築く者
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女神クララベル様はこちらのマスコットキャラクターの見た目を使ったという設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
おれたち4人はコアシップ船団に世話になって半月が過ぎようとしていた。
おれはそろそろ旅を再開しなければ……と思うようになった。
学校で友達もできたマリナに、おれは話を切り出した。
「おれはそろそろ、旅を再開しなければと思ってるんよ……」
「クララベル様がおれをこの世界に呼んだ理由……それを探す旅を。」
いやまぁ無いんだが。
「わかってる……ずっとここに居るわけにはいかないもんね……」
「寂しい……。けど、今度はどんな場所が見れるんだろう?って……」
「わくわくする気持ちも大きいから大丈夫。」
「そっか……」
この子はもう巣立ちという、人生で一番大きな旅立ちを経験したんやもんな。
「よし、ノルに話して、旅立ちの準備するか!」
おれは旅を再開する事をノルに告げた。
「もう行くのか?ま、人の命は短いからのう。お主らの思うようにせい♪」
「儂はお前たちについて行くだけじゃ。」
「そうじゃ、エイルよ。お主『アレ』を用意しとくんじゃぞ。」
「?」
それからおれたちは船団長に旅の再開を決めたことと、半月ものあいだ世話になった感謝を伝えた。
おれは旅立ちを伝えにドルクのところに行くと、ちょうど網を干していたドルクは驚いたように目を見開き、やがて寂しそうに笑った。
「この船団と出会えたんは、あの時心配して見に来てくれたドルクのおかげや……本当にありがとう……」
ドルクとおれは抱き合い、少しホロリとした。
マリナとノルはミアや学校の友達と別れを告げると、ミアはマリナに抱きついてえんえんと泣いていた。
抱き合うマリナを残して、ノルはノクトのところへ向かった。
ちょうど船団名簿を整理していたノクトに旅立ちを告げた。
「人生の終わり際にいい思い出ができましたわい。ありがとうございやした……」
「……子を成す奴らの、なんと命の短さよのう……」
ノルは少し寂しそうにぽつりと呟いた……
おれは旅立ちを告げるためノアを探していた。
ノアは配達で船団中を駆け回っているのでなかなか見つけられない。
おれは思いつくところを探した。途中、酒場のマーナさんや食堂の人たちに、旅立ちと感謝を伝えながら。
夕日に差し掛かる頃おれは後ろから呼び止められた。
「エイル!」
振り向くと息を切らせたノアが夕日を背に立っていた。
「もう行っちゃうの!?」
大きな瞳から大粒の涙をポロポロと流すノア。
頭の耳は、力なく伏せている。
おれは何も言わずノアを抱きしめる。
二人は長い長い時間、何も言わず抱き合っていた。
夕日が沈み、船団に明かりが灯り始めても、二人は離れられなかった。
夜の帳が下りきった頃、おれは口を開いた……
「ノア……おれとい……」
言いかけた言葉をノアは唇で遮った。
「ウチは……ここの人間だから……」
「エイルがいつでも来れるよう……ずっとここで待ってるね……」
おれたちはずっと抱き合っていた……
旅立ちの日、最後に妖精様の姿を目に焼き付けようと多くの人が見送りに来てくれた。
「ガロムさん、お世話になりました。これを受け取ってください。」
おれはノルに言われていた、島で狩ったなんの変哲もない鹿の皮を差し出すと、ノルがおまじないをかけた。
ノルの雰囲気が変わりツインテールの髪がフワッと舞い上がった。
「……風の精霊、水の精霊、光の精霊よ……こやつら海の民に祝福を与えてやってくれ……頼んだぞ……」
……潮風が止み……
……波が音を消し……
……辺りが薄暗くなった……
皮の上にかざした小さな手からは、無数の光がまるで雪のようにふわりと降り注ぐ。
光は鹿皮へゆっくりと溶け込んでゆき、やがて最後のひとひらも跡形なく消えた。
そこに残っていたのは、見た目には何一つ変わらない、ただ一枚の鹿皮だけだった。
そして辺りは、何事もなかったかのように元に戻った。
「おぉ……妖精様と精霊様の祝福を受けた賜り物、謹んで拝領いたします……」
ガロムは深く礼をし受け取った。
おれは警笛を鳴らし、ゆっくりと出航を始めた。
出航の時、子供たちは歌を歌ってくれた。
マリナは筏から手を振り、涙を零しながら一緒に歌っていた。
「エイルぅ〜!!」
「近くに来たら、絶対また来てねー!!」
「ノアー!!絶対行くから待っててくれよなー!!」
「絶対だよおーーー!!」
ここも温かい場所だった……
手を振るノアに、船団長のガロムは話しかけた。
「で、どうなんでい?」
マーナは劇画調の顔になった。
長い沈黙……ノアは筏を見つめ手を振っている。
「ふふっ♪」
ノアは、はぐらかすかのように微笑むと、そっとお腹を撫でた。
「配達は……少し減らしていかなくちゃ……ね。」
……
ガロムとマーナは目を見合わせた。
「うおぉぉぉぉ!!」
ガロムはガッツポーズを取り、マーナはうんうん頷いた。
ノクトがポソリと呟いた……
「また……ページ増やさなきゃな……」
遠ざかる船団。
その中で、ノアがお腹をそっと撫でる姿だけが見えた。
……
「……そうか……」
……
「……そっか……」
「……薄々は気づいておったようじゃな……」
――新たに築かれましたね〜エイルさん〜♪
キミタチ!マリナに気づかれるからそれ以上は勘弁して!てかクララベル様今日初めて喋りましたね!!
「…………」(ジーッ……)
ジッとおれを見つめるマリナの視線が怖い……
「そっ、それにしてもやな!ノルのおまじない!!また絵本のお話になりそうやね!!」(アセアセ)
――あっ、新たなノルの伝承が生まれましたね〜♪(アセアセ)
「まーた儂、なんかやっちゃいましたかのぅ♪」(アセアセ)
――「「ワッ!!ハッ!!ハッ!!ハ……」」(ジーッ……)
「なんかマリナさん、ジッとこっち見てくるんデスケド!!」ボソボソ
「おい!クララベル!なんとかしてくれい!!」ボソボソ
――マ、マリナ〜♪これには事情があ……
「考え事しているので後にしてもらえませんか?」(ピシャリ!)
――……シュン……
(そうじゃったー!!こやつマリナに胃袋握られとるから強く出れんのじゃったー!!)
おれは後ろ髪をおもっくそ引かれながら、
そしてマリナの冷たい視線を背中に浴びながら筏は針路を西に向け、
また新たな場所へと旅立ったのであった。
ちなみにだが――しばらくは操縦席で食事をする羽目になった……




