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冬木の根開け(ねあけ)

youtubeでゲーム実況をおこなっております!

https://www.youtube.com/@nico_channel_

エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、

女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。

挿絵(By みてみん)

AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。



昨夜、リュミエルは胸の内を打ち明けてくれた。

百年近い努力の末、ようやく妖精ララに認められたリュミエル。

そんな彼女にとって、おれが簡単に森への立ち入りを許されたことは、自分の努力を否定されたように思えたらしい。

だから、おれに辛く当たってしまっていたのだという。


努力は、人に見えないところで積み重なる。

だからこそ、その重さは本人にしか分からない。


百年近く……


おれが生きてきたより倍近い年月を悩み続け、そして諦めることなく成し遂げたリュミエル。


おれは畏敬の念を抱くと同時に、一時は微笑ましいなどと思ってしまった自分を恥じた。





次の日の夜明け前、星露草《せいろそう》に朝露が降りる頃、おれとリュミエルは動き始めた。


採取を出来るのがリュミエルだけなので、おれは念のための周囲の警戒に当たった。



「…………」プチプチ


黙々とリュミエルが摘み、持ってきた保存箱に詰める。



「…………」キョロキョロ


おれはあの涙の重さを知り、掛けられる言葉を思いつかなかった……





「……新しい箱……置いとくな。」


おれは星露草で一杯になった箱と空箱を入れ替えた。


こういう時、真面目に人生を積み重ねた人だったら、かける言葉の一つぐらい思いつくんだろうか……


自分の人としての浅さが悲しくなってきたわ……





「もー!ノルとララちゃん。つまみ食いしちゃダメでしょ?」


「マリナの食事を目の前にして、我慢できるはずなかろう!」


「マリナの食事ってぇ〜♪美味しぃ〜ねぇ〜♪」


忙しく朝食を作ってくれているマリナ。


妖精たちはつまみ食いに忙しそうだ。



きみら……エエご身分やな!


ララ君、君そんな食いしん坊やったのか?





満杯になった箱を筏に運んで、空箱を持って戻る。


そんな作業をしばらく続けていた。





「ふーっ。こんなもんかしらね?」


「じゃ、リュミエル。ちょっとひと休みして筏に戻るか。」




ひと通り摘み終わり、腰を下ろして休憩しているその時だった。




「ギャアアア!!誰か助けてー!!」


森の奥から悲鳴が聞こえた。




「ちょっと!からかっただけ!じゃんかよお!!」


森の奥からこちらへ妖精が逃げてきた!



「あっ!お前ら!助けろよ!!」



妖精がこちらに逃げてくる……


その後には……魔獣!!



おれとリュミエルはハッとした。


この妖精、魔獣にちょっかいを出しよったな!




相手にしなければ魔獣は襲っては来ない。


しかしこの妖精がいらぬ刺激をしたせいで、興奮した魔獣がこちらの方へと向かってきていた!!




「てめえ魔獣引き連れてきてるやんけ!!まさにMPK(モンスター・プレイヤー・キル)やんけええ加減にしろ!!」




「お前ら助けてくれよおおお!!」


と叫んだのも束の間、妖精は魔獣の鋭い爪に引き裂かれた!


妖精は光の煙となり、世界樹へ昇っていき消えた。



興奮した魔獣の視界には、怯えてしゃがみ込んでいるリュミエルがいた。


魔獣はリュミエルに向かって飛びかかろうと、ググッと後ろ足に力を入れ体を沈め込む……



次の瞬間魔獣がリュミエルに向かって走り出した!



おれは気づいたらとっさにナイフを抜いて走り出し、迫る魔獣からリュミエルを守るよう立ちはだかっていた。



猛スピードで迫る魔獣。おれはナイフを持つ手に力を込めた。



走ってくる魔獣はナイフに気づくと、身をひねり横に飛んだ。


一瞬でおれの視界から消える。





次の瞬間、激痛が走る。



人間って予想外の事やと「痛い」という感覚だけが先に来るんやな。


身体のどこからその痛みが来てるか分からんのよなー。



なんてことを一瞬思いながら下の方を見ると、魔獣がおれの横腹に噛みついていた!




「!?!?!?!?」


パニックになりながらもノルの言葉が脳裏をよぎる。




『額の魔核を破壊したら倒せるじゃろうな。』




「うぁばばばばば!!」


パニックになりながらも必死にナイフの柄頭《つかがしら》で、魔獣の額をガンガン殴った!



額の魔核が砕けた瞬間、魔獣は煙のように霧散した。



元の世界では保健所のおかげで野良犬なんていないし、普通に生活してたら獣と戦う機会なんてないやん?

おれ、よーがんばったわ……


などと安心したら、余りの痛みに倒れ込んでしまった。



「ばか!!なんでよ!!」


リュミエルは涙を流しながらおれの服をめくって傷口を確認していた。


ポーチから軟膏を取り出し、真っ赤に腫れ上がり、血を流す横腹の咬み傷に擦り込んだ。



イデデデデ!触ると痛いんですけど!



「あぁっ!傷口の魔素が邪魔して血が止まらない!!」


リュミエルが必死に塗り込むも状況は変わらなかった。




おれは激痛で意識が遠のきそうになる。


それでも、これだけはリュミエルに伝えなければ。




「リュミエル……」


「喋っちゃダメ!血が余計に流れちゃう!!」



「元のおれが生きてきた歩みよりも……遥かに永い年月を悩み……そして努力をし続けたリュミエル……」


「そんなこと!今はどうでもいいからあ!!」



「そして諦めることなく成し遂げた君……おれは……リュミエルを……心から尊敬しているよ……」


「黙れっていってるでしょ!!」



「嫌な思いさせちゃってゴメンな……」



「うわあああああん!!」


リュミエルの瞳から大粒の涙が流れているのが視界に入った。




何か方法はないか!?とリュミエルは辺りを見回した。



リュミエルがハッ!と閃いた。



箱から摘んだばかりの星露草を取り出し、おれの横腹の上で力いっぱい握り潰した。



星露草の雫は咬み傷にぽたぽたと滴《したた》り落ちる。



リュミエルは雫を傷口へ擦り込みながら、軟膏と混ぜ合わせる。


「止まって!止まって!!」


やがて血の流れは収まり、赤く腫れていた傷口は赤みが消えて腫れが引いてきた。



「ばかっ!ばかっ!」



痛みが引いてきたおれはリュミエルの方を向いた。



「リュミエル……怪我はない……?」



「大怪我してる人がなに言ってるのよ」


リュミエルは、涙で真っ赤になった目をしながら微笑んだ。



リュミエルの叫ぶ声を聞いてマリナたちが走ってきた。



「エイルさん!!どうしたんですか!!」


リュミエルが皆《みんな》に事情を説明してくれた。




「イタズラ好きの子〜世界樹に還《かえ》っちゃったんだ〜」



「儂《わし》ら妖精は……寿命は無いのじゃが、死なないわけではないんじゃ……」


「あ奴みたいに……魔獣の、ほんのひと搔きで消えて世界樹に還る……」



「イタズラ好きの子は〜♪気づいたら居なくなってるよね〜♪」



「慎重に行動出来るやつだけが残っていくのじゃ……」




妖精も不滅ってわけじゃないのか……


むしろそんな簡単に命を落とすんか。




「あなたのおかげで薬草は無事、摘み終わったわ……」


「ほら……」


リュミエルが肩を貸すからと促してきた。



「あれ?もう全然痛くないんやけど?」


「すげえな、エルフの傷薬!」


まだちょっと痛かったけど、もう心配はかけたくない。



リュミエルに手伝ってもらい、少し使って軽くなった箱を筏に積み込み出発準備を整えた。



「ほな出発するでー!」


おれはエンジンを始動しようと操舵輪《そうだりん》を握ると、横にリュミエルがやってきた。



「エイル……」


「……色々ありがと……」


リュミエルはおれに微笑んだ。


この子……笑うとこんなに可愛いかったんやな。




おれたちは王宮に向け川を下っていった。


世界樹が微笑みながら手を振っている。


……そんな気がした。





リュミエルのイメージは大体こんな感じです。(AI作成イラスト)

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挿絵(By みてみん)

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