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伝承の妖精

youtubeでゲーム実況をおこなっております!

https://www.youtube.com/@nico_channel_

女神クララベル様はこちらのマスコットキャラクターの見た目を使ったという設定にしています。

挿絵(By みてみん)

AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。





おれたち4人の筏は海流に乗り、マリナの村から西の方へとゆっくり漂流していた。


特に目的地があるわけではないし、水や魚、プランターの野菜もあるしでのんびりしたものだ。


ただ傍(はた)から見れば燃料が切れて漂流しているように見えなくもない。





「おおーい!!」



遠くから汽笛を鳴らしながら漁船が近づいてきた。



「おおーい!燃料が切れたのか!?」


日焼けした肌、顔全体のヒゲと髪に白髪が混じる男が話しかけてきた。



「心配してくれてありがとう!でもエンジンを停めてるだけやし大丈夫です!」




「そりゃ良かった。俺の名前はドルク。近くで漁をしてたら、漂流しているお前らの船が見えたんで飛んできたんだ。」



「心配かけてすみません。目的地もないので、のんびり流されていたんです。」



「そうか。目的地無いんだったらうちの船団に寄ってくかい?補給品も売ってるぜ。」


「船団!?」



おれは某SFロボット海洋アニメの船団を思い浮かべワクワクした。



「行ってみたいけど皆(みんな)いい?」


「私も行ってみたい!!」



「船団とな?」



ノルがひょこっとマリナの後ろから現れた。




「こりゃ驚いた!妖精様じゃありやせんか!?」


「アンタたち妖精様のお供(とも)かい?」



クララベル様をチラッと見たら、ウンウンと頷いていたのでそういうことにした。


どうやらクララベル様は、おれたち以外には見えなくしているらしい。




「こちらはノル様です。おれらはノル様のお供でご一緒しています。」



おれが様付けで紹介したことにフフンとご機嫌だ。



「くるしゅうないぞエイル。」


マリナはくすくす笑っていた。




「そこの小僧、ドルクとか言ったか?この小僧はエイル、この童(わらし)がマリナ。儂(わし)の従者じゃ。」


「船団とやらに、案内してくれるかのぅ。」


「ははっ!ではこの船が先導致しますので追(つ)いてきてくだせえ。」




おれは魔導エンジンを点火し、ドルクたちの船にゆっくりと追(つ)いていった。





水平線に街のようなものが見えた。




いくつもの船が、ひときわ大きい船を取り囲むように集まっている!



初めて見る船団!おれもマリナもノルも興奮しワクワクしていた。




大きな船からチカチカと発光信号が送られてきた。ドルクの船とやり取りしているのか?



ドルク船は船団にとてもゆっくりと近づいていき、今度は手旗で誘導してくる中央の大きな船へと向かった。


発光信号をやり取りしてから、妙に遅くなったな……





「わあああ!大きいー!!」


マリナが目をキラキラさせている。おじさんもワクワクしている。





行き交う小舟が忙しそうに、船団の間をいくつも走っている。


漁網を干す船、子供が遊んでいる船、修理中の船まで見える。





ゆっくりと中央の船に向かう途中、周りの船からたくさんの人たちがおれたちの筏を見ていた。





「そんなに珍しいのか?妖精って。」


「エイルさん、妖精様って本当は、おとぎ話で聞くような方(かた)なんですよ。」



「見た人なんて、ほとんどいないんですから。」



改めてこの世界の常識的な感覚をマリナから感じた。




そんなおとぎ話の存在をこの目で見れるなんて。



おれやったらソッコーでスマホ取り出して動画回してるわ。





――森から出てきた羽根の子なんて〜、ノルぐらいのものですからね〜♪



――人の子のおとぎ話に出てくる『妖精』は〜、ノルの事ですね〜♪


「え?まじでか!?ほなおれ、昔話の本人と一緒に旅してたんかいな!?」

……その昔話自体は知らんけどな……



「はぇ~……」


「なーにが『はぇ~』じゃ!呆(ほう)けた面(つら)しおって!」



「また『はぇ~』で変顔してる。毎度そんなに面白い顔してるか!?」



――ワタシは好きですよ〜その顔♪知性をどこかに落してきたような〜♪


「知性の遺失物届、どこに出せば良いか教えてもらえませんかねえ!?」



マリナはケラケラ笑っている。


マリナさん、笑い過ぎじゃないですか?





ノルが手を振ると、甲板のあちこちから「わあっ!!」と歓声が上がった。




(ただのトンボというわけじゃ無いんやな……)


「いま何か失礼なコト考えておらんかったか?従者よ。」


「とんでもございません。」カシコマリ




小舟が近づき、男が一礼をして乗り込んできた。


「失礼します、妖精様と従者殿!」


「俺の名前はレオン!繋留(けいりゅう)作業を行わせていただきます!!」



錨(いかり)は下ろさず船同士をロープで繋ぎ、橋を架けるそうだ。




「こちらへご案内します!!」



レオンに案内され、おれたちは筏から大型船へ移った。


この橋、なんか幅がデカくない?レッドカーペットでも敷かれてるみたいな扱いやんけ。





案内された先に大勢の人たちが整列している。



先頭の三人のうち、代表が話しかけてきた。




「私はガロム・レインズ、船団長をやっております。」


そう告げると男は一礼した。


ロマンスグレーの髪に口髭(くちひげ)を蓄えた、大柄のイケメンおじさんって感じやな。



「こっちがベック・ロウ。副船団長をやっております。」


さらに大きな体をした、後ろで髪を束ねている男が頭を下げた。



「こっちはオルダ・マーク。この船団の会計長をやっております。」


髪と口顎のヒゲが真っ白な小柄の男が一礼した。




「儂(わし)は、妖精族のノルじゃ……」



「貴殿らに創生の女神、クララベル様の加護があらんことを……」


酔っ払って筏の甲板で、よだれを垂らして昼寝をしているノルからは、想像もつかない優雅な立ち振る舞い。



「女神クララベル様はいつでもそなたらを見守っておるぞ……」


いやまあ、ここにいるんですけどね。



――せっかくそれらしく振る舞っているのに〜そんなツッコミかわいそうですよ〜♪


アナタも酔っ払って昼寝している姿からは、とても女神だとは思えませんけど!?


――ふふっ♪(テヘペロ)


クッソ。可愛いやんけちくしょう……





「生きているうちに伝承で語られる妖精様とお目にかかれるとは……一同とても感激しております。この船団を代表して喜びをお伝えします。」



そう言われるとおれたちは、応接室のようなところに案内された。





「エラい気軽な気持ちで立ち寄ったら、大事(おおごと)になってきよったで……」



――それだけ妖精がレアなんですよ〜♪トンボと間違えて落してしまうところだったエイルさん♪


ホンマやな!!今さらやけど背筋が寒(さむ)うなってきたわ……






ヨレヨレの家ジャージでコンビニにフラっと立ち寄ったら、来店100万人目おめでとう!みたいな歓迎を受けたおれたち。



そこでノルが、伝承になっているレベルの妖精だったことを知った。




あの普段のだらけた姿から、どこをどうすればそんな事を想像できたでしょうか?



応接室に案内されたおれたちは、この巨大な母船を中心とした『コアシップ船団』にはしばらく滞在する事になりそうな予感がした。

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