69話:ミニクラーケン
トヤダンジョンでの活動2日目。
今日も螺旋通路を下っていく。
今日は一旦14階層へやってきた。
ウォーミングアップを兼ねて、サハギンとケルピーを倒していく。
昨日も倒したモンスターなので、特に苦戦することもない。
ダンジョンは外よりモンスターの密度が高いとは聞いていたが、実際に戦っているとその通りだと実感する。
モンスターを探す時間が半分以下なのだ。
普通の冒険者なら解体する時間があるけど、私はそれが無いからより一層効率がいい。
数時間倒し続けたので、休憩がてら螺旋通路に戻ってきた。
昼食を取ってから、15階層に降りていく。
同じように螺旋通路で休憩していた冒険者達がこちらを注目しているみたいだけど、他人を気にするくらいならモンスター倒しに行きなよ。
15階層に到着すると、そこから下に降りていく螺旋通路は無くなった。
そこは広いフロアのようになっており、4方向に道が伸びている。
ミニクラーケンは15階層に常に何体も生息しているそうなので、目の前の道を進んでいく。
戦闘音も聞こえないから、誰も15階層にはいないのだろうか。
まぁミニクラーケンを倒せるCランク冒険者は少ないという話だし、それより強い冒険者は他のダンジョンに行くだろう。
そうすると、15階層にいる冒険者はミニクラーケンを倒せるようになったばかりで、次のダンジョンに向かうまでの経験値と金を稼ぐ人に絞られる。つまり15階層は過疎ってるということになる。ありがたいな。
ミニクラーケンは今までのモンスターとは比べ物にならない強さのモンスターなので、走らずに慎重に歩いて進んでいく。
ステータス的には苦戦するとは思えないけど、そこは初級ダンジョンの最強モンスター。
初戦は油断せずにいこう。
数分歩くと、巨大なうねうね動く物体を見つけた。
あれがミニクラーケンか。
ミニと言っても体長は5mくらいあるんじゃないだろうか。
手なのか足なのか分からないがそれが沢山ある。10本くらいか。
そして、ミニクラーケンの周りにはスライムが数体いる。
そしてそれらが順番にミニクラーケンの口に運ばれていく。
食事中か。スライムって美味しいのか?
まぁモンスターだから人間とは違う味覚なのだろう。
スライムを食べている間に攻撃しようか。
周りのスライムが邪魔になりそうだけど、いつ食べ終わるか分からないし。
迷彩スキルを発動してから胴体部分の中心を狙って投げナイフを投げつける。
ギルドの資料によると、そこに心臓があるらしい。
いつも通りミニクラーケンは投げナイフが到達する前に気づき、足を1本使って払い除けた。
払いはしたが、投げナイフは足に見事に刺さった。
ただ、痛みを感じている雰囲気は無い。
投げナイフによる攻撃はあまり意味が無さそうだ。
こちらに気づいたミニクラーケンは、こちらに近づきながら沢山の足を振り回してきた。
ミニクラーケンの足がこちらに迫ってくる。
投げナイフが刺さったくらいだから防御力が高い訳では無い。
冷静に足を躱しながら剣で斬り裂いていく。
躱して斬る。躱して斬る。躱して斬る。
一撃で両断できるほど深くは斬り裂けなかったが、攻撃を受けないように気をつけながらカウンターで対処していく。
躱して斬る。躱して斬る。躱して斬る。
斬っても斬ってもミニクラーケンの攻撃が止まらない。
普通なら出血死になりそうなくらい斬りつけているが、ミニクラーケンの傷口はすぐに治っている。
ギルドの資料にも記載されていたが、これがミニクラーケンの自己修復能力か。
ミニクラーケンを倒すには血を流し続けて出血死させるか、胴体にある心臓を攻撃して動かなくするかの2つの方法が推奨されていた。
逆にこれ以外の方法は無さそうな記載だった。
斬り続けていると、ミニクラーケンもこのままではマズイと思ったのか、口から墨を吐き出した。
吐き出す前に足の動きが止まったのでミニクラーケンの行動は読みやすく、墨は私に当たらずに地面に撒かれた。
墨は徐々に空気中にも広がり、周囲には暗闇が広がった。
急いで暗闇から離れるが、暗闇からミニクラーケンが攻撃をしてくることは無かった。
どうやらミニクラーケンも暗闇の中では見えていないらしい。
何のための墨なんだろうか。
しばらく待っていると墨が消えていった。
そしてそこには傷が完全に消え去ったミニクラーケン。
休憩したかったのか、仕切り直したかったのか。
再びミニクラーケンが足を振り回して近づいてくる。
ただ、さっきと違って足が大きい。大きいというか太い。
なんでだ?
念の為、回避優先で様子見をする。
数十秒避け続けていると何となく分かってきた。
単純に足を2本絡めて1本のようにしている。2本にまとめていることで威力は上がっているだろう。
また、2本をまとめていることで、1本が斬り飛ばされても残った方で攻撃ができるという考えなのかも知れない。ただ、元々1本でも一撃で斬り飛ばせた訳では無いから関係ないな。
攻撃の直前で2本に戻って広範囲に攻撃してきたら違うけど、それなら剣で受け止めつつ両断するだけだ。
理由が分かったので、1本ずつの時と戦い方は変わらない。躱して斬る。躱して斬る。
斬り続けていくとミニクラーケンの動きが悪くなった。
そろそろ出血死が近いのだろうか。
足を斬りながら一気に胴体に近づき、更に斬り裂く。
十数秒近距離で攻撃を続けるとミニクラーケンが消えていった。
『All is Moneyの効果が発動しました。
経験値と素材がお金に変換されました。39,000Gを獲得しました』
そこまで苦戦しなかったな。
多分、普段から複数体のモンスターを相手に戦っているから攻撃の手数が多い相手に慣れていたのが大きい気がする。
しかも、手数が多くても相手は1体で頭は1つ。
10本同時に攻撃はしてこないし、想定外の動きも無かった。
自己修復能力は面倒だけど、出血死を狙うのであれば関係ないし。
まぁ時間は掛かるけど。
その後もミニクラーケンを3体追加で倒してから帰ることにした。
帰る前にMoney is Allでミニクラーケンの吸盤と肉を用意しておく。
螺旋通路を登っていったが、さすがに降りてきた時にいた冒険者はいないみたいだ。
入口まで戻るともうすぐ夕方という時間だった。
やっぱり時間が分からなくなるのがダンジョンの欠点だな。
xxxxxxxxxx
所持金:11,164,480G
xxxxxxxxxx
ストックに余裕ができたので、ゴールデンウィーク中は毎日投稿します




