ヴァルネシアの三景
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
それはラウリエル調査団本隊が到着した日のこと。
調査団団長から親書を受け取ったガルディアス国王は、執務室でその内容を確認していた。
「ふむふむ……」
親書には、調査への協力要請や治療研究の成果共有、必要経費についての取り決めなどが記されていた。
「ふむふむ……ん?」
そして最後の一文に目を通したガルディアス国王は――ニヤリ♪ と口角を上げた。
「フッ……なかなか粋なお誘いだ」
ガルディアス国王はさっそく、親書に記されていた『提案』を実現するための手配を始めた。
調査団本隊が到着し、リュミエルはバルガスさんや患者たちからの聞き取り報告書、現地を自分の目で確認した際の所見や、調査にあたっての助言などを記した資料と、採取したサンプルを引き渡した。
「どうですか? お身体の具合は」
「おかげさまで、あれからなんともございません」
「リュミエル先生……本当にありがとうございました」
医師の資格も持つリュミエルは、本隊への引き継ぎを進めながらも、治療院で患者の経過観察、研究船で検体の検査や星露錠の調薬など、相変わらず忙しくしていた。
おれの方はレイナと魔獣狩り、ついでに食料となる獲物の狩りをする毎日だった。
『エイルぅ、レイナぁ。少ぉし遠いけどぉ、魔獣の群れが二つほどいるわよぉ♪』
島に着くなりヴェルディアが伝えてきた。
「二つ……エイル。少し試したいから、あたしに任せてほしいの……」上目遣い
「ええけど、危なそうなら手を出すで?」デレッ♪
「ありがと♪」
そう言うとレイナは、高い木に向かって蔓を射出した。
蔓が勢いよく巻き取られ、レイナの身体が一気に上へ。
その勢いが失われないうちに、さらに高い枝へ向かって次の蔓を射出する。
そうして周りで一番高い木まで登ると、今度は空中でカイトを展開。すぐさま上昇気流を使い、さらに高度を上げていった。
十分な高さまで上がったところでハーネスを展開して身体をカイトに固定し、遠くの群れへ向かって滑空していく。
おれもレイナの見様見真似で必死に付いていくが、木登りの時点でどんどん引き離されていく。
おれも遅れて滑空していくと、すでに一つ目の群れへ到着したレイナが攻撃を始めていた。
めちゃ速い動作で八連射を行う。
(傍から見たらこんなふうに見えるんや……)
などと感心していたら、レイナはそのまま自由落下。
「レイナ! カイト出えへんのか!?」
焦って叫ぶと、レイナは何事もなかったようにカイトを展開。
かと思えば、また収納して自由落下――再びカイトを展開して、何事もなかったかのように着地した。
いやいやいや……
某ゲームでも早く下降するためにやってたけど、実際に目の前でやられるとヒヤヒヤするな……
おれが到着する頃には、レイナは最後の魔核を袋に仕舞っていた。
「エイル! 次行ってくるね♪」
レイナはそう告げると、また目にも留まらぬ素早さで次の群れへと向かっていった。
『ええけど、危なそうなら手を出すで?』
出す暇ないんですけど……
まじおれいらない子?
などと打ちひしがれながら付いていくと、二つ目の群れもすでに殲滅され、レイナは木陰で一休みしていた。
「ヴェルディア様の装備を使ったら、どれぐらいの速さで狩れるのか、一度試してみたかったんだ……」
「……エイルの子を授かる前に、一度は知っておきたくて……」テレテレ♪
レイナは頬を赤らめながら自分のお腹へ視線を落とし、そっ……と手を添えた。
こんなん絶ッ対! ハッスルしてまうやろ!
「でも、こんなに早く狩り尽くしちゃうんだったら……ほかの猟師さんから反感を買っちゃいそうだし、今回だけね?」ニコッ♪
さっきまで感じていた無力感なぞどこへやら。おれは今宵、狼の遠吠えが王泊に響き渡ることを確信した。
いや、確信せんでも毎晩響き渡らせてるけどさ……
……いや、待てよ?
「でもよくよく考えたら、レイナたちはドレス作ったやん? 妊娠したら絶対着れんようになるし、そこらは考えなアカンな……」
せっかく作ってもらったのに、一度も袖通さず着れんようになるとか、さすがに悲しすぎるやろ……
「ううん……早くエイルの赤ちゃんがほしい……」ポッ♪
手を添えたお腹を見つめ、頬を赤らめるレイナ。全力で我慢してるのに、全力で崩しに来てるんやけど!?
「ちゃうねん! お・れ・が、レイナのドレス姿を見たいねん!」
「…………わかった♪」
頬を赤らめ、はにかむレイナ。
『あらあらぁ、お熱いことねぇ♪』
『どうかしらぁ、リュミエルぅ?』
「「!!!!!」」ドキィィッ!
せやった! 『世界樹の鉢植え』を通して筒抜けやんけ!
…………
「リュミエルは仕事で出かけてるしおらんやんけ! なに一杯食わしとんねんこの盆栽!」
『だぁれが盆栽なのかしらあ!?』キーッ!
そんなおれたちのやりとりを見て、クスクスと笑っているレイナ。
調査団本隊が到着してからも、おれたち狩猟組はのんびりした日々を過ごしていた。
「いいにおいだねぇ〜♪」ふわふわ
「おっ! ララ様にノル様! おひとつどうですかい? ウチのホタテの磯焼き!」
「切り分けますから食べてってくだせえ♪」
「おい店主よ……あまりララを甘やかせてはいかんぞ……」
「ささ、ノル様も! 熱いから気をつけてくだせえよ♪」
杭上商店街をウロウロしていたララとノル。
ララは見た目の愛らしさから、毎日どこかの店に声をかけられては、店先で商品をごちそうになっている。
店先の長椅子で美味しそうに頬張るララ。愛らしい妖精が看板代わりになるのか、お陰でその日の売り上げは結構上がるらしい。『ウィンウィン』というやつである。
店の人たちは、可愛らしい妖精二人が美味しそうに食べている姿を、ほっこりとした表情で眺めている。
どうやら売り上げよりも、そちらの方が目的らしい。
(しかしララの奴、長耳の国でもこんな感じで上手いことやっておったのか? 世渡りが上手いのう……)モグモグ
『今日は治療院』『昨日は研究室』『明日は調薬室』と、毎日忙しくしているリュミエル。
レイナとエイルは、のんびりとイチャイチャ楽しく狩猟の毎日。
そして毎日杭上商店街をうろつき、どこかの店のごちそうにありついている妖精組。
妖精にとっては剣のように大きな爪楊枝を使い、小さく切り分けられたホタテを頬張るノル。
ノルはモグモグしながら、この『ヴァルネシアの三景』を意味もなく思い浮かべていた。
酒と一緒に食いたいわい……と。




