価値ある寄り道
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
ラウリエル領内に入って数日。
「そういや今日、マリナの誕生日やったな」
「はい♪ 十四歳になりました♪」
「……あれ? 去年はお祝いしたっけ?」
「いえ? 去年はラウリエルへ向かう船の上でしたし……」
「そうか……その頃やったんか」
そういえば、『エイル君』の誕生日とかはいつなんやろ……
十八歳ってことは覚えてるけど、誕生日とかは記憶にないわ。
もしかしてやけど……この世界って、『誕生日』やからといって、特別にお祝いする習慣はないんやろか……
もしかしておれって、『余計な出費』をしてもうたんけ!?
…………
…………
ノルがマリナにからかわれて、『ムキーッ!』ってなる姿を見れたし、まぁええか♪
「ほな次の港でなんか美味いもん食おか!」
「ほんとですか!? 嬉しい♪」
「おれの誕生日はわからんし、マリナと同じ日に十九歳になったことにしとくわ♪」
軽くサバ読んだみたいになるけど、まあええやろ(笑)
「じゃあ、これからは一緒の誕生日ってことですね♪」
リュミエルとかレイナは誕生日とかどうなんやろ?
「リュミエルって誕生日とかいつなん?」
「え? 私の誕生日……?」
「そんなのいちいち覚えてないわよ。公的な文書で必要になるから、生まれた年は覚えてるけど……」
何百年も生きる種族って、結構雑なんやね……
そらそうか。おれも五十過ぎたあたりから、「今何歳やったっけ?」って、その都度生まれ年から計算してたもんな……
「ほなレイナもそんな感じなん?」
「あたしは十九歳だよ♪」ニッコリ♪
「……え? 前に百二十歳ぐらいとか言ってなかったっけ……?」ボソリ……
「十・九・歳♪」ニコッ♪
まあ、見た目がそれぐらいやしええけどさ……なにか妙な無言の圧を感じる……
「ほなみんな同じ誕生日ってことにして、次の港で美味いもん食べよか♪」
「「「さんせー♪」」」
「ここらへんの群島には、珍しいお酒と調味料があるらしいわよ♪」
リュミエルによると、世界地図で十一時の位置にある大きな島がアルセリア島。ここでは稲作が盛んらしい。
稲作……ということは、日本酒みたいなのもあるんちゃう!?
んで、少し離れたところには、双子島のように並ぶリュネリア島とリュネール島がある。
こちらでは大豆が多く作られていて、それを使った変わった調味料があるらしい。
三つの島は互いに交易が盛んで、ラウリエルの中でも独特の食文化が発展しているそうだ。
米に大豆、それに島やから魚もある。
……なんかめっちゃ期待してまうんやけど!
おれたちはとりあえず、一番大きなアルセリア島へ寄港することにした。
「すみませーん! 港で食事したいんですけど、ここに係留しといてもいいっすかね!?」
「あー、そごさ停めでもらって構わんよ♪」
なんやろ……見た目エルフやのに、すげぇ訛っとる。
「おめんど、こごは初めでが? この地域には司寿っていう美味ぇ食い物があるはんで、ぜひ食って行ってけ」
シースー……寿司か!?
「まじっすか!? めちゃ楽しみや!」ウヒョー♪
おれのテンションが爆上がりしている姿を見て、エルフのおじさんはニコニコしていた。
おれたちはおじさんに教えてもらったシースー屋へ向かうと、そこにはいかにも寿司屋って感じの、暖簾が掛かった店があった。
「なんか……暖簾に『鮨』とか書いてあるんやけど?」
まさかと思うけど、おれ以外にも転生とか転移者がおるんやろか!?
――ワタシが昔、神託で教えました〜♪
え? まじで!? この女神様、ほんま食欲のためなら何でもするな……
「んで、神饌とかでお供えはしてもらえてるんすか?」
――年に一度は奉納してくれてますよぉ〜♪
この世界にも寿司なんてモノがあるんやったら教えてーな……
――ふふっ♪
誤魔化されたわ……
「へいらっしゃい!」
暖簾をくぐってガラガラと扉を開けると、威勢のいい声が出迎えてくれた。
何なんこの再現度!?
カウンターに案内されると店の壁にはお品書きの札がたくさん掛かっており、中には『時価』とか書いてあるものもあった。
時価とか怖すぎやろ……
念のため、一人どれぐらい掛かるのか聞いてみたが、意外と安くて驚いた。
これなら腹いっぱい食えるやんけ♪
「ウヒョー♪ ここでシースーが食べられるなんて夢にも思わんかったわ!」
おれたちはまさかの寿司を堪能した。
「タコうんま! マグロうんま!」モグモグ
「なんじゃこれは! 鼻がツーンと痛いわい!」涙目
「妖精様もお子様舌やのう♪」ニヤニヤ♪
「やかましいわ!」
「嬢ぢゃんだげでなぐ、妖精様にもサビ抜ぎ、お出すすんべか!?」ニギニギ
「童扱いするでないわ! 儂の舌は大人じゃ!」
それ以降ノルは普通に食べてたから、多分店員さんがワサビの量を少なくしてくれたんやろうな。
ちなみに妖精組にはクォーターサイズの可愛らしい寿司を出してくれているので、おれのと食べ間違うことはない。なかなかの心遣いや。
「お魚を生で食べるなんて驚きだわ……でも美味しい♪」モグモグ♪
三百年生きてるリュミエルでも、そんな習慣知らんかったんやな……
「なに、エイル。失礼なこと考えてない?」
なんでそんなに鋭いの!? おれ、顔に出てるんやろか……?(アセアセ)
「このお醤油って調味料、魚醤よりクセがなくて美味しいですぅ〜♪」足パタパタ
「こりゃマリナ! 行儀が悪いぞ!」グビリ♪
ノルは小さな盃で日本酒をグイグイ飲んでる。ええのう……
「エイル。あたしが操縦してあげるから、お酒飲んでいいよ♪」ニコニコ♪
おれはレイナが天使に見えた。
「おっ!? お嬢さんも飲むんだったら、一晩係留すて行ぎな?」
「いえ、あたしは……」(アセアセ)
ああ……酔うと『ノル様〜』とかの状態になるもんな。自制してんのか、なるほど。
おれたち……特におれは久しぶりの日本食を堪能し、そのまま一晩係留させてもらった。
次の日おれは、港の商店街で日本酒と醤油、米をこれでもかと買い込んだ。
リュミエルとレイナは「それほどなの!?」と驚いていた。おれにしかこの価値は分からんやろうなぁ……
しかし酒も醤油も、いざ自分で作るとなったらかなり手間がかかる。
それをこうして金を払うだけで手に入れられるんやから、私欲で神託したクララベル様には感謝やで。
おれたちはこの『価値ある寄り道』を経て、再びラウリエルへ出発した。




