王宮式ドッキリ
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
「世界樹の友、エイル殿」
「そなたを、ラウリエル王国親善特使に任ずる」
…………は?
ラウリエル王宮、謁見の間。
玉座にはアルヴェイン国王。その隣にはリシェリア王妃。
広間の両側には、礼装に身を包んだ王宮のお偉方がずらりと並んでいる。
そして、その中央。
なぜか国王の前に立たされているおれ。
いや、なんか仰々しいことを始めるなぁとは思ってたんやけど……
親善特使?
誰が?
…………
おれが!?
「ラウリエル王国親善特使、エイル殿!」
パチパチパチ!!
「ちょちょちょ! いやいやいや、特使ってなんですのん!?」
盛大な拍手にかき消されるおれの声。
はっ! と振り返ると、リュミエルたちまでが拍手をしている!
どういうこと!?
おれは、豆鉄砲を食った鳩のような顔をしてたんやろうな。
アルヴェイン国王がニヤリとした顔でおれに告げた。
「そなたを何の肩書きも持たせずに送り出すわけにはいかぬであろう?」ニヤリ
「なに、難しいことはない。『ちょっと通りますね』がスムーズにいくよう、それなりの肩書を与えたまでのこと。」ニヤニヤ♪
「事前に知らせておくと逃げ出しかねぬからな♪ ハッハッハ♪」
おれを地獄へ突き返してくれたことに続いて、この国王……またハメよった!
…………
いやまあ、そら何か問題が起こったときは、肩書が有る無しで変わってくるかもやけど……
「それに、わが国の『特使』でありますから、旅の資金は用意いたしましょう」
「謹んで拝命いたします」劇画調の顔で
「ではエイル殿。こちらをお受け取りください」
王宮の偉そうな人が、赤い布の敷かれた小さな盆を差し出してきた。
その上には、立派な紋章が刻まれた印章が置かれている。
「これはラウリエル王家が発行した、親善特使の印章です。各国において、エイル殿が正式な特使であることを証明するものとなります」
「……え? そんな大層なもん貰ってええんですか?」
おれは印章を受け取りながらアルヴェイン国王に確認した。
「もちろんです。わが国が正式に任命したのですからね♪」
いや……だからその任命自体、今初めて聞いたんデスケドォ!?
「あの、すみません……これどこに付けるんすか?」
お偉方の顔ぶれからして、かなり格式高い式典なんやろうけど……
国王のドッキリみたいな演出のおかげで、すっかり緊張が解けて、いつもの調子で聞いてしもうたわ。
もしかしたら……こんな場に慣れてないおれをリラックスさせるために、わざとこんなことをしてくれたんやろか?
…………
まさかな。
あの悪魔の笑顔、忘れてへんで。
「いえ、エイル殿。それは身につけるものではなく、正式な文書などに押すための印章です」
「あ、そうなんすか……」冷や汗ドバー
恥っず! 知らんがな! こんなん持たされたの生まれてこの方初めてなんやから……
こうしておれはラウリエル王国親善特使として各地を回ることとなった。
しかし目的は『黒い霧』の目指す先の特定。
余計な手間がかかるぐらいなら、特使にでもなって各地をスムーズに回れる方がええ。
おれはそう言い聞かせて自分を納得させた。
ようやく任命式が終わったと思ったら、今度は王宮の大広間で、三国の協力によって完成した礼服のお披露目パーティが始まった。
「ラウリエル王国親善特使! そして世界樹の友、エイル殿。ならびにご一行の皆様!」
大広間の扉が開かれた。
うわぁ……なんやこれ。
めっちゃ注目されとるやん……
おれは引きつった笑顔を浮かべながら、ゆっくりと会場へ足を踏み入れた。
ちなみに、食いもん目当ての人外たちまで一緒についてきている。
マリナの肩にはノルが、リュミエルの肩にはララがちょこんと座り、レイナの後ろにはヴェルディアがちゃっかりついてきている……
おれの横では、クララベル様がいつものように、おれら以外には姿が見えない状態でふわふわと浮かんでいる。
てか、人外組まで一緒に入場してきたもんやから、お偉方がギョッとして、一斉にノルたちに頭を下げやはった……
王宮のお偉方がそろって頭を下げるんやから、この国で精霊や妖精たちがどれだけ敬われているのか、改めて思い知らされたわ……
おれたちが会場の中央まで進むと、司会役らしい人が一歩前に出て、声を張り上げた。
「こちらは、エイル殿がお召しになっている、ラウリエル王宮様式の礼服でございます」
会場の目が、一斉におれへと集まる。
礼服のデザインはラウリエルの王宮様式らしいけど、この一連のドッキリも王宮式なんか? あん?
などと思ったが、おれは大人。顔には出さない。
「どうしたの、エイル? 気分でも悪い?」ボソッ
心配したレイナが声をかけてきた。おれ、また顔に出てたん!?
「生地には、レイゼル王国の特産である『レイゼルブルー』が使用されております」
「そして、施されている刺繍は、ヴァルネシア王国に伝わる伝統的な紋様でございます」
「すなわち、この礼服は三国の技術を結集して仕立てられた、特別な一着なのでございます!」
「「おおー!」」ザワザワ
「三国協力のもと……そう考えたら、おれってとんでもないものを着てるんやな……」
終わったらサッサとインベントリに仕舞っとかな……
「ほんと……二着とない特別な……もう、ほらエイル。襟元がズレてるわよ」
リュミエルがおれの襟元を直してくれている。
新婚さんの出勤風景みたいで、なんか恥ずいわ……
「……これでよし♪ 二着とない、特別な礼服なんだから、大切にしないとね」
お披露目が終わると、立食形式の食事が始まった。
「リュミエルぅ〜♪ あのケーキ食べたぁ〜い♪」にこにこ♪
「なんと! 皿が浮いてますぞ!」お目々パチクリ
「かっ、風の精霊様のしわざかなぁ〜」アセアセ
チッ! この女神、フリーダムすぎやろ!
「レイナぁ? それ、おいしそうじゃなぁい。あーん♪」
「こりゃ、マリナよ! またお主、薬指に嵌めおって!」ムキーッ!
「は〜い♪」白々しく口笛ピュー♪
こうしてお偉方への挨拶もそこそこに、おれたちエイル号の面々は、めったに食べられない豪華な料理に舌鼓を打ちながら、いつも以上に賑やかな時間を過ごしていた。
おれたちはいよいよ世界を回り、『黒い霧』が目指す方角を記録する旅に出る。
『黒い霧』の正体とは何なんやろう。
旧王都島で大量の黒い霧が押し寄せてきたとき、ノルとララは本能的な恐怖を感じて震えていた。
けど、瓶の中の少量の黒い霧には、嫌悪感こそ覚えるものの、震えるほどではないらしい。
やっぱり、量の問題なんやろうか……
考え始めたらキリがないけど、とりあえず今は目の前の豪華な食事を楽しむことにするわ♪
あの女神と三匹がやらかさんか、ヒヤヒヤしながらやけど……




