沈みし世界の証人
youtubeでゲーム実況をおこなっております!
https://www.youtube.com/@nico_channel_
女神クララベル様はこちらのマスコットキャラクターの見た目を使ったという設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
立ち寄った小島で妖精のノルが一緒に付いてくることとなり、おれたちは4人で旅を続けることとなった。
クララベル様は、神様なのを疑うぐらい俗っぽいので、もう人換算することにした。
目的地は特にない。水や食料も何とかなる。おれたちは風の向くまま潮に流されるまま、のんびりと漂流していた。
流されるままなので、操縦に付きっきりになる必要もあまりない。
なので暇な時間が増えた。
その時間を使い、おれは筏を改築し、筏後部の居住区を更に充実させていった。風呂、トイレ、台所、談話室、個室、神棚(クララベル様用)と増築し、なかなか立派な筏へと成長していた。
昼間、筏の改築のほかおれは釣りをし、マリナは家事や洗濯をしてくれている。
そしてこの2人……
クララベル様と妖精ノルは、サングラスをしてビーチベッドに寝ころび、マリナが作ってくれた火酒のトロピカルカクテルもどきを昼間っから飲んでいる。
「キミら暇そうでエエな!」
――わらしはぁ〜♪この時もれふねぇ〜♪ほかの場所れぇ〜♪
神様も呂律が回らんぐらい酔っ払うんやな……
「クりゃりゃベルぅ〜、もっとぉ〜しゃきっとぉ〜……喋らんかぁ!」
「おまえもじゃ!!」
「キミらしょっちゅう、おれが飲んでる酒を奪ってグビグビ飲んでるけど、いつもは平気っぽいやんけ!」
「さてはキミら、雰囲気に酔うタイプやろ?」
――くか〜♪
「すぴー♪」
「酔っ払って昼寝とはええご身分やね!キミタチ!」
そして日が赤くなってきたら、
「ノルー、ちょっと冷えてきたから、そろそろ中に入りましょうねー。クララベル様も起きてくださーい。」
口からよだれが垂れているノルは、マリナにお人形のように抱っこされ、居住区の中に連れられていった。
その後ろをクララベル様は、寝起きの目をこすりながらふらふらとついていく。
のんびりとした日々。
「まあ……これはこれでエエか。」
おれたちは夕食を囲みながら雑談していた。
――マリナの食事は本当においしいですね〜♪
――おくちの中が幸せで満たされます〜♪
「本当じゃのう♪マリナの食事が食べられるだけでも、付いて来た価値があるわい♪」
「おいしい!おいしい!今までおれの料理の食材となった生きとし生けるものの皆さん、誠にごめんなさい!!」
「ありがとう!クララベル様、ノル、エイルさん!」
「みなさん、おかわりありますよ!」
――「「おかわり!!」」
「そういやあノル。前に言ってた『神代』って何のことなん?」モグモグ
――(ピクッ)
「あぁ……あれ……か……。」
「あれはエルフや人がそう呼んでおるのじゃ。」
(分かっておるわいクララベル。飯の事には気が向かんよう注意するわい!)
「人やエルフ、ドワーフが生まれた頃をあ奴ら自身が古代と呼んでおってな、それよりも前を神代と呼んでおるのじゃ。」
「クララベルが世界樹を植えて、そこから儂ら妖精と精霊が生まれたのじゃ。」
「はぇ〜、そんな昔からおるんや。」
「なーにが『はぇ〜』じゃ。気の抜けた声出しおってからに。」
また『はぇ〜』で変顔をしてる。そんな酷い顔してましたかねぇ?
マリナがくすくす笑ってノルの頭を撫でた。
「ダメでしょノル、エイルさんからかっちゃ。」
「それって今から何年ぐらい前の話なん?」
「しらんわい。ちょっと前に厄災が2回、『精霊の落涙』ともう一つが来おったじゃろ?それよりもだいぶ前じゃったぞ?」
――羽根の子たちは随分と長生きですから〜♪自分の正確な年齢を忘れて、毎度生まれ年でググってるエイルさんには分かるんじゃないですか〜♪
「あー、そう言われたらなんか分かるわ。てか、細かいことまで良く知っておられるんですね!!」
「今年がたしか、星災暦2026年だったと思いますよ?」
「それが『ちょっと前』てか!?いやまぁ、おれの10年前、20年前みたいな、そんな感覚か。」
「この辺りの海も……まだあの頃は、山と森が広がっておったのじゃ……」
「てか、この世界には精霊もいるんか?」
「おるぞ。」
「風の奴は悪戯が好きでのう。しょっちゅう吹き飛ばしてくれてビックリしたもんじゃ。」
「水の奴も悪戯好きじゃった。旅の先々で、急に大雨を降らせてきおって……よくビックリしたものじゃ。」
「土の奴も……驚かすのが好きでのう。儂が山を飛んでいたら、すぐ側に石を落してきおって、よくビックリさせられたもんじゃ……」
「火の奴は優しいやつでのう。儂が雪山の洞で震えて眠っておったら、よく傍に来て温めてくれたもんじゃ……」
……
……最後のはアレとして……
……それ、遊ばれとるやろ、ノル。
「じゃが『精霊の落涙』で、天から竜が落ちてきよってのう。それで土の奴は大怪我をしたんじゃ。」
「怪我も癒えぬうちにまた天から、今度はエルフどもの都に落ちてきて、都が消し飛んで……あやつはまた大怪我をしてのぅ……可哀想な奴じゃ……」
「土の奴は……段々と声が弱まっておる。」
ノルは窓から夜の海を見つめた。
おれたちが知らない、昔のこの世界を思い浮かべているようだった……
「ちょっと……夜風に当たってくるかの……」
ノルは寂しそうに……ふらふらと外に出ていった。
――思い出したらワタシも寂しくなってきました……少し夜風に当たってきます……
クララベル様は遠い目をし、口元に寂しげな笑みを浮かべ、ふわふわと外に行った……
「そっか……昔の姿をみているからこそ、今の世界が哀しく見えるんやな……」
「……」
マリナもしんみりとしていた……
……
……
――ノルぅ〜。なにうまいこと一人だけ逃げてるんですかぁ〜?
「いつ気づかれるかとヒヤヒヤして、儂にはもう耐えられんかったんじゃ!許してくれい!!」
――でもまぁ〜、また今回も上手いことごまかせましたねぇ〜♪
――ワタシたちは食事をしなくても大丈夫なこと〜♪
「よくもまあ、上手いこと今まで気づかれずに、しれっと食っておったもんじゃ!」
「儂にはこの先、誤魔化し続ける自信がないぞ!?」
――そろそろちゃんと〜、それらしい言い訳を考えなければなりませんね〜♪
おれとマリナは、しばらく何も話せなかった。
そのすぐ外で、まさかこんな会話が繰り広げられているとは――夢にも思わなかった。




