悩んでいるのを知ってます
ルタの泊っている宿を訪れるスウ。
(昔と同じなら今ぐらいに朝食のはずよね)
スウは宿屋の入り口から食堂を見る
(最近悩んでるみたいだし、相談してくれればいいんだけど)
食堂に入ろうとして、スウは逡巡する
(朝にこんな話するのもな……でも夜に食事誘っても遠慮されちゃうし)
スウも葛藤していた。
(昔みたいに仲良くできたらいいのにな)
ルタとアイルの三人で食べに出かけていたことを思い出すスウ。。
「いらっしゃいスウさん。久しぶりだね」
食堂の店員がスウに声をかける。
「モーニングください」
「はいよ。元気そうで何よりだよ」
「あはは。後輩がこの宿にいるからちょっと気を使っちゃいまして」
「そんなもんかい?俺ならバンバン会いに行くけど、考え方違うのかねえ」
店員は厨房に向かっていく。
しばらくして店員はトレーを持って戻ってきた。
パンとサラダと目玉焼きのセットを受け取り、店内で座るところを探すスウ。
踵を返して、スウは外のテラスに向かう。
視線の先には、店員と会話しているルタがいた。
テラスの空いている席に、スウは腰を下ろす。
「いただきます」
スウは店内の様子を気にしつつ、食事を始める。
店中では注文を終えたルタの姿が見えた。
首の後ろに手を当て何度か揉むルタ。
(昔の癖そのまんまだね)
ルタは悩んでいることがあると、今のしぐさをする、
(話しかけるにしてもタイミングよね……)
スウは食事の手を止めて、少し考える。
「あれ?スウさん」
店前の大通りからスウの名を呼ぶ声がする。
「アイル君!久しぶり」
「お久ぶりです。元気そうですね、スウさん」
「なんか固いぞ!昔みたいで良いよ。同級生でしょ」
「そういうわけには」
「背、高くなったね。最後に分かれたときは同じぐらいだったのに」
頭一つ分高いアイルにスウは昔と同じように話しかける。
「ルタちゃんも、今店の中にいるよ」
「ルタさんが?ここに?」
アイルは店中に視線を向け、ルタの姿を確認する。
「自分を試してみたくて、ここに来たんだって」
「仕事とかは?」
「私と一緒の職場だよ。せっかくだし会ってみる?」
「そうですね。なんか悩みがあるみたいだし」
アイルは一目でルタの様子を言い当てる。
「ありがとう。助かるわ」
「こっちこそ、ありがとう。教えくれて」
昔の口調でスウと話して店内に入るアイルに、スウは肩をすくめた。




