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雛鳥の旅立ち

youtubeでゲーム実況をおこなっております!

https://www.youtube.com/@nico_channel_

女神クララベル様はこちらのマスコットキャラクターの見た目を使ったという設定にしています。

挿絵(By みてみん)

AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。





マリナは岬から海を眺(なが)めていた……


家のすぐそばにある、月見草がきれいに咲いている岬。


ドワーフの国から帰ってきてから、気づいたら足をはこんで海を眺めている……


――…………

クララベル様は何も言わずマリナのそばにいた。




「最近、海……よく見にきているね……」


後ろから母のマリエが話しかけてきた。


「お母さん……」



「あたしも嫁に来た頃から、この岬でよく海を眺めてたよ……」


「とうちゃん……かあちゃん……元気にしてるかな……って。」



「マリナがおなかにいるときは、産婆さんに歩け歩けって言われて……よく散歩で来てた。」


「マリナが産まれてからもよく来てたんだよ?」


「抱っこして……よちよち歩けるようになってからも散歩で来てた。」



「ここに来る意味が……マリナが大きくなるにつれて、だんだんと変わっていったんだ……」



「行きたいんだろう?エイル君に付いてさ……」


「知ってたの……?」



「そりゃ気づくさ……ずっとマリナを見てきたんだからね……」




「グランさんの城でね……初めてこの世界の地図を見たんだ……」


マリエは微笑みながら聴いていた。



「地図では近くに見えた隣の島が、城の窓からみたらとても遠くて……」


「じゃあ、うちの島よりも遠い島はどれだけ遠くにあるんだろう……」


「ドワーフの人たち、みんな優しかった……もっと遠くの島には、どんな人たちが住んでいるんだろう、って……」


「ずっと頭の中をぐるぐるしてる……」




「昔はこの村しか映ってなかったマリナの目は……」


「今ではもう、この海のずうっと先を見てたんだね……」




「お母さん……帰って来られて本当に嬉しかったのに……でも海の向こうが気になっちゃって……」


「私、エイルさんたちと……海の向こうの世界が見たい……」




「いいよ……行っておいで……」


「……いいの……?」



「あたしたちしか映ってなかったマリナの目は……大きくなるにつれ、色んなものが映るようになった。」


「近所の友達……村のみんな……市場の人たち……」


「いきなり海の向こうとは、びっくりしたけどさ。」

マリエはクスリと笑った。



「お父さん、許してくれるかな……」


「あたしに任せときな。」

マリエは胸をドンと叩いた。


「父さんだって、きっと許してくれるさ。」





「ダメだダメだダメだ!マリナはまだまだ子供だぞ!!」



「何言ってるんだい!アンタだってあたしをこの村まで連れてきたじゃないか!」


「旅立つ前の日はとうちゃん、隠れてボロボロ泣いてたんだ!」


「今度はアンタに送り出す番が回ってきたんだよ!」



「マリナの目はもう、この村だけじゃなく外の世界を知っちまったんだよ!」


「アンタだって一度は刺激を求めてこの村から飛び出したんだろ!?」


「だからこそだ!苦労もした、怖い思いもした。だから行かせたくねぇんだ!」



「苦労もしただろうさ、怖い思いもしただろうさ……」


「でもあたしと出会えただろう?苦い思い出ばかりじゃなかったろう?」




「ちょっと早いけど……その時が来たんだよ。」


「ううう………マリナ………」

トーマは力なく俯いていた……








その夜トーマは眠れず、ぼんやりしながら外を歩いていた。


気づけば足は、教会へと向かっていた。



「クララベル様……まだ幼い娘をどうか……どうかお護りください……」



どれぐらい祈っていたのだろう。



立ち上がろうと目を開けると、


目の前に月見草が一輪、置いてあった……



「……クララベル様……?」



きっとこれは、クララベル様からの賜(たまわ)り物(もの)に違いない。


そんな気がした……




マリナは母マリエと、久しぶりに一緒に寝ていた。


マリエは、マリナがまだ小さかった頃の話をしていた。


小さい頃は夜になるとよく熱を出したこと。


一晩中心配で看てたけど、いつも朝になったらケロッと元気になって安心したこと。


お父さんが夜中に、熱冷ましの月見草を岬まで取りに行ってくれたこと。


壁に手をつき立ち上がって、自分たちに向かってトトトと初めて歩いたときは大喜びしたこと。


話を聞きながら、マリナは母の胸の中で、目を涙で濡らした。


「ごめんね……かあさん……」




次の日の朝、マリナはいつもより真剣な顔をしながら筏の前にいた。


「え、どうしたの?マリナ」




マリナは胸の前でギュッと手を握りしめた。


ゆっくりと深呼吸をし……


まっすぐにおれを見た。



「エイルさん!」


「はっ、はい?」




「私を!一緒に旅へ連れていってください!!」


「いやいやいや!マリナ!?」


「危ないしあかんやろ!!トーマさんとマリエさんには言ってるんかいな!」



もう父と母には伝えたこと。お父さんには大反対されたけど、お母さんが説得してくれたこと。


「私……海の向こうを……世界を見たいんです!!」


おれはドワーフ国ガルドラム城で、マリナが一心に地図を見ていた姿を思い出した。


あの時マリナが見ていたのは地図ではなく、地図のその先……世界だったのか。

クララベル様があの時言ったことは、そういうことだったのか、と。




後ろからやってきたトーマは言葉短くこう言った。


「マリナのこと……守ってやってくれ……」


怖い思いをし、死にそうな目にあった娘と奇跡的な再会。そんな娘を世界に送り出してやろう、おれに預けようと決めたのには、大変な葛藤(かっとう)があったことは想像に難(かた)くない……


「必ず……」


おれはその決心を、真っ直ぐに受け取ることにした。




筏にはマリナの部屋を作った。


荷物をまとめ、出発の準備は整った。



出発前、トーマはマリナに月見草を一輪渡した。



「夜中、教会でクララベル様に祈ってたんだ。」


「目を開けたら、これが置いてあった。」


「クララベル様は……ちゃんとマリナを守る。そう仰られたように思えた。」


「持っていけ。」


「お父さん……小さい頃よく、月見草取りに行ってくれたんだってね?」


「ありがとう……」

マリナは両親に抱きついた。


トーマとマリエは、マリナを抱きしめた。


「ごめんね……ごめんね……」

「元気で行って来い……」

「いつまでもここで待ってるからね……」



おれは三人を見つめていた。


また目頭が熱くなってきて涙がこぼれた……







「体には気をつけるんだぞー!!」


「いつまでも待ってるからねー!!」


「おとーさーん!おかーさーん!いってきまーーす!!」



「お腹が大きくなってきたら、一旦帰ってきなさいよーー!」


「なにっ!!」

びっくりしたトーマはマリエの方を見た。

次の瞬間、

「エイルゥゥゥゥゥ!!マリナに手を出したら分かってるだろうなァァァァァァ!!」

トーマはオレに向かって怒鳴り声を上げた!


「そんな訳ないでしょうがァァァァァァァ!!」


「何言ってるの、おかーさん!!」

涙で濡れたマリナの顔が、一瞬で真っ赤になった。


――ふふっ♪






涙の別れは母の一言で、みんな笑顔となった。


トーマ以外は。





大切な娘を預かり、再び旅に出たおれ。


次はどこに行こうか。



おれとマリナとクララベル様。


きっと楽しい旅が待ってる。


そんな気がした。

14話までの各話の舞台は大体ここらへんです(AI生成地図)

挿絵(By みてみん)

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