郷愁
youtubeでゲーム実況をおこなっております!
https://www.youtube.com/@nico_channel_
エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
リュミエルたち研究班の報告会も無事終わり、王宮の大広間ではテーブルが並べられ、懇親会が開かれていた。
ワイワイガヤガヤ……
「しかし……我々の故郷である旧王都島でそんなものが……」ウーム……
「あの島へ帰ることができるのは……一体いつになるやら」ハァ……
王宮の方々……いや、王泊の人々にとって、ご先祖が暮らしていた旧王都島へいつの日か帰ることは悲願である。
それがまだまだ目処が立たないことに、王泊のお偉方は沈痛な表情を浮かべていた。
「まだ立ち入りすら制限されとるんやもんな……帰れる目処なんて、そら立たんか」
「その……レイナ。気を落とさないでね……」
「うん……あたしたちはもう、ほとんどがここで生まれた世代だから大丈夫だよ。ありがと、リュミエル」
ダークエルフの寿命は五百年ほど。『ほとんどが』ってことは、王泊へ避難してきたんは、もう何百年も前なんやろか……
「王も開宴の挨拶でおっしゃってたではないですか」
「『我らの代で叶わずとも、いつの日か後の世代があの大地へ帰る。その日を信じて』――と」
「そうですな……我らの代では叶わずとも、いつかは」ウンウン
「いつか帰る、その日まで!」ウンウン
この人らはほんま強いな。もう明日を見始めてる。
『砂上の楼閣』なんて悪い意味の言葉があるけど……
この人らは砂よりも、もっとあやふやな……形すら留めない波の上に、国を築いて生きている。
楼閣なんて大層なもんかは知らんけど、
『砂よりも脆い? 壊れたら建て直せばいいじゃねえか』
この人らからは、そんな気概を感じる。
さしずめ『波上の楼閣』ってところか。
よい意味でな? この人らはタフな心を持ってはるわ。なんかおれまで元気もろた気がする。
少し沈み気味だった気持ちも晴れ、ようやく周りを見る余裕が出てきた。
懇親会もすっかり宴たけなわ。あちこちに話をするグループができている。
リュミエルもヴァルネシアのお偉方に囲まれとるわ。
ちょっと照れたように笑いながら、両手を振って何やら謙遜している様子やな。
口の動きだけ見てると、『いえいえ、そんな、私なんて』とでも言っとるんかな?
食事は各テーブルにも運ばれてくるが、気になる料理があれば自分で取りに行く『ハーフビュッフェ』のような形式になっている。
――あのローストビーフみたいなのが気になりますぅ〜♪
おれは酒と料理を取りに、ひたすらウロウロとしている。クララベル様が横からバクバク食いよるからや。
何度も往復しているうち、研究報告会で喋っていた巨乳研究者の人と目が合った。
巨乳さんは会話していたグループに丁寧に礼を言うと、こちらの方へ歩いてきた。モデルみたいな歩き方しやはるんやな。
「こんばんは……私、調査団の責任者を務めておりますリリエラと申します♪」プルン♪
「あああ、おれはエイルといいます。リュミエルの関係で参加させてもらいました」
アカンアカン! 後ろではレイナも見てるし、リュミエルは絶ッ対! 視界に入れてるはずや!
まっすぐ目だけ! まっすぐ目だけ!
「随分、お熱い眼差しでご覧になられていましたね♪」ニコッ♪ プルン♪
おおお、お熱い眼差しってなんやねん! 胸も脚もケツもそんな見てなかったやろ!? 言いがかり……ではないかも知れんケドォ!
「き、興味がないわけではないですが……(目の前ではリュミエルに睨まれてたし、事情が)少し複雑でしたので」
「まあ、(魔素に興味があるのなら)優しく手解きいたしましょうか?」首かしげユサッ♪
手解きいいいい!?!? こんな公然の場でなにお!? はいおねがいします!……じゃないやろ!
「大変興味がそそられますが、今は(リュミエルとレイナの『鍛錬』で)手一杯でして……」
「あらあら……フラれてしまいましたわ」片腕組み顎手添えギュウウ……バイン♪
組んだ腕の中で暴れ回っていらっしゃるムホホ♪ ちゃうちゃう! 見たらア・カ・ン!
「ななな、何らかの形で(『鍛錬』を)お願いできればと!」
「まぁ……こちらこそ、ぜひとも(魔素勉強会への参加を)お願い致しますわ♪」ニコッ♪ 手握りプルン♪
リリエラさんは笑顔でおれの手を取り、何とは言わんけど約束を交わした。
「それに……(以前、巨大魔獣を倒した)エイルさんのカラダにも興味がございまして……」握ったまま胸の前で手を組みムニュニュ♪
アカン、鼻血出そうや……
「カカカ、カラダ!?」
「ええ、巨大魔獣を倒されたとかで……」
「え……ああ、そうですね」
あれは、ヴェルディアボウの性能のおかげやしなぁ……
「ちょっと失礼……」サワサワ……ムニュッ♪
リリエラさん、おれの腕とか胸とかサワサワしてきてんのやけど!? 当たってる当たってる! 押し付けて来よったで♪ ホワホワ……
あ……なんやろ? 脳裏に、見たこともない穏やかな故郷と、まったく知らん優しい母の姿が浮かんできたわ……
まだ小さなおれを、見たこともない母が「お帰り」と優しく抱きしめてくれる。
懐かしくも、まったく知らん思い出……
「筋力……は普通ですわね……」サワ……ポヨヨン♪
はっ! 幻を見てたわ!
「ああ……あれはね、精霊様からいただいた装備のお陰ですわ……」
「まあ、精霊様からいただいた装備?」手で口押さえプルン♪
「ということは……身体能力そのものではなく、装備による強化……」ブツブツ、ウンウン、プルン、プルン♪
今度はしゃがみ込んで、太ももとかふくらはぎの筋肉量まで触診されてるんやけど!? ハズカシイッ!
「はっ。私ったら……気になることがあるとつい……」
「ではまた後日、じっくりと(身体能力検査に)お付き合いくださいませ……♪」クルッ、バイイイイン!
リリエラさんはクルッと踵を返すと、勢い余ってバイイン! と揺らしながら去っていった。
あー、びっくりした……
しかし公然の場や。おれはできるだけまじめな顔と振る舞いをしていたと思う。うん、大丈夫や。
せやのに、なんで振り返ったらリュミエルとレイナが睨んでるん!?
おれなんも悪ないやろ!?
いや、多少なりとも下心はあったかも知れんけど……
――ローストビーフみたいなのぉ〜、まだですかぁ〜?
二人に耳を引っ張られ、そのままエイル号まで連れ出されたおれ。正座させられ、懇々《こんこん》と説教された。
しかしあの研究者さんはリリエラさんっていうんか……
邪悪な魔素ってのも気になるし、また機会があれば詳しく……ちゃうちゃう! 今はそんなことを考えたらアカン時や。
おれはできるだけ神妙な面持ちで、この嵐が過ぎ去るのをじっ……と耐えていた。




