世界の傷跡
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女神クララベル様はこちらのマスコットキャラクターの見た目を使ったという設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
C-Raft能力が進化したことにより、ついに魔導エンジンを搭載した筏。
ガルドラム港で頂いた食料を山ほど積み込み、
プランターも置けるようになった筏は、いつでも新鮮な野菜が食べられるようになった。
気づけば筏が小さな家のようになっていた。
「複写だが、この地図も持って行きゃがれ」
グラン王から地図を受け取り、出航の準備は整った。
途中まではドワーフ軍艦が道案内兼護衛として付いてきてくれることになった。
「おおーーい!!あたいも途中まで乗っけてってくれーーー!」
工房のミラが、大声を上げながら走ってきた。
「え?なんでよ?」
「そりゃアンタ、初めての遠出だろ?エンジンの調子が心配じゃないか」
いや、散々試運転でぶん回したんですけど……
――察しが悪いですねぇ~♪どうでも良い理由でついてくるなんてアレしかないでしょ~?
……まさかミラ、おれのこと…
――ホント好きなんですね~、機械のことが♪
――おれのことって、なんのことですかぁ~?エイルさん♪
…ここに勘違い男を生産する悪魔がいます
救助隊長だったオルドと工房のミラが筏に乗り込み、途中まで案内やメンテナンスをしてくれることになった。
ブオオオオオオオン!!
護衛艦が出航を告げる汽笛を鳴らした。
ザッ!!!!
岸壁のドワーフたちは、一斉に胸に拳を当てた。
筏は護衛艦の後ろを追った。
「また立ち寄ってくれよォ!!」
「お世話になりましたああああああ!ありがとおおおおおお!」
「ありがとうございましたーーー!」
筏は自分たちの力で大海原へと走り出した。
港がどんどんと小さくなっていった…
おれはミラからエンジンの日常的な手入れ、
気を付けた方がいい音のサインなどの説明を聞いた。
「しっかしこのエンジン、ホント静かだねぇ」
「……いや、静かすぎるんだよ。おかしい。」
ミラがエンジンに耳を近づけ、じっと音を聞いた。
「普通、魔導エンジンが温まってきたら、ここらで音が鳴るはずなんだよ。」
「あかんの?」
「いや、鳴るはずのものが鳴らないんだよ。」
「…部品で…合わせが……なのか?」ボソボソ
どうやらミラはエンジニア魂に火がついたのか、自分の世界に入ってしまったようだ。
「ホントにミラさんて機械が好きなんですね。」
マリナがクスッと笑った。
ミラがエンジンに没頭しはじめた頃、護衛艦は沖合へと進んでいた。
「しっかしここら辺、なんもないっすね。」
おれは地図の真ん中あたりを指した。
「ああ、島一つないだろう?」
オルドは語り始めた。
「ここら一帯はぜーんぶ、大昔は陸地だぜェ」
「ええっ!?」
「いやいや……あの一面海しかないとこ!?」
おれは海の方を指した。
「あァそうだ。だから昔の町がいくつも沈んでンだァ…」
「ご先祖さまが住んでたって話を、ガキの頃に聞かされた…」
マリナは海を見つめていた…
「あそこに昔…町があったんだ…」
「オルドさん、じゃあ今はお魚たちのおうちになってるんですか?」
漁師町で育ったマリナは、自分たちが食べている魚がどこから来たのか気になったようだ。
「魚たちだけじゃねェ…バカでけえ海の魔獣だって住んでやがるンだ…」
「ヒエッ!ロマンの海が一瞬でジョーズ以上の怖い海に変わったわ」
「星堕ちの厄災でこうなっちまったンだ…」
「エルフ族の力は大きくなりすぎた…」
「あの方たちは仰った。」
『大きすぎる力は壊れたときの代償もまた大きい』
「あの方らは…今も自責の念に囚われておられる…」
オルドは悲しそうに海を見つめていた…
――ちなみにですけどぉ〜、ワタシその時見てました〜♪
マジか!さすが女神様やな!
――適性の高そうな長い子……エルフでしたね♪何人かに神託飛ばしました〜♪
――あの子たち、それはもう必死であちこち走り回ってましたよぉ〜♪
それクララベル様の毒舌に耐性が無かったから、のたうち回ってたんとちゃうやろな?
――失礼ですね〜エイルさんに言ってるのは事実だけですよぉ〜♪
その事実が毎度毎度、毒饅頭に包まれてるんですわ〜♪
「よォーし!そろそろガルドラム海域を出るぜェ!」
「あとはオメェらで頑張ってくれ!」
「おい!ミラァ!いつまでブツブツ言ってンだ!」
「そろそろ移る準備しろォ!」
ハッと我に返ったミラは立ち上がった。
「あいよ!」
ドワーフ艦から迎えの船が来た。
「オメェら!気を付けてなァ!!!!」
「今度港に寄ったら分解メンテさせてよなー!!!!」
「護衛ありがとーーー!!!!」
「ありがとうございましたー!!」
再び三人…二人と一柱?に戻った筏は随分静かになった気がする。
マリナの家は地図に記されている。いまのこの筏だったらすぐに着くだろう。
短い間だったが娘のように思えたマリナとも、いよいよお別れの時が迫っている…
マリナを送ったらどこへ向かおうか。
せっかくだしこのままぐるっと世界を一回りでもしてみようか…
マリナはそっと地図を手に取った。
そして、どこまでも続く海を見つめていた…
その瞳には、帰りたい故郷だけではなく…
まだ見ぬ世界が映っていた………




