?」
その瞬間、ピシッとガラスにヒビが入ったような背景が見えた。
――その考え、人間らしくて愚かですねぇ~
――ワタシは今もほかの仕事を、あなた方に分かるように言うとマルチタスクでこなしているのです~
「脳内で処理されているんですか?」
――んー、あなたに例えると、ここにいるアナタと元の世界で生活しているアナタ。どちらもアナタなんですよね~?
「あっ! ではここにいるクララベル様、どこかで別のお仕事されているクララベル様とかおられるわけですね!」
――そうです~。さすがですね、理解が早い。
――仕事の方もそうだったら娘さんたちも、もう少しは裕福だったんでしょうね~♪ 残念でなりません〜
ほんとナチュラルに脇腹刺してくるなこの女神様。
――ワタシはここでアナタのオリキャラの姿をしていますがぁ〜別のところで神託を下している私はその人たちが想像した女神像の姿をしていますし~
――ま〜そもそも姿を見せること自体稀なんですけどね~♪
――そしてまた別の時代で天罰を与えている私もいますし〜、多時空に存在しているのです~
「多時空?」
――神に空間や時間は関係ないのですよ~
――アナタ方の世界に有名な概念があるじゃないですか~
周囲の海風が止まり、波の音が消えた。
==【我は一にして全、全にして一】
一瞬だけど雰囲気が神のそれになった。
――すべてがワタシ本体であり、そして分体でもあるんですよ~♪
――アナタのケースと違うのはたくさんの本体があり、すべての意識が共有されているのです~
「はぇ~すんごい」
――もし人間ごときが同じ状態になったら、脳の処理が追いつかなくて焼き切れますよ~?
――ですからコチラのアナタとあちらのアナタの意識を分断しているのです~
なるほど。さすが神という存在は伊達ではないということかー。
――そうですよ~。あがめ奉りなさい(ドャア)
もう普通に脳内ハックしてくるなこの女神様。
さて、とりあえずこの島で素材を回収していたらいくつか道具のレシピが解放されたので、筏の拡張、水の確保、寝床、台所、屋根と壁。
衣食住が充実してきた。
おれはこういったサバイバルクラフトゲーで余裕が出てくると、拠点をカスタマイズしたくなってくるんだよね。
そういえばゲームでは、筏だけども船みたいな感じにしてたな。
海賊船みたいな見た目がカッコよくていいかも♪
――ちょっと余裕が出てきたようですね~。
――ちなみにですが〜この筏は重量制限とか建築重量に制限がないので〜自由自在にデコれますよ~♪
「デコるwww女神様も死語使うんですね笑」
――は? 何言ってるんですか。令和時代はリバイバルでいまは逆にZ世代が使っていますよ?
――価値観昭和からアップデートしてくださいね~お父さん♪
え、まじ? テレビは阪神が日本一になった時ぐらいに久々に見たけど、もう何十年も見てないし知らんかったわ。
――それよりもですね、そろそろ寝床を増やしたほうがいいかもしれませんよ~?
「クララベル様の寝床ですか?」
――いえいえワタシ、神ですからアナタの元の国で言うところの神棚を作ってくださればそちらの方が過ごしやすいです~
「ではなぜ寝床を?」
――近くにですね〜、同じ船に乗せられていた誰かが漂着しているようですよ~
「え!?」
――もう一人生存者がいます〜♪
おれは思わず島の奥を見た。
夕日で赤く染まる木々が、風に揺れている。
この世界で…
はじめて会う人間。
船の生き残り。
敵か…
味方か…
その答えは、すぐそこにあった。




