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王都でバカンス

youtubeでゲーム実況をおこなっております!

https://www.youtube.com/@nico_channel_

エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、

女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。

挿絵(By みてみん)

AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。



 ラウリエルへ向かう途中もリュミエルは黒い霧の観察を行なっていた。



「大まかな方向は分かるけど……データを取るには精度が足りないわね」



 黒い霧は瓶の中で決まった方向に偏る。


 王泊がある方角ではあるが、羅針盤のようにはっきりと方角を指すわけではない。


 瓶の中での偏り具合から、おおよその方向を推測するだけなので、正確な方角までは割り出せない。


 そもそも正確な方角を割り出せたところで、黒い霧が目指しているのが一点なのか、それとも広い範囲なのかも分からない。



「正確でないものに意味があるのかは分からないけど……それでも何もやらなければ前には進まないわ」


 リュミエルは、まるで暗闇の中を手探りで進んでいるように感じながらも、各地点で記録を取り続けた。



 そしてエイル号は、いよいよラウリエル王宮へと到着した。





「こちらが問題の『黒い霧』です」


 リュミエルは黒い霧の入った瓶と、各地で観察した黒い霧の偏りを記した地図などを、王宮で待っていた研究班へと引き渡した。



 各地点での記録を地図上で見比べてみると、黒い霧はどうやら王泊がある方角へ向かっているように見える。



「ただ、もっと正確な方向を記録するためには、何か『羅針盤』のようなものがないと……」



 リュミエルが残念そうに伝えた。




 黒い霧については一旦研究班に預け、詳しい検証を行なってもらうことになった。


 今後については、その結果を見てから決めるらしい。



 とりあえずひと月ぐらいは検証の時間が欲しいとのことだったので、おれたちはラウリエルで結果を待つことになった。





 そしてリュミエルの引き継ぎ作業も終わったある日……


 おれはレイナとリュミエルに引っ張られ、王都のブティックなど、ショッピングモールを引きずり回されていた。



「まだ買うんっすか!? おれ、もうスッカラカンですわ……」トホホ……



 いくら自分には勿体ないぐらいのイイ女二人と一緒にいられるからといって、ヴァルネシアみたいに魔獣狩りで資金調達もできんし、ほとほと困っていた……。



「エイル。あなた、自分の口座のこと聞いてないの?」


 リュミエルが不思議そうな顔をして言った。



「なんやそれ?」


「リュミエルから聞いたけど、今までのいろーんな協力金とかが、エイルの口座にた~っくさん貯まってるんだって♪」ルン♪


 レイナが嬉しそうに教えてくれた。



「そんなん初耳なんですけど!?」



「お食事とかは『天下の王家支払証』が付いてるし、使うところがないじゃない?」



「「お金は回してこそだもんね♪」」ルン♪


 おれはリュミエルから、口座の金を使える小切手帳みたいなのを渡された。



 そこから先は、買い物をするたびに金額を書いてはサイン、金額を書いてはサイン……


 それこそ、口座の金に翼が生えて飛んでいく勢いやった。



 しかし、小切手なんか切るの生まれて初めてやわ……。





 そしてその夜。



「ずるいですぅ〜!」ポコポコ!



 エイル号甲板で開かれたBBQからの、即席ファッションショー。


 交代で次々に着替えては現れるリュミエルとレイナ。



 ララもすっかり楽しくなったようで、光の精霊にお願いして二人を色とりどりの光で照らし、闇の精霊には周囲の明かりを落としてもらっている。



「おおっ! なんか本格的になってきたやんけ!」


 即席ファッションショーのはずが、いつの間にやら妖精の演出まで付いていた。



 飛んでいった額は恐ろしいけど、いろんな服に着替える美人二人を眺めながら、「エエ買い物《もん》したわ〜♪」と和んでいたら……



 クララベル様に耳打ちされたマリナがポコポコ叩いてきた。



「わかった! わかったから! 明日な! マリナは明日買いにいこな!」



 ほんま『禍《わざわい》の女神』やで……





 次の日、マリナの服を買うためショッピングモールへ来ていたのやけど……なんでみんなついて来てるん?



 マリナの服を選んでいた店員さんが、マリナの左手を見てギョッとした顔をした。



 そして、おれとマリナの顔を交互に見比べる。



「なんじゃ?」


 ノルもマリナの手を見て……



「マリナ! また薬指に嵌めおってからに! お主はまだ童《わらし》じゃろうが!!」キーッ!



「は~い」ピュ〜♪


 ノルにそっぽを向いたマリナが、白々しく口笛を吹きながらササッと人差し指に嵌め直す。



「キーッ!」



 薬指に嵌める指輪の意味も知らず、ノルをからかっているマリナ。


 ……分かっとらんのやんな?





 また別の日。



『美しい月夜……アルディス、貴方は今何をしているの……』


『セリア!』


『アルディス!? どうしてここへ……!』


『君に会いたかった。それでは理由にならないか?』


「はぅ……」ホワホワ……


「素敵……」ホワホワ……




 今夜は王都歌劇の観覧に来てるんやけど……



『王都に来たんですから、ぜひ歌劇にいきたいですっ♪』ふんす! ふんす!


 観劇をしたことがないレイナにぜひ見せてあげたいというマリナの強い希望もあり、王都歌劇場の貴賓席《ロイヤル・ボックス》で観劇することになった。



 さらに「楽しみ方をお教えいたします♪」ふんす! と息巻くメルシアさんの強い勧めもあり、演目は男役トップスター、エリシア・フェルネール主演の舞台に決まった。


 断ったら涙目でビンタされそうな勢いやった。





『では、なぜ泣いている?』


『それは……』



『家名など、今夜だけは忘れろ』


 アルディスがセリアをグイッと抱き寄せる。



『君がセリアで、私がアルディス。それだけで……いい』


 そう囁き、頬を伝う涙をそっと拭った。




 目がハートになっているリュミエルとレイナ。ララとマリナは「わぁ〜♪」と目をキラキラさせている。



「はぅ♪  素敵ねぇ……」


「敵《かたき》の屋敷へ単身忍び込むとは……なかなか見上げた奴じゃのう……」


 ヴェルディアは素直な反応やけど、ノルだけ違う劇見てるみたいな反応やな……





『もう、家名を忘れなくてもいいのですね』


『ああ。今度は胸を張って君の名を呼べる』



『セリア……私と、生きてくれ』



 抱き合う二人――そして降りてゆく幕。



「エ゛リ゛シ゛ア゛様゛ぁ……」


 女性が皆《みな》泣く中、メルシアさんはまた一人だけ泣いてる理由が違った。





 こうして王都をゆっくりと堪能したおれたち。



 今日はどこを観光しに行こう、明日はここがいい、明後日はあそこに行ってみたいと過ごす中、王泊のリリエラさんから、おれたちの今後を決める一報が入った。

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