放浪妖精ノル
このお話から第二章となります。よろしくお願いします!
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女神クララベル様はこちらのマスコットキャラクターの見た目を使ったという設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
おれたちはマリナの村を出発して数日、のんびりと漂流し、わりと小さな島に停泊していた。
急ぎではないが、いつまでもドワーフ国で頂いた食料が持つわけでもない。
マリナが言ってたが、鹿などの肉や皮は街で売れるとのこと。
野菜や魚ばかりも味気ないし、肉や皮が売れるのであれば酒も買えそうだ♪
おれは立ち寄った島で弓の練習、あわよくば獲物を手に入れようと的を狙い練習していた。
「この身体、意外に筋力強いな。弓も思っていたより軽く引けるわ。細マッチョってやつですかコレ?」
――でも最近よくお酒飲まれてますよね~?元の体みたいにお腹が布袋様になるのが目に浮かびます〜♪
でも酒飲みたいやんか。てか、ぽっこりお腹の布袋様知ってるんや……
「そういえばクララベル様は、おれが来る前はご飯とかどうしてたんですか?」
――ふふっ♪オンナの秘密ですぅ~♪
笑ってごまかされた……
段々と的に当たる精度が上がってきた気がする。ウサギか何かいれば的にしてみるか。
皮をはぐ練習もしたいし。
そんな事を考えていたら、遠くの方にふらふらと飛ぶ虫か何かが見えた。
ちょっくら的にしてみよう。
キリキリキリ……
シュン!!
「あ、ちょっとズレた」
ズレた矢は木に突き刺さった。
ドスッ!バイイイン!
目の前の木へ突然刺さった矢に、ふらふら浮いているモノはびっくりして、地面に転げ落ちた。
「こらああああ!!何をするんじゃー!!」
「え、誰もいない島だと思っていたけど、人がいたのか!?」
「ほんと、すみませーん!!」
急いで謝りに行ったが、誰もいない……
「……なんやったんや?」
「気をつけんか!ばかもん!」
「え?」
あたりを見回すが、やっぱり誰もいない。
次の瞬間、耳元で怒鳴られた。
「こ・こ・じゃ!ばかもん!!」
「ヒエッ!!」
怒鳴られた方向を見ると小さい人がいた。いや小さすぎる。しかもトンボのような?羽根が生えてるみたいだ。
そう、ファンタジー物語に出てくる妖精だ!
「ああっ!きみ妖精ってやつ!?」
「そうじゃ!おぬしその弓で何をしてくれた!」
「すみません……まさか妖精がいるなんて。」
「てっきりデカいトンボか何かがと……」
クララベル様が大笑いしていた。
「何を笑っておるのじゃ!クララベル!」
――お久しぶりですね〜ノル〜♪
「おぬしも息災のようじゃな。して、こやつは何なんじゃ?おぬしがなぜ傍におる?」
――アナタもお暇なようですね〜ふらふら目的もなさそうに飛んで〜♪
「弓の事はほんとゴメン!」(ペコリ)
「おれの名前はエイル。クララベル様に呼ばれて、ここに居るんよ。」
「儂の名はノルじゃ。」
「ん?おぬし、この世界の人間ではあるまい。」
「え!?分かるん?」
「纒ってる因果が、この世のものではないのう。」
「はぇ〜、そんなん見えるんや。」
「なにが『はぇ〜』じゃ。気の抜けた返事をしおって。」
『はぇ〜』で変顔。そんな酷い顔してたか!?
――ふふっ♪おもしろい顔真似をして、人をおちょくるのは相変わらずですね〜♪
「お詫びにお昼ご飯、一緒にどうです?」
「おお、昼餉か!よいぞ、馳走になろう!」
おれたちは筏へと向かった。
とは言ったものの妖精の食事って、どんなのを食べているんだろう?……
――トンボには、そこら辺の虫でも捕まえて食べさせれば良いんですよ〜♪
「だーれがトンボじゃ!おい小僧!儂をトンボ扱いしおってからに!」
元々はおれやけど、いま言うたんはクララベル様やんけ!なんでおれに!?
クララベル様が腹を抱えて笑っている。
「ごめんて……まさか妖精が居るなんて、思いもせんかったんよ……」
おれたちが筏に戻ったら、マリナがお昼ご飯の準備をしていた。
「あ、みなさんおかえりな……きゃー♪」
「本物の妖精様だー!」
「わわわわわ!なんじゃ童よ!」
「こんにちは!!妖精様なんて初めて見ました!」
「かわいー!!」
「私の名前はマリナといいます!よろしくお願いします妖精様!」
「うむうむ♪こっちの小僧とは大違いの、愛い童よのう♪」
「儂の名は『ノル』じゃ。ノル♪と気軽に呼ぶとよいぞ、マリナ。」
「よろしくね、ノル!」
ノルはマリナの肩にのって上機嫌のご様子。
マリナもニコニコしている。
「ノルって普段は、どんなのを食べているの?」
「そもそもの話じゃが、クララベルや儂らのような、神代からの存在は、食z……」
――ノル〜♪(少し低めの声)
「はっはい!なんですじゃ!?」
ノルはクララベル様の前へ、大慌てでシュバって直立、敬礼をした。
――ふふっ♪
クララベル様はノルに微笑みながら、人差し指を口元に当てた。
マリナは筏にノルを招き入れ、
おれたちはテーブルを囲んで食事をした。
ノルはテーブルに座り込むと、ニコニコしながらマリナの食事を分けてもらっている。
まるで女の子がお人形遊びをしている風景やな。
初めて見たときは驚いたが、クララベル様の前に食器が浮かんでいるいつもの光景。
クララベル様はおれの傍で、ふわふわ浮かびながら食事をしている。
――マリナの作るお食事は、本当に美味しいですね〜♪モグモグ
――エイルさん〜、糧となった今までの、生きとし生けるものたちに謝られたほうがよいと思いますよ〜♪モグモグ
「ドワーフ国に行くまでは、ろくな調味料なかったんやから仕方なくない!?」モグモグ
「本当じゃのう。マリナの作る飯は中々のモノよのう♪」モグモグ
ふらっと浮かび上がったノルは、ニコニコしながらマリナの頭を撫でた。
「そういや神様って、食事は要るんか?」モグモグ
クララベル様の背景に、ピシッとヒビが入ったような気がした。
ノルは凍りついたように固まっている。
――頭髪が淋しくなってきた方のアナタがいる元いた国にも〜、神様へお供えする神饌がありますよね〜♪
「あー、ありますあります!」
頭髪は余計だろ!
――そういうことです〜♪
おれが納得した姿を見て、ノルはふーっと安心し額の汗をぬぐっている。
(頭髪……また、うまいこと話を逸らしおったわい……)
「それでノルは何してたんだよ?」
「小僧、しれっと便乗して、呼び捨てにしたな。」
「儂は彼奴等のように、一所でじっとしておるのは耐えられん。」
「故に気の向くまま、あちこちで暮らしておるのじゃ。」
――マリナを見ていたら、昔のノルを思い出します〜♪
――ノルがマリナを何となく気に入ったのも〜
――昔の自分と重なる何かを感じたのではないですか〜?
「そうか……マリナも……外の世界への好奇心が抑えられんかったのか……」
「よし!決めたぞ、クララベル!」
「儂も付いて行ってやるぞい!」
――え〜♪お断りしますぅ〜♪
あ、ノルがこけた。
「なんでじゃ!なんでじゃ!儂も付いていきたいいいいいい!!」
「こんな神器に乗って旅するなんて、面白そうに決まっておろうがああああ!!」
ノルが駄々をこねるように仰向けにバタバタしている。
「意地悪したらかわいそうです!クララベル様!」
――アッハイ……
クララベル様が肩をすぼませシュンとした。
(……この童やりよるのう……)
「ノルが増えたところで、広さも食事も大して変わらんしエエやないですか。」
「おお、小僧。エイルとか言ったな!おぬしなかなか見所があるではないか!」
――仕方ないですね〜。ノルにはあとで、ちゃんと教育しますからね〜♪
「よーし!ほなまあ、目的地は特にないけど出発や!!」
二人と一柱に妖精のノルが加わって、
小型船ほどの筏は騒がしくなりそうだ。
目的地はないけれど、おれたちは錨を上げ、大きな海原に向かって出発した。




