向かう先
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
旧王都島での調査中、再び巨大魔獣と遭遇するも、バルガス船の弩弓で撃退することができた。
風に逆らって向かって来た黒い霧は、リリエラさんの機転で採取することができた。
それでわかったのが『黒い霧は王泊方面を目指している』ということ。
おれたちは王泊に『なにか』があるのではという不安を抱えながら王泊へ帰港した。
王泊に戻ると、研究船の甲板で地図を広げたリリエラさんが首を傾げていた。
「おかしいわね……まだ西の方角に向かっているようだわ……」首傾げタプン♪
ヴァルネシア領内では羅針盤が使えないため、地図と島の位置から方角の見当をつけている。
地図の横には、旧王都島で採取した黒い霧の容器が二つ置かれていた。
リリエラさんは黒い霧が通り過ぎる間も採取を続けていたらしく、最初に採取したものとは別に、もう一つ少量ながらサンプルの確保に成功していた。
そのどちらも――黒い霧は同じ方角へ偏っている。
しかもその方向は王泊ではなく、さらに西を指していた。
「王泊より西といえば、『蒼環海』が広がっている海域ですな」
バルガスさんは黒い霧が指す方角を、王泊から蒼環海へ向けて地図の上をなぞるように指を滑らせていった。
「ここが王泊。黒い霧が指す方向はこちらの方面です」
バルガスさんが続ける。
「ただ、蒼環海に入ると島がありません。補給船で物資を受け渡しするとしても、距離には限界があります」
「あそこは我々も立ち入ることがない『禁足の海域』」
「周りに目印がないので、正確な方角が分からない。遭難する可能性も高い。まずはほかの手を考えたほうが良いでしょう」
黒い霧は王泊を目指していたわけではなかった。しかし、『通り道』ではある。
旧王都島近海ほどではないかもしれないが、巨大魔獣が王泊の地を踏み荒らす可能性があるという不安は残った。
「ラウリエル王宮へ判断を仰いだところ、採取したサンプルを一つ持ち帰れないか、とのことでした」腕組みポヨン♪
なるほど。
一つを王泊に残しておけば、こちらでも引き続き観察できる。
もう一つをラウリエルへ持ち帰れば、向こうでも黒い霧がどちらへ向かうのか確認できるというわけか。
「それとリュミエル。サンプルの輸送と経過観察もあるから、あなたにラウリエルまで持ち帰ってもらいたいの」
「分かったわ。任せてちょうだい」
「ほな決まりやな。おれがリュミエルごとラウリエルまで送るわ」
こうしておれたちは、黒い霧のサンプルをラウリエルへ持ち帰ることになった。
今回のラウリエルへの旅路は急ぎのため、小型研究船を連結してでは足が遅くなる。なので本隊へ預けることとなった。
その代わり、リュミエルの部屋の隣、二階前面のバルコニー部分を改装して小部屋を作り、研究船から通信機器だけを運び込んだ。
小部屋の屋上には小型の魔核発電機とアンテナも設置。
これで航海中、いつでもラウリエル王宮や調査団本隊と連絡を取ることができるようになった。
「またマリナには長いこと学校休ませることになるな。ごめんな……」
おれだけの都合ってわけではないけど……大人の都合で振り回しているマリナには、やっぱり申し訳なく思う。
「大丈夫。友達と会うのも楽しいけど、エイルさんたちと旅をする方がもっと楽しいですから♪」ニコッ♪
マリナはおれに微笑みながらそう言ってくれた。
村を出てから、マリナもいろんなことを経験した。
こうして見ると、出会った頃より少し大人びて見える。
「……ん? マリナ、ちょっと背ぇ伸びとらんけ?」
「そうですか? 自分ではあんまり分からないですけど……そういえば、もうすぐ誕生日が来るんです♪」
「まじか!? ほな、なんかプレゼント用意せなあかんな♪」
「ほんとですか!? 嬉しい♪」
ラウリエルへ向け出発してしまうと、マリナの誕生日は洋上で迎えてしまう。少し早いけど、誕生日プレゼントだけは出発前に渡すことにした。
おれたちは出発前に杭上商店街のアクセサリー屋へ向かい、マリナへのプレゼントを選ぶことになったんやけど……
「お主はまだ童じゃろうが!? まだ早いわ!」
ノルに叱られたのも、マリナがレイナとリュミエルの指輪をジッ……と見つめ、おれに「私も指輪が欲しい!」と言い出したからなんやけどな。
「えぇ~! 私も欲しいぃ〜!」ジタバタ
「ならんわい!」ビシッ!
「欲しいぃ〜!」ジタバタ
「ならんと言うておろうが」トホホ……
「ほ! し! いいい〜!!」バタバタ!
ノルに対してめっちゃ駄々をこねるマリナ。
そこらへんはまだまだ子供やな……微笑ましいわ♪
結局ノルが根負けして、誕生日プレゼントには普通の飾り指輪をひとつ買うことで決着した。
リュミエルとレイナも一緒に払ってくれようとしたが、マリナがひと言。
「エイルさん。こういう時に女の人に払わせるのは、男の人としてどうかと思いますっ♪」ふんす!
「……誰にそんなこと教わったん?」汗タラリ
「内緒ですっ♪」ふんすふんす!
これにはリュミエルとレイナも苦笑いしていた。
おれの財布がまた軽くなった……
こうしておれたちはラウリエルへ向け出発した。
王泊から離れるにつれ、黒い霧はどのように変化するのか記録しておいて欲しいとリリエラさんに頼まれた。
黒い霧が目指す方向は、王泊から離れるにつれ南の方へ向いていき、ヴァルネシア最西端の火山に着いた頃には、黒い霧は完全に南の方角に偏っていた。
「ただ……ヴァルネシアでは羅針盤が使い物にならないから、参考程度にしかならないわね……」
リュミエルはそう言いながら、周囲の島々と地図を見比べていた。
正確な方角までは分からないものの、黒い霧が指す先は、どうやら王泊よりさらに沖合――蒼環海のどこかにあるようだった。
そしてひと月近くかけてヴァルネシア領を抜け、やっと羅針盤が使えるところまで出てきた。
「こりゃ、マリナ! 薬指には嵌めるなと何度も言っておろうが!」ムキーッ!
「は〜い♪」白々しく口笛ピュ〜♪
そう言うとマリナはシュッと人差し指に付け替えた。何度このやりとりを見たことか。
前回のラウリエルへの旅では、散々おれをからかってきたノル。
それが今度はマリナにやられている。
おれはその様子をニヤニヤと眺めていた。
黒い霧が一体なにを目指しているのか。
その正体も目的も分からない不安を抱えながら、それでもエイル号ではいつも通りの日常が流れていた。
おれたちは黒い霧の入った容器を載せ、ラウリエルへと向かっていった。




