5話 スカし男、現る
ソエダと春麗は話し合いのもと、パーティを組み周辺の状況把握を試みた所に、何者かが駐車場の前で待ち伏せていた。
『随分と長話だったな。』
『誰かアルね!ストーカーあるか。この場で玉砕してるやるネ!』
春麗はその者に指を刺した。
『まぁ、落ち着け。俺は怪しい者や襲いかかる者でもない。条件次第では、お前たちの味方。』
「ほほー。とりあえず、名前と目的を聞こうか。」
ソエダは、質問する。
『俺の名は、団扇だ。忍者をしている。目的を言う前にお前達の目的が聞きたい。』
「俺たちの名前はいいのか?」
『先程のやり取りを一部始終聞いていたからな。』
ソエダは団扇に対して何を企んでいるのか警戒心が高まった。まぁ、盗まれて困る情報は一切持っていないが・・・
てか、待てよ。俺たちはこれから何処へ向かう途中だったんだ?あれ?
ソエダは、目的と目的地を見出せていなかったので春麗に話を振った。
「春麗様。我々はこれから何処へ向かう予定だったのでしょうか?」
『え?知らんアルね!その辺を探索して安置でも探すネ』
そうだったーーー。
ゴブリンキッズを撲滅することばかり考えてて、ここからどうするという目的を決めるのを忘れていたーーー。
仕方なく、ソエダは素直に答えた。
「ふっふっふつ。俺の目的はゴブリンキッズを殲滅することだ。だが、これからどーするとかはない!!」
ソエダは謎に偉く団扇に伝えた。
『はぁ…そうだろうと思ったよ。』
団扇は呆れながら、ポケットからスマートフォンを取り出し、何やら情報的な物をスマホから具現化させ、ソエダと春麗に対して飛ばした。
『ん?何が来たあるね。72/100?何これある。』
春麗は自分のスマートフォンを眺めながら、口に出して読んだ。
『これは現在の生存数。100人規模でこの世界に飛ばされバトルコロシアムをさせられる。残り小隊が1になるまでこの戦いは終わらない。もちろん、パーティが組んでない場合は1小隊。パーティを組んだ場合、1小隊3人まで組むことが可能だ。』
団扇はすらすらと説明を始めた。
「ルールはわかったが、なんで俺たちはヘリコプターから落とされ、その100人規模で殺し合いなんかさせられているんだ?」
ソエダは、強制的に参加させられたバトルコロシアムについて質問した。
『それは、この世界に4人のゲームマスターがいて、その1人が無差別に100人をかき集め、この世界《公道走行》にて、殺し合いを行わせているらしい。』
団扇は聞かれた質問に淡々と答える。
らしい?『らしい』って無責任な説明だな。誰からか聞いた情報か?ソエダは重ねて質問をした。
「団扇さんは、何故その情報を知っているんだ?誰から聞いた情報か何かか?」
『ふっ。』
団扇は呆れて返事をする。
『俺は数々の探索と襲って来た敵を倒しているうちに、スマートフォンのステータス上を確認すると、レベルが2に上がったらしい。それにより、スマホに自立型AIが備わった。そこから、スマホ自身に色々と質問を問いかけ、知るに至ったって訳さ。』
「なるほど。」
ソエダは納得したが、聞きたいことだらけになり、そこから更に質問をした。
「先程、ゲームマスターという言葉があったが、ここは現実世界ではなく、仮想型VRゲーム的な世界なのか?だから、生い立ち等が思い出せないのか?」
団扇は、苛立つ顔をする。
『お前さっきから、質問ばかりするな。初対面に甘えすぎではないか?俺が敵だったら意図的に騙されるぞ』
「すんません…」
ソエダはションボリした。
『プププププププ笑』
春麗は隣で口に手を当て、ソエダに指を刺し笑いを堪えて、口に出して笑っていた。と言うか煽っていた。
春麗ウザー、黙って聞いてると思いきや、俺を笑いに来てるじゃないか。同パーティなら一緒に考えてくれよー。
団扇は、キツく指摘してきたが質問には答えてくれた。
『先に言っておく。俺も被害者だ。この世界がなんなのか、何故ゲームマスターに呼び出されたのか、ゲームの世界なのか、わからないし。自立型AIにも聞いたが答えてくれなかった。ゲームマスターが情報閉鎖しているらしい。』
「そうか。。。」
やはり、鳥の中の籠は変わらないのか。この世界の人間は何処からか呼び出され、殺し合いを強要されているのか。ゲームの世界なら、死を迎えても現実に戻されたり、何処か俺みたいに復活するだけだが、本当にここは仮想型ゲームの世界なのか、確定的な根拠がないから相手を傷つけることに抵抗があるなぁ。
まぁ、もう人に手裏剣投げてるんだけども。
『長々と喋るスカし男ねー!で?私達と接触して来た目的を教えるアルよ!私達も忙しいあるネ!』
「(いや、、、忙しいないだろ、、、行き先も目的もないのだから)」
ソエダは心の中で思ったが、敢えて黙った。
『ふっ。この有益な情報を伝えたのはだなぁ。』
団扇は、顔に手を当てた。
『俺様もパー』
『パーティ組むならお断りヨ。間に合ってるでアル。じゃ。』
春麗は、団扇が全部話す前に返事をして歩き出した。
「なんか、すみませんねぇ団扇さん。うちのパーティ男子禁制なんですわ。また、何処かの戦場であいましょうや。」
ポンポン
ソエダは団扇の肩を叩き、春麗の方向に歩き出す。
『………』
団扇は呆然と立ちすくみ。
『はぁ?』
と、険しい顔をする。
それをスルーするかのように、二人は歩き出した。長い説明は勘弁である。が、話はまだまだ続くのであった。




