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新しいもの好きな人

 ルタは悩んでいた。

(食べ飽きた……)

 食堂のメニューを一通り食べ終え、調味料で味を変えてもみた。

(個々の料理はおいしいけど、味付けがね)

 元いた大陸の味付けが恋しくなってきたルタ。

 自分で作ってみようにもいくつかの調味料の値段は高く、少し考える。

(一度帰っちゃうのもありかな、なんてね)

 悩みを振り切り何を食べるか考えていると、店員が新しいメニューがあると言う。

 せっかくだから、とルタは注文してみた。


「はい、新メニューのグラタンセットね」

 ルタが注文して出てきたのはバケットとサラダと、グラタンスープ。

 コンソメとチーズが香るトレーを受け取ると、ルタは空いている席を探す。

 グラタンにスライスした玉ねぎとキャベツが顔を覗かせる。

 バケットは普通のものとこんがり焼かれたものの二種類がある。

 焼かれたバゲットの上には、茶色いものがかけられていた。

(なんだろうねこの茶色いの)


 テラスで食べようと思いつき、ルタは外に向かおうとする。

 玄関でルタは懐かしい顔を見つけた。

「アイル君!」

 顔を輝かせて、ルタはアイルの名を呼ぶ。

「ルタさん、久しぶり」


 アイルは一緒に食べようと提案し、ルタも快諾する。

 手近な席を選び、椅子を動かすアイル。

 お礼を言って椅子に座ったルタはドレッシングを探し始める。

「これだっけ?」

「うん。それ。ありがとうアイル君」

「どういたしまして。同じの注文してくるね」

 アイルはカウンターに向かう。


「持ってきたよ。新メニューだってね」

「うん。なんだろうね、この茶色いの」

「豆を発酵させたものだって」

「よく知ってるね」

「店員さんに聞いたら、教えてくれたよ。塗ってからかまどで焼いたんだって」

 アイルは向かい側、ルタから見て対角線上に座る。

 ルタは使っていたドレッシングをアイルに渡す。

「ありがとう。先食べててもよかったのに」

「猫舌だし、冷ましたかったから」

 ルタは恥ずかしそうに話し、アイルと食事を始める。


「アイル君が辞めてから私も辞めて、こっちに来たんだ」

 食事を終えてお茶を飲んでいるとアイルが問いかけていた。

「うん。いろいろ新しいこと勉強中だよ。アイル君にお願いしたことも併せてね」

「ルタさんの手料理が食べたかったからね」

 皮肉を交えて話すルタと切り返すアイル。

「また、そういうこと言う」

「本気だって。でも元気そうでよかった。さっき見たときは悩んでそうだったし」

「あれ?顔に出てた?」

 ルタは驚いた声を上げ、顔に手を当てる。


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