見えないモノと見てしまうモノ
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
『沈みし世界アルシア』
この世界には『魔素』というやつがある。
身体の中に魔素が入り込んでも、健康な人やったら自然に排出されるらしい。
ただ……なんかの持病があって、『抵抗力』が普通の人より低い人は、まれに魔素病を発病するらしい。
レイゼルでもそうやったけど、『巨大魔獣』がなんらかの形で関係してるんとちゃうか? と考えられている。
報告会を翌日に控えた夜……
「レイゼルの国王陛下は、魔核の破片が身体に残っとったから、いきなり重症化したらしいで?」
「そうだったんだ……でも、こんなこと言っちゃいけないけど……そのお陰でエイルと出会うきっかけになったんだね……」ポッ♪
たしかに。人生どこでどう転んで出会いが生まれるか分からんもんやなぁ……
んで、レイゼルでは『巨大魔獣』が出現した後に、魔素病の患者が発生した。
国王陛下以外は初期症状やったから『命脈錠』で治療ができたけど、国王陛下だけは重症化してもうた。
せやからラウリエルまで『星露錠』を分けてもらいに行ったんや。
しかし今回の『新型魔素病』は、初期症状やのに命脈錠では完治せん。一旦症状は治まるけど、再び再発する。
「海水や大気のサンプルを調べてわかったのだけど……ここヴァルネシア……いえ、王泊では『A型』が少し検出されたの」
「せやけど、旧王都島での患者さん以外に、魔素病なんて発生してないやろ?」
「そうなの。普通に排出されているようね」
「患者様以外の健康な人から検体を取ったけど、ちゃんと排出されていたわ」
なら、なんで一度治まった患者さんだけが再発するんや……?
その答えは、翌日の報告会で明らかになった。
◇ ◇ ◇
王宮の大広間。
正面に置かれた長机には、リュミエルをはじめとするラウリエル調査団の研究者たちが並んでいる。
その向かいには、ヴァルネシアの王族や治療院の関係者、調査隊の面々がずらりと席を並べていた。
「きっかけは、ちょっとしたミスでした」
研究班の、あの『白衣にタイトスカート姿の巨乳美人』研究者さんが、集まった人々を前にそう切り出した。
あの人、調査団の団長やったんけ?
ムッチムチの身体にタイトスカートと黒パンスト。エッッッ……
アカンアカン! リュミエルがこっち見てる! 危ない危ない……
「命脈錠の成分で魔素を除去し、B型魔素のみ残っていた血液サンプル。ある日、密封をし忘れてしばらく放置してしまいました」
「ほんの数時間のことでしたが、雑菌が増えてしまってないか確認すると……B型のほかに、再びA型が増えていました」
『B型はA型を引き寄せている可能性』
「そんな仮説が浮かびました」
『では、もし密封せず放置し続けると、一体どこまで増えるのか』
「そういう疑問も生まれました。結論から言うと、一定量以上は増えませんでした」
「複数の検体を、厳密な監視体制のもとで密封せず放置しました。早いものでは一時間ほどでA型の増加が止まりましたが、中には三日ほど増え続けるものもありました」
「しかし興味深いことに、増加が止まった時点でのA型とB型の割合には、大きな違いがありませんでした」
「このことから、B型が引き寄せるA型の量は、B型の量に応じてある程度決まっているのではないかと考えています」
「ではB型魔素とは?」
「これはもうすでに皆さんお知りのように、B型が原因となる『新型魔素病』に罹患した方々は、旧王都島で『邪悪な魔素』を浴びてしまった方々です」
「つまり、『B型』の正体は『邪悪な魔素』であると考えて、ほぼ間違いないかと」腕組みムチッ♪
「ヴァルネシア各地の大気と海水サンプル。そして一部の地域では、砂や土などの大地のサンプルも採取し調べました」
巨乳美人さんは、うしろに貼られたヴァルネシアの地図を、指し棒で順に示していった。
白衣着てるしそういう仕草が似合うねえ……
「A型に関しては各地で多少検出。旧王都島近海では、魔素病を発症するほどではないにしろ、他より多く検出されました」プルン♪
「そしてB型。各地では検出されませんでしたが、旧王都島近海ではごく微量検出されました」プルン♪
「これにより考えられるのは……」メガネクイッ!
「旧王都島の火山には……『なにか』が、ある!」バン!
巨乳美人の研究者さんが、うしろの地図をバン! と叩いた瞬間、ブルン♪ と揺れたのなんか見てないで? 見てないからリュミエルさん睨まんといて? ヒェー……
ザワザワ……
旧王都島の火山には、なにかよからぬモノがある。
会場に集まった人々は、重い空気に包まれていた。
「火山研究の専門家セレナさんも言ってたもんな」
「『火山あるいはその地下に何らかの原因がある可能性が高い』って言われてたし、やはりなにかあるみたいだね……」
おれはレイナと会話をしていた。できるだけまじめな顔をして。
せやのになんでリュミエルさんから圧を感じるんやろ……怖いんですけど。
報告会は終了し、研究班の人たちは退出していった。
リュミエルさんは、ジッ……とおれの方を見ながら退出していった……
続いて、おれたちも会場から順に退出していった。出口にリュミエルさんは……居らんな。良かった……
おれはホッとしながら外に出ると……
「エ・イ・ル♪ ちょっと良いかしら♪」
後ろから声をかけられ、ビクリと立ち止まるおれ。
まるで油の切れたブリキ人形のようにギギギと振り返ると、扉の後ろで待っていたリュミエルは満面の笑顔でツカツカと近づいてきた。
そしておれはまた、片耳だけエルフになるんちゃうかってぐらい耳を引っ張られながら連行された。
「イテテテ、見てないって! リュミエルもおれのこと見てたやろ?」
「知らないっ!」
「横にいたあたしも、鼻の下伸びてるの分かったよ……」
うせやん!? そんな顔に出るタイプなんけ、おれって!?
リュミエルとレイナは顔を見合わせ、ペロッと舌を出しながらいたずらっぽく微笑み合った。
しかし……B型魔素は旧王都島付近でしか検出されなかったという事実。
あの島の火山には、一体なにが起こっているのだろうか……
目には見えない『なにか』が、あの火山にはある。
見えないモノほど、不気味なものはない。
……まあ、見えてしまったせいで酷い目に遭うモノも、世の中にはあるんやけどな。




