若き天才薬師
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
おれたちはラウリエル王宮のそばを流れる川を登って精霊の森を目指していた。
「わあああ!!どんどん世界樹が大きく見えてくる!!」
マリナさん、おれも見たいです……
「お主はしっかり前を見とくんじゃぞ。」
「わかっとるわ!!」
――家族旅行で運転してるお父さんみたいですね~♪エイルお父さん♪
これがハンドルを握る者の運命か……
チラッとリュミエルを見ると、一瞬目が合ったがプイッとそっぽを向かれた。
もうあれからおっぱい見てませんけど!?初対面ってほんと大事だね!!
――おじさん特有のネットリした視線なんじゃないですかね〜♪エイルさんは〜♪
そんなにネットリしてる!?
おれは心で泣きながら操舵輪を握り続けた……
「エイルよ、そろそろ休憩しようぞ。」
「このぶんだとぉ〜♪夕方には着けそうだよぉ〜♪」
「どうせ朝しか採れんし、一晩明かすならここらで休憩取っても変わらんじゃろ?」
「じゃあここらで停めるわ。」
おれは錨を下ろして休憩に入った。
「みなさーん、お茶入れましたよー!」
「リュミエルさんが手伝ってくれましたー!」
なんかマリナさんとリュミエルさん仲良くなってるんですケド!?
みんなでお茶を飲んでいると、森の方から獣の遠吠えが聞こえた。
「最近この森にぃ〜♪魔獣がいるので〜♪気をつけて下さいね~♪」
ララによると、近ごろ森に魔獣がうろつくようになったらしい。
世界樹のおかげか分からないが、こちらが刺激しない限りは襲って来ないらしい。
「出会ってもぉ〜♪知らん顔しといてくださいねぇ〜♪」
「万が一でも襲ってこんのやったらええけど……」
「お主の腰のナイフで、額の魔核を破壊したら倒せるじゃろうな。」
「ま、お主には逃げることをお勧めするぞぃ。」
「自分のことはよく知っておりますゆえ……」カシコマリ
「いちお〜ナイフにぃ〜♪加護つけとくぅ〜?♪」
「ララは水の奴と特に仲がよいからのぅ。」
「貰っておけ。」ウンウン
「ほなよろしくお願いします……」
おれはドワーフ工房のドルクにもらったナイフに加護をつけてもらった。
おれが隅でお茶を飲んでいると、リュミエルがやってきた。
「……なんでアンタばっかりなのよ。」
へ?
「私が何十年もかけて……やっと森に入ることを妖精様に認められたのに!」
「ぽっと出のアンタはすぐ許可してもらって……」
「今度はナイフに加護までもらって……」
「ズルいのよ!!」プイッ
リュミエルさんがプリプリ怒りながらツカツカと去っていった……
…………
…………
…………そっち!?
あーよかった……
どこぞの女神が『ネットリした視線が〜』とか言うたから、スケベなオッサンと思われて嫌われてるんかと思ってたわ。
そうか……この子が費やした何十年の努力を、ぽっと出のおれなんかが一瞬で飛び越したと思ってたんやな……
おれは気が楽になると同時に、リュミエルってホントはがんばり屋さんなんだな……と微笑ましく思いながら見つめていた……
「ネットリした目で見ないでよ!!」
おれは言葉を失った…………
――あら〜♪トドメ刺されちゃいましたね~♪
――顔が中国株大損おじさんみたいになってますよ〜♪
全おれが泣いた……
「そろそろぉ〜♪向かいましょうかぁ〜♪」
おれはショックを受けたまま、涙のドライブを続けた……
「うわあー!世界樹の下にはいっちゃったぁー!!」
「…………」
「どうじゃ?高いじゃろう!?」
「すごーーい!」
「…………」
(おい、クララベルよ。こ奴どうしたんじゃ?辛気臭い……)ボソボソ
――自分の株が暴落してストップ安になっちゃったんです〜♪
(株?……ストップ?……何を言っとるんじゃ?)
「ここらへんに止めてぇ〜♪あとは徒歩ですぅ〜♪」
「ここから遠いんっすか?」
「結構離れてますよ〜♪あそこですぅ〜♪」
ララが指さした方向にひらけた場所が見える。
「きれいー!あれなんて花ですか?」
「あれが星露草ですぅ〜♪」
え?
めっさ近いやんけ。
「これぐらいの距離なら筏で寝泊まりできそうやん!」
ハッ!とリュミエルを見た。
「お、おれはテントで寝るから部屋使って良いよ〜」(アセアセ)
「結構よ!私がテントで寝るわ!」
「魔獣出るらしいから危ないし〜」(アセアセ)
――部屋がおじさん臭いんじゃないですかね〜♪
加齢臭!?この身体から!?
「お主なら部屋を増やすぐらい容易いじゃろうが。」
「せやったわ。ショックがデカくて忘れとったわ。」
「C-Raft!!」
ドン!ドン!ドン!
おれはベッドと明かりと机を置いた簡易的な部屋を増設した。
「リュミエル、こんなかんじでええ?」
「…………」
リュミエルの目が点になっていた。
「何よこれ!?どうやったの!?」ギュウウウ!!
リュミエルが肩を掴んで聞いてきた。痛い痛い!
「女神様に……能力もらって……」(イテテテ!)
「はああああ!!女神様にまで!?」
しもたわー……ボヤにガソリンぶっかけてしもうたわー……
「……なんなのよ、それ……」
「私、百年頑張ったのに……」ポロ
「なんで……アンタはそんなにも……認めてもらえるのよ……」ポロポロ
リュミエルの大きな瞳から大粒の涙がぽろぽろと流れた。
おれはクララベル様に異世界のことを話していいかと視線で合図をした。
クララベル様は仕方ありませんね……とばかりに目を閉じ頷いた。
「おれはこの世界の人間じゃないんよ……」
誘拐され遭難しマリナと出会い、エルフの国に来た経緯を話した。
甲板にはランタンの光が揺れている。
「そう……アンタお父さんだったのね……」
居住区からはマリナたちが心配そうにこちらを見ていた。
「私の名前リュミエルはね、星砕きの七賢様の一人からもらったの……」
「リュミエル様のような子になりますようにって、親が付けてくれたの……」
「私もこの名前に恥じないように努力したわ……」
「努力のおかげで大概のことは、すぐに何でも出来たわ……」
「『若き天才薬師』なんて人は呼ぶけど……私はそう呼ばれるに見合った努力はしてきたつもり……」
「でも……妖精様にだけは認めてもらえなかった……」
「何十年も、何十年も……百年近く頑張って……頑張って……」
「やっとララ様に認めてもらえた……」
「誇らしかった……」
「ごめんね……簡単に乗り越えていったアンタが妬ましかったの……」
「何十年の努力が否定されたように思えちゃって……」
「明日はアンタたちのために、しっかりと仕事をするわ……」
「おやすみなさい……」
そう言ってリュミエルは部屋に入っていった。
そうだよなー……その気持ちは分かるな……
…………
おれは夜空を覆う世界樹を見上げていた。
――あの子の気持ち……アナタなら分かりますよね……
――登録者数200人を軽く超えられたこと沢山ありますもんね……
それと深刻さ違くない!?!?
いやソレも地味にくるけどさ!!
アンタほんまクリティカル出すの上手いな!!
若き天才薬師リュミエルは努力の人だった。
努力を積み重ねた者ほど、
その努力を飛び越えていかれる痛みは大きい
だからおれは、あの涙に胸が痛んだ。
努力は、人に見えないところで積み重なる。
だからこそ、その重さは本人にしか分からない。
夜空を覆う世界樹は、
あの子の百年の努力も、
おれの異世界から来た事情も、
何も言わず静かに見下ろしていた。




