6話 先入観に騙されるな!
団扇にパーティを入れるよう頼まれたソエダ一行は、春麗の被せスキルが発動し、団扇をパーティに入れることを断った。ソエダは春麗の後を追うように追いかけ、追いついた時に団扇も参道していた。
『なんでついて来るネ』
「えーー…」
『お前じゃなくて、その後ろネ。』
ソエダは振り返ると団扇がいた。
『まぁ、聞けパーティの組めるのにも限りがある。だから、慎重に人選する気持ちはわかる。見たところ二人共戦闘タイプだろうな。俺は万能タイプだぞ。』
春麗はジト目で団扇を見る。
『自分で、万能タイプとか言う奴にロクな奴いないね。ボッチタイプの間違いじゃないアルか。』
「そうだそうだ!!春麗様の言う通りだ!そうだそうだ!!」
ソエダはもはや、春麗の手下かMOB化していた。
『この先、間違いなく戦略戦はあるはずだ。俺が倒してきた奴のほとんどがフルパーティの1小隊で構成されていた。俺はお前達の固有スキルを知っている。それを他に知られるリスクも考えるとかなり不利になるぞ?いいのか?それに付け加え、間違いなくお前達に有利になるスキルを俺は持っている。先ほどは上からで済まなかった。俺も勝って抜け出したいんだ。どうだ?仲間に入れてくれないだろうか?』
春麗はソエダに対して「どうする?」という顔で見る。
ソエダはチュンリーに対して「どうする?」という顔で見る。
『まぁ、いいね!あなたは色々と情報集め得意そうネ。別に裏切るとか企んでそうにも見えないしネ』
「わーいわーい!よろしく団扇さん~!」
ソエダはもはやキャラ崩壊しているのであった。補足だが、先ほど男子禁制とソエダは言ったが、ソエダは列記とした男性である。
『ふっ。やっと俺の素晴らしさに気付いたようだな。では、早速』
団扇は二人にスマートフォンでパーティ加入申請を行った。
ピコーーーン
<<団扇をパーティ加入させますか?>>
<<YES>>
新たに、団扇が仲間に加わった。
「まぁ、茶番はあったが仲間は多いほうがいいと俺は思うしね。とりあえず、スキルとか武器の所持紹介だけでもしません?」
『私は、パスね!私は、いかなる弾も吸収する弾を制する者とそれを役作りして放銃する麻雀格闘家ネ。武装はなしね!要らんね。』
パスしたわりには、しっかり紹介されているが…まぁ、ここはスルーしようと団扇とソエダは心の中でうなずいた。
『じゃぁ、次は俺が…俺は、医療忍者だ。』
ソエダは、ピクリと反応し、団扇を睨みつける。
『なんだ?どうした?』
「いりょ~にんじゃだぁ~?」
『そうだが、何か問題でもあるか?』
「大ありだよ!忍者とは把握していたが、医療忍者とかもしかして戦えないんじゃないのか!忍者被りしてるし、瞳術で ぐああぁあぁぁ って周辺を火で燃やしたり出来ないのかぁ~!天才忍者の設定だろ!そこはぁ~・・・」
『ちょっと、何を言ってるのかわからない。』
ソエダは先入観で勝手に盛り上がっていた。
『とりあえずだ。俺は医療忍者だ。怪我をしたら言ってくれ。この回復のクナイを味方に刺せばみるみる回復して死んでいない限り刺した続ければ全回復までいける。』
ソエダ&春麗「・・・」
『どうした?』
『私、さっき言ったアル。弾を制する者で銃ダメージ全く食らわないので一生無傷アル。』
「えー…自分は、ダメージ食らうのですが、不死身なんですぅ~。どっかに飛ばされるけど。」
『そうか、それはよかったな。俺の仕事が減って助かる。』
「はぁーーー?っというか!医療忍者とかいらんねん!回復もいらんねん!弱いねん!お荷物でゴミ的存在!ゴミ・オブ・ザ・GOMIですわ!」
『そうネ!強いて言うなら無人島で食料いっぱい持ってきたお荷物やろうネ!』
「いや、春麗様…それは普通にいい人で有能な人ですから…お荷物ちゃいますから…」
ソエダと春麗は騒ぎ出す。が団扇は何一つ動じないまま、語り続ける
『はぁ…あくまでスキルの一つだ…俺が一つだけだと言ってないだろう。もう一つ先ほどソエダが言ってた。瞳術が使える。』
「な・・・なんやて~~~!」
ソエダは無意味に大袈裟なリアクションをとる。あと無駄に関西弁で喋る。
「もしかして、あれかいな!倒した~~!って思ったら、ふっ…それは残像だ…とか言う幻術かけるやつか!それとも、グワッと眼光を相手に浴びさせて動きを止めるやつかいなっ!」
『いや、全然違う。その意味不明な幻術やら動きを止める瞳術でもなく、ぐああぁあぁぁとか言う目から火を出せる訳でもない。』
「ダメか・・・じゃぁ、相手の真似を・・・」
『人の話を最後までちゃんと聞け、俺の瞳術は半径500m先までの敵を察知出来ることだ。ただし1分の使用待機時間はある。』
ソエダは、いけない発言の連発と会話を遮ったことに対して、ちょっぴり反省した。いやだいぶ反省した。
「なるほど…」
『はぁ…結局ゴミスキルネ。わかったわ…』
「いや、普通に有能スキルだとは思うのですが…この世界なら特に…」
『戦闘で脅威的なスキルじゃなかったら、全部ゴミスキルね!!』
「・・・」
春麗様はその様に申していますが、銃ゲームをしてる方ならご存知であろう、索敵があればあるほど有利なことを。銃撃戦は、いかなる壁や建物に隠れ、銃の弾の導線=射線を切りながら、チャンスを見て打ち抜く戦いである。では、そのチャンスを作るには出来る限り打たれる前に打てる環境、つまり背後から打てる状態が好ましい。それに加え、何処から打たれたのかわからず、相手の場所を完全に把握していると安全に距離を詰めることが可能で有利に戦える。つまり、索敵出来るスキルがあるということは、最強スキルの一角。ハーレムスキルなのである。
ちなみに、ハーレムスキルと言ったが、あながち間違いではない。それを駆使して戦ってる猛者は安心安全で敵を屠っていき、「キャー団扇様~!」と3秒で異性に惚れられるおまけもついてくるからだ。羨ましすぎるぜコノヤロー。
ソエダは悔しさを嚙み締めた。
「で、スキルはその二つか?医療忍者で索敵型ってことはわかった。」
『あーそうだ。無闇に戦闘する貴様らに俺が加われば、まともな小隊にはなるだろうな。』
皮肉に団扇はそういうが、ソエダと春麗は吹けない口笛を吹いた。
『そして、武器はPASSOの二刀拳銃と、煙幕弾とフラッシュ弾だ。』
「戦闘スタイルは、この世界に対してまともなのね…」
とソエダは春麗を見ながら発言した。
『ん???』
「じゃぁ、最後に自分やね。俺の名前はソエダ=テンペスト!!」
『待った!!』
団扇は大きく叫ぶ。
「いきなり、なんだよ~…まだ隠し武器でも持ってたって話か?」
『いや、誰が自己紹介までしろと言った。時間を考えろ。あと、そのテンペストとか言う名を使うってことはどういうことかわかっているのか?お前の存在が消されて、粛清をされるぞ?』
「お前にだけは言われたくないわ…それに俺は死んでもリスポーンするしね…」
『フン』
団扇は、どうなっても知らんぞという顔をしていた。
「とにかく、俺の固有スキルはリスポーン。死んだらか死ぬ間際なのかわからないが、意識がなくなれば別の何処かで復活するスキル。つまり不死身だ!てか、みんなは死んだら何処行くんだ?」
『天国か地獄に行くアルね!ソエダが異常なだけねっ。でも羨ましいスキルあるね。』
『いや…天国とか地獄とかないから…死というのは、その名の通り永遠の終わりを刺している。つまりだな』
「わかったわかった!頼むから死について、哲学を始めないでくれ…死んだら…終わりってことね…」
やはり自分以外のものは、心肺停止するとこの世を去ってしまうってことを再自覚した。つまり、撃ち合いで倒した敵は…人殺しになるんだな。てか、この世界がこの世であの世は何処??ややこしくなってきたな。
悶々とソエダは考えたが、話を続けたのであった。




