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ファンドマネージャー ~モンスターをM&Aして強くなる~  作者: 祐祐
第6章:強化と公爵家

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93話:剣の試運転

 翌日から5日連続での討伐をしてからの休日。

 朝食後に再びエドワードさんの工房を訪れた。


 カランカラン


「はーい」


「こんにちは。エドワードさん、剣を受け取りに来ました」


「こんにちは、ディックス君。早いね。持ってくるから待っててね」


 そう言ってエドワードさんは奥へと下がっていく。

 まだ朝早いから鍛冶をしてなかったみたいで、この間と違って暑さを感じない。


「こちらが依頼されていたレッサーベアの牙と爪を使った剣になります。

 確認お願いします」


 エドワードさんから剣を受け取る。

 鞘も含めて無骨な感じだが、重さはあまり変わらず、長さも変わらない。軽く振った時の重心も変わらない。


「どうかな?」


「今使っているものとほとんど変わらないように感じます」


「モンスター相手に使ってみて、違和感とかあったら言ってね。

 あと、レッサーベアの牙と爪は5つずつ余ったから返すよ」


 牙と爪を受け取り、お礼をして工房を後にする。

 明日、剣を使ってみて使い心地を確認しよう。


◇◇◇


 翌日、いつも通り北の森へ討伐に向かう。

 途中まではヴェロニカとノクスと一緒に進んでいくが、レッサーウルフが出てきた所で2人に任せて、私は1人でレッサーベアを探して奥へと進む。


 途中、ゴブリンを見つけて新しい剣で一撃で倒したが、前の剣でも一撃だったので変化が分からない。

 そのまま駆けていき、数度ゴブリンを倒してから、やっとレッサーベアと遭遇した。


 さて、どうやったら剣の強さを実感できるだろうか。

 そう考えている間にレッサーベアは四足歩行で駆け寄り、ぶつかる直前で立ち上がり、腕を振り下ろしてきた。

 それに対して、腕を弾き返すために剣を振り上げた。


 ザシュッ


 は?剣が爪を斬り裂いた。

 前の剣だと爪とぶつかって弾き返しただけだったのに。

 これが鉱石とレッサーベアの素材を混ぜた結果なのか。

 そうなると、もっと強いモンスターの素材が欲しくなる。

 でも、トヤダンジョンにはレッサーベアよりも武器防具向きのモンスターはいないからな。

 マクカリダンジョンに行くべきだろうか。

 ただ、そこまで強いモンスターと戦うこともないだろうし、急ぐ必要は無いな。


◇◇◇



 新しい剣を手に入れてから2ヶ月半。夏が終わり、木々が少しずつ色づき始めた。

 お金は十分に貯まっているが、ヴェロニカはまだ魔法が使えるようにはなっていない。

 魔法が使えるようになるまではDividendを使わないと言ったので我慢だ。


「中々上手くいかないみたいだな」


「そうなんだよね……メルティさんにも相談してるけど、何かが足りないんだよね……」


「他の魔法はどうなんだ?」


「風を使った索敵も使えるようにしたけど、攻撃と同じで遠くまで広がらなくてダメだったよ。

 やっぱり遠くに魔法を飛ばすのは、私には向いてないみたい」


「じゃああの魔法を使えるようにならなきゃな。ノクスはどうだ?」


「ホーンラビットには勝てるようになったけど、まだまだ弱いよ」


「そっちも頑張ってくれ」


 じゃあ変わらずに金を稼いで貯め込んでおくとするか。





「ディックス。すぐに院長室に来てもらえますか?」


 鍛錬中にセリアさんから呼ばれて院長室へ向かう。

 院長室に入ると、見たことがある気がする領主館の人がいた。


「タークス公爵家より、ディックスさん宛に手紙が届いています。

 こちらをどうぞ」


「失礼します」


 手紙を受け取り、内容を確認する。



『タークス公爵家 特別協力者 Cランク冒険者 ディックス殿


 タークス公爵家三男、ジェームズ・タークスだ。

 突然の手紙、失礼する。


 先日、タークス公爵領の西にあるクロコ男爵領にグランドベアが出現した。

 クロコ男爵の領軍では倒せない高レベルのモンスターであり、我らタークス公爵家に援軍要請があった。

 我らからの援軍も送るが、被害を最小限にするためにディックス殿の力を借りたい。


 急ぎ、タークス公爵領都の領主館まで来て欲しい。

 なお、当主である父とゴードンには同じタイミングで手紙を送り、ディックス殿へ依頼をすることを伝えている。

 素早い対応を期待している。


 タークス公爵家 領軍指揮官 ジェームズ・タークス』



 ……そうそう起こらないと言ってなかったかな。

 でも起きてしまったなら仕方ない。


「セリアさん、タークス公爵家からモンスター討伐の依頼が来たので出掛けます」


「分かりました。気をつけてくださいね」


「緊急依頼という事で、タークス公爵家から移動用の高速馬車を貸し出すように依頼されております。

 それがあればタークス公爵領都まで1日ちょっとで到着します」


 走って2日半の所が1日ちょっとか。さすが伯爵家の高速馬車だな。


「ありがとうございます。昼過ぎには領主館に伺います」


「かしこまりました。準備してお待ちしております」


 遠征用の荷物を準備して、昼食を食べてから領主館へ向かった。

 グランドベアか。どんなモンスターなのかは、タークス公爵領都に着いたら詳しく聞いてみよう。



xxxxxxxxxx

所持金:18,204,740G

xxxxxxxxxx

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