3-10 進化の恩恵
色々と試した結果、朧桜-白麗-の性能と混神の盃のレベルアップによる強化は素晴らしいの一言だった!!
何がって?
まずはその切れ味である!!
ギリタブリルにウガルルムは言わずもがな。
以前はあんなに苦労した大型眷属であるウシュムガルの硬い外骨格でさえ容易に切り裂くのだ。
SAHの設定上で分かってはいたが、やはり存在進化による強化は凄まじい。
いやー、あの瞬間は本当に気持ちよかったね!!
スッて入って、パッって感じ!
え、分かりにくい?
そうだな~、ワゴンセールの中からエロゲをランダムで手に取ったら大当たりだった時みたいな?
いや、やっぱ違う。伏せていた罠カードが綺麗にはまった時みたいな爽快感の方?
いや、これも違う。そうだ、魚肉ソーセージのビニールが一発できれいに縦に裂けた時が一番近いな、うん!!
その爽快感に、俺は何度も敵に突っ込み、最終的には小型の眷属達なんか俺の姿を確認するだけで脱兎の様に逃げてしまうようになったのだった。
くそぅ、もっと試し切り、試し切りがしたいぃいいいいいい!!
肉を、肉を切らせロ~~~~!!
‥‥‥はっ、しまった。
前世でエロゲ5徹した後に戦場をさ迷っていた頃の剣鬼モードに入ってしまっていたではないか。反省、反省、じゅるり。
さて、では落ち着いたところで、もう一つの要素に関しても語ってみよう。
それはSAHでは無かった混神レベルについてだ。
どうも前回の邪神教団の拠点での諸々で俺の混神レベルは2になっていたようで、そこで邪気耐性アップと邪気吸収-萌芽-を獲得していたのだ。
そしてこれがまた有用でねぇ。
あ、ダメだニヤニヤが止まらない。
まあ説明すると、これはスキルというよりも特性だった様で、オンオフを意識すればオートで発現してくれた。
え?なんでレベル2で特性が発現したのかって?
そうだね、SAHでは通常、神気レベル4から特性が現れてくるんだったよね。
でもね、俺の場合は何故か混神レベル2から発動してしまったんだよ。
理由は‥‥‥分からん!!
だってSAHになかった仕様だもの!!
これも全部邪神ちゃんのせいだ!!
よしQOL終了!!
違った、QED終了だった!!QOLを高めてどうするんじゃい!
ただ、まあ何にせよこれらの特性の影響もかなり大きかったのは事実だ。
邪気耐性は邪気に対する抵抗力アップ、邪気吸収は相手の邪気を吸収する効果なので、読んで字のごとくだったのだが、眷属との戦いではめちゃくちゃ役にたった!!
これらにより敵の邪気による攻撃や防御の効果が著しく低下したのだ。
しかも、スキル邪気操作により取り込んだ邪気を俺の意志で操ることも出来るっておまけつき。
邪気を朧桜に纏わせての攻撃もしてみたんだが、思わず中二病が再発しそうになってしまったよ。
フハハハハハハ!
荒れ狂う闇のオーラ!
疼く右腕!!
「封印されていた右手が目覚めてしまう!!ダメだ、抑えきれない!!逃げろお前達!!」
そう言いながら邪気の斬撃飛ばすのはめちゃくちゃ楽しかったよ!!
エキストラのギリタブリルさん達もいい感じに吹っ飛んでくれたしね。
あれは助演男優賞をとれるレベルだった!!
こちらはスキルなので誓句が必要だったのだが、このスキル発動時の誓句に関してはまだ誰にも言っていない。
何故かって?
こういうのはヒロインを救う時にびしっと決めるからカッコいいだ!
今はまだその時ではないのだよ、ふふふ!
まあ、レベルが低いからか吸収できる邪気の量も操作できる邪気の量もまだまだ少なかったけど、それでもかなり使えるスキルだ!
しかも、スキル欄を見る限り神気でも同様のことが出来るようだし。
「これは夢が広がるな!」
そんなこんなで、俺はテンション高く毎日荒野をお散歩していたのである。
いや~実に充実した放課後だった!!
放課後が楽しみすぎてニヤニヤしてたらクラスの女子に気持ち悪がられるなんてシーンもあったが、今の俺は気にしない。
そう、気にしてないんだからな!!
ちなみに今回の俺、実は他にも目的があって荒野に出ていた。
それはアイテム集めである。
どういうことかと言うと、SAHの知識をフル活用して第二都市周辺に設置してあるアイテムたちを片っ端から回収しまくっていたのだ。
何故かって?
そりゃ、邪神教団の動きが活発になってきている以上、都市襲撃やあるいはそれに類する事件が起こる可能性があるだろう?
備えあれば患いなし!!
そのための準備はやっておいて損はない!
まあ、おかげさまで俺の自室のベッドの下は秘密のアイテムで一杯だけどな。
神水だけでも、神水・大吟醸でしょ、神水・裏、それに神水・超裏とか神水・影伝説なんかもゲットした。効果はいろいろだが、喉越しは影伝説が一番うまい!!
あとは、聖女の首飾りに、剣聖の腕輪、メイド(が主人につけるため)の首輪といったステータスアップ機能がある装備品や、芸ボルグとかXカリバーとかいった伝説の武器まで、時間の許す限り集めまくった。
ちなみに、アイテムたちをしまう時にベッドの下を覗き込んだら、メイド物のエロゲやフィギアで溢れかえっていたよ。
しかも、それらをどかしたら白亜のお部屋への直通通路。
まあ、犯人に関しては言わずもがなであろう。
まったく白亜、恐ろしい子!!
とまあそんなこともありつつ、とある日の朝、
「今日は買い物に付き合って頂けないでしょうか?」
俺は白亜に買い物に誘われた。
それは朧桜の存在進化をした週の最初の土曜日。
今日も元気に眷属狩り、と張り切っていた俺に白亜が声をかけてきたのだ。
建前としては日用品の買い出し。
本音としては邪神教団拠点の殲滅戦や先日の朧桜の存在進化に付き合ったご褒美として、だそうだ。
まあ、俺の方としても荒野実習の準備をしておきたかったし、ちょうどいいタイミングではあった。
日帰り実習とは言え荒野は荒野。
必要な準備物は多くはないが、通常の『神水』に携帯食料、それに非常時の信号灯や予備の装備など、最低限のものはそろえておいた方がいいだろう。
ちなみに、せっかくの荒野実習なので
「はい、ジャンヌ先生!! エロゲはお菓子に入りますか?」
って聞いたらジャンヌ先生が死んだ目をして睨んできた。解せぬ。
青空の下、食後にプレイするエロゲほど開放感あふれるものは無いというのに。
まあ、そんなこともありつつ、俺は白亜とお出かけをすることになったのだ。
そうして現在、商店街。
俺と白亜が連れ立って歩いていると、実に予想外なことがあった。
それは、
「お、白亜ちゃん、今日は彼氏さんとデートかい?」
とか
「いい野菜が入ったから白亜ちゃんもお兄さんも寄ってかないかい?」
とか
「あ、白亜お姉ちゃんだ、こんにちは~」
なんて声がいたる所からかかるのだ。
そしてそれに丁寧に答える隣の白亜。
白亜って、超が付くほどの美少女だから遠巻きに眺められるだけかと思ったら、どうも商店街の皆様には大人気だったんだよな。
これは新たな発見。
確かに、スイッチが入っていない時の白亜は比較的まともだし、話しかければ笑顔も向けてくれるのだから、それで人気が出ないほうがおかしいというものなのだろう。
ただし、スイッチが入った時の白亜は狂が付くような美少女になるけどね。
そうして白亜の新たな一面を発見しつつ、俺と白亜は商店街を散策し終え一通りの準備物やら夕飯の食材やらを買い込んだ。
「さて、あとは教会に行って『神水』を補給すれば大体終わりかな」
俺がそんなことを呟けば、
「であれば、少し休みませんか?」
白亜が少し先に見える公園に視線をやりつつ、俺の手とってきたではないか。
『うぉ~~いい!?!?』
思わず繋がれた手の柔らかさにドキリとする。
それはとても自然な動作で、でも白亜の新たな一面を知れた俺は、なんとなくそれが嫌では無くて‥‥‥
そうして俺達は休憩を取るため商店街のはずれにある公園のベンチで休むことにした。
途中、キッチンカーで購入したクレープを持ちながら、俺達はベンチに座り周りを見やる。
温かな日差し。
その中で、手を繋いで歩く親子。
急ぎ足で駆けていくサラリーマンやキッチンカーの前で楽しそうに笑っている学園生たちも居る。
そんな、何気ない、けれどとても穏やかな日常の景色が俺の目に入る。
「平和ですね」
「そうだな」
白亜もその光景を眩しそうに眺めている。
それはとても慈愛に満ちた表情だ。
その表情にしばし見とれていた俺は、ふと、未だに手が重ねられていることに気付いた。
それに少し気恥ずかしさを覚えて、俺は繋いでいた手を放そうとする。
けれどその途端、俺の手がギュッと強く握られる。
「もう少し。ご主人様、もう少しだけ手を繋いでいてください」
白亜は前を向きながら、その手にしっかりと力を込めて来る。
それは願い、それは祈り。
白亜の手からは切望とも呼べるような、そんな思いが感じられて‥‥‥
俺は、手を離すことを止めた。
そうして俺もしばし前を向き、時折クレープを口に運んだ。
新緑を照らす日の光。梢がさらさらと音を立て、穏やかな風が頬をかすめていく。
そうしてどれぐらいの時間が経っただろうか。
「ねぇ、ご主人様。
ご主人様は今、幸せですか?」
ふと、白亜がそんなことを聞いてきたのだった。
システムさん:はい!!私、幸せです!!白亜様のおしとやかモード見られて幸せです!!
主人公:あ~そっか、うん、まあいいんじゃないか。でも今回はさ、そこよりも前半の朧桜や混神レベルの恩恵に関して‥‥‥
システムさん:はぁ?何言ってんですか?そんなんだからいつまで経っても彼女が出来ないんですよ、この童貞!!
主人公:ううう、うっさい、童貞ちゃうわ!
システムさん:はっ、見栄を張っても無駄ですよ、システムさんには分かっていますからね!
主人公:それなら証拠を見せて見ろよ証拠を!!
システムさん:それならしょうがありません。久々に登場させましょう、この童貞の何かを爆発させるスイッチを!!
主人公:な!?それは第一話で前世の俺の何かをボンしたやつ!
システムさん:そうです。もし刀祢さんが童貞じゃないのならこのスイッチを押しても大丈夫なはず!では行きますよ!!
主人公:あっ、やめっ!!
システムさん:ポチッとな!
ボン(何かが爆発する音)
主人公:‥‥‥
システムさん:‥‥‥
主人公:‥‥‥きゅ~、チーン
システムさん:ニヤリ。あっ、それとお知らせです。次回からは別の時間帯にずらして投稿しようと思いますので(たぶん夕方以降かな)、よろしくお願いします!!




