↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆転生したら私がゲームの隠しキャラで不思議ちゃんなの?〜★スタータイド!★  作者: 黒井影絵
第5章 決着編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/61

おや!?プルマの様子が……!

 決戦に向かうメンバーは、私、バーナード、クリス、ダン、ナンシー、ヒューバート、ワジャ、レイ、ジョージ、それと助っ人枠のアリスお姉さんとVB少年の計十一人だ。


 十分に回復したプルマは輸送ヘリに姿を変える。

 ダンとクリスはコックピットの操縦席に座り、私達は後部シートに座った。


「速攻で離陸して、最大出力で飛ばしてくれ」

 バーナードはダンとプルマに指示を出し、それを聞いて私は慌てた。

「みんな!今すぐシートベルトを締めて!早く!!」

「え?……えっ?……えぇっ??」

 私は、機体が起動を開始する中、戸惑うみんなに急いでベルトの締め方を教えて、ワジャが着席してベルトを締め終わった後、機体は宙に浮いた。

 搭乗者は初めて体に加わる重力の感覚に困惑するが、それを治める間も無く、機体は加速し、全員体がシートにめり込んだ。


 「……!」


 機内で声にならない呻きが、あちこちから溢れたが、バーナードは難しい顔のまま、正面を睨んでいる。


 操縦席ではレイから探知機を預かったクリスのナビゲートでダンが操縦をしているが――後部シートでは、七冥以外のみんなの顔が、だんだん青くなっていた。

 特に野生児ワジャは、見て分かる程、完全にヤられてる。

 私は一刻も早く到着する事を願った……。



「もうすぐ到着です。さて、どこに着陸しましょうか」

 クリスがこちらに顔を向けていうと、バーナードは即答した。


「このまま敵基地に突っ込め」


 この言葉に流石のクリスもギョッとした。

「えっと、一応、あちらには人質がいるのですが……?」

「逃げられたら困る人質を出入口近くに置く程バカじゃないだろう。敵の退路を断つ為にも、格納庫に突っ込めばいい」

「確かに。それは合理的です」

「イエッサー、ボス!」

 いや、その理屈はおかしい。

 どうにも、色々な事が起こりすぎた結果、バーナードは諸々どうでもよくなっている節がある。

 私が心配のあまり、真顔のまま固まっているのに気づいた彼は、にっこり微笑んだ。

「ああ、安心して。プルマは丈夫に出来てるから、この程度じゃ傷つかないよ」

 違う、そうじゃない。


「あの……殿下……?」

 後ろで座っている真面目で常識的なレイ・ソーマが困惑のあまり絶句している。

「王族って頭がオカシイ奴しかいないのかよ……」

 ヒューバートは不敬も怖れず、もっともな愚痴をぶっちゃげ、周囲も反射的に何度も頷いた。



 そうして、輸送ヘリは減速する事なく、敵拠点の格納庫と思われる箇所に突っ込んだ。


 衝突の際の衝撃は予想していた程ではなかったが、爆発音の後、プルマが変化を解いて、着地すると周囲は壊滅的ダメージを受けて大惨事だった。


 バーナードは、自由になってすぐに結界を張り、出入口目掛けて攻撃魔法を連発し、警報を聞き駆けつけた敵警備員を牽制する。


 ついてきたメンバーも周囲の安全確保に務める一方、ワジャはぐるぐる目で、座り込んだ。

「うううウ……めがまわりゅゥ〜……」

「おーい、大丈夫かー、ちびすけ。しっかりしろって!」

 ジョージはその小さな体を担いで、背中に背負った。

「ほら、このポーション飲めよ。少しはスッキリするぞ」

 ヒューバートが肩掛けマジックバックから小瓶を取り出し、彼女に渡した。

「わりィ……ジョー、バート……うぇェェ……」

 みんながワジャを気遣いつつも、得体の知れない場所で腰が引き気味になっている。

 しかし、アリスお姉さんが顔を顰めて言う。

「ここは魔の気配が異常に濃い、悪いがゆっくりしている暇はない。先を急ぐぞ!」

 バーナードもこれに頷き、クリスから探知機を受け取る。

「アリスと七冥の二人は僕と共に前衛に来て、人質の位置まで強行突破する。他は後から着いてきてくれ。ダン、クリス、ナンシー、しんがりを頼む」

「分かりました」「ラジャー!」「承りましたわー」

 前衛は突撃を開始し、他のメンバーも追随して走り出す。

 ワジャはまだ回復してないが、ジョージに背負われた状態で一緒に来ている。



 警備員は行く手に立ちふさがるが、前衛四人、大陸トップクラスの強さのメンツに対抗出来る筈もなく、文字通り蹴散らされていた。


「この先の地下から怪しい気を感じる」

 アリスお姉さんは走りながらバーナードに言うと、彼は探知機を一瞥して頷いた。

「ああ、人質も同じ場所にいる様だ。皆、気をつけろ!」

 走るメンバーは顔を引き締めて、地下へと続く階段を降りた。


 その時――



 「ああああ――!!!」



 遠くの方で、誰かの叫び声が聞こえる。


 「ああっ!!ああああっ!!!……何故だ――!!どうしてっっ!!!」


 それは男の声で、激しく動揺して半ば裏返って掠れていた。


 私達が何が起きたのか疑問を感じていると、ジョージの背中でぐったりしていたワジャが顔を上げた。


「ニコっち……?」


 私達は声がした方へと、急いで駆けつけた。



 私達がその部屋に突入すると、そこは広い空間で、大きな古代遺物が設置されていた。

 それは、丸く大きな金属製の輪のような装置だ。

 輪の内側は波打った紫色の半透明の膜が微かに光を放っている。


 その手前で、ニコラスが地面に膝を付いて、半狂乱になっていた。

 彼は髪を掻きむしりながら頭を振り何度も「何故だ!」と叫んでいる。


 部屋には他の人質である、ケイトが拘束された状態で、マイクルとドルキャスは古代遺物のコンソールの前でニコラスの事を戸惑いの目で見ている。


 私達の登場に、部屋にいた赤い服の男が、即座に、こちらに向かって魔術で攻撃を仕掛けたが、それは事前に貼っていた結界に阻まれた。

 彼は魔術が通じないと見て、剣を構えて襲いかかってきた。


 前衛四人が身構えると、私の肩にいたプルマが飛び上がる。


『ミュー!!!』

 プルマはすごいスピードですっ飛んで、敵の顔面に頭突きをし、男は大きく仰け反った。

「ぐげっ!何ですか!コレは!?」


 彼は鼻血を流しながら、手に持った剣の柄でプルマを殴打し、弾き飛ばされたプルマは地面に転がった。


「プルマ――!!」


 私は顔を抑えて悶絶している男を尻目に足元に転がったプルマを慌てて拾い上げると……頭の皮膚の一部が綻び表皮が捲れていて、焦る。

「あー!皮が剥けてる!?どうしよう!怪我しちゃった??」

「いや、待って……これは……」


 慌てる私を制して、バーナードは冷静に観察する。

 プルマは小刻みにブルブル震えて……皮がズルッと剥けた。

「えぇぇぇーーー!!あれ……?」


 プルマの表皮が擦れ落ちると、クリオネ型の小さな体から、四つ足に羽が生えた様な形状の一回り大きくなった体に変化していた。


 それは、まるで……、


「龍の子だとぉ――?!何故こんなところにっ!?」


 赤い男は脱皮して姿が変わったプルマを見て、激しく狼狽えた。

 プルマは顔を上げ、羽を広げて宙に浮くと、赤い男に向かって……おもむろに口を開き、輝くブレスを吐いた。


「ぎゃーーー!!!!」


 赤い男は恥も外聞もなく悲鳴を上げ、奥の通路に向かって逃げ出した。


 アリスお姉さんは、VB少年に目配せし、彼は残像を残し、後を追った。


 私達が赤い男の遁走を呆然と見ている一方、荒い息を整えているワジャがジョージの背中から降り、地面に立った。


「ニーコーラース――!!!」


 彼女は怒りの表情で拳を握り、ニコラスに向かって突進する。


 ニコラスは顔を上げてハッとした次の瞬間、ワジャのパンチを食らって吹っ飛ばされた。


 「こんのバカタレがーーー!!!」


 ニコラスはワジャの叱咤に対し、何が起こったのか分からないといった顔で座り込んでいる。



「キャシー!!」

 ヒューバートはドルキャスに駆け寄り、手を握った。

「バート、助けに来てくれたの……?」

 ドルキャスは目を潤ませて彼を見つめた。

「当たり前だろ!俺の大事な……ぱ、パートナーなんだぞ!ビジネスの!!」

 周囲は顔が真っ赤になっているヒューバートの、後一つ素直に成りきれてない様に苦笑するが、ドルキャスの嬉しそうな笑顔を見るに、それは些細な問題なのだろう。

 二人は抱き合って再会の喜びを噛み締めている。



 クリス達はマイクルと共にケイトを助け起こし、その拘束を外した。

「怖かった……」

 普段は勝気な辺境伯令嬢のケイトだが、極限状態から解放された途端に、年相応の少女らしく怯えた表情で、涙を浮かべてマイクルに抱きついた。

「大丈夫だ……ケイト……もう、絶対に離さない……!」

「ああ……マイクル……愛してる……」

 こちらの二人の関係は、完全にキャズムを超えたようだ。

 最早、二人の愛を妨げる要素は何もない。



 バーナードは脱皮したプルマを念入りに調べる。

「まさか、進化するとはね。ヒドラ戦で経験値が大量に入ったからか?」

 彼が私にプルマを預けると、プルマは私の腕に四つ足でしがみ付いて頬づりする。ちょっと重くなったけど、やっぱり可愛い。


 プルマに異常がないのを確認したバーナードは、コンソールに近づき、ディスプレイに表示された内容を読んでいる。


 VB少年は音もなく帰ってきて、アリスお姉さんに耳打ちする。

 どうやら、赤い男には逃げられたようだ。


 首謀者の一人と思われるニコラスは、未だ茫然自失状態で座り込んだまま。


 アリスお姉さんは人質三人の無事を確認した後、マイクルに話しかける。

 その表情は非常に険しい。

「取り込み中、済まないが事情を聞かせて欲しい。一体ここで何が起きた?」




 現場にいた関係者から事情の聞き取りを終えたアリスお姉さんは頭を抱えた。

「禁忌のオンパレードじゃないか……これは穏便に済ませるなんて無理だぞ……」


 三人の話を纏めると、ニコラスと赤い男メイフェスは、異界にあると言われる『記憶の殿堂』へ通じる“門”を開くために、彼らが所属する秘密結社エンシェント・シルヴィアを動かして、古代人の血を引くドルキャスを誘拐。


 さらに三つの秘宝の一つである聖剣を入手する為にヒドラを復活させ、マイクルを誘き寄せる目的でケイトも誘拐した、との事だ。


 さらにさらに、後続で突入した七冥の支援部隊の調査で、この基地内で現在行方不明中の宮廷魔術師エドワード・K師の夫人メラニーの遺体が発見され、夫と嫡男ゲルトもここに潜伏している可能性が高いらしいが……その姿はどこにも見えないとのこと。

 警備員を尋問した所、二人は儀式の生贄となったらしい。


「あんたにも話を聞きたい。一体ここで何をした?」

 アリスお姉さんはニコラスを問い詰めると、彼は無表情で語り始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。