67話:トヤダンジョンへ
クロス伯爵領都の西門を出て、イムス伯爵領都を目指して進む。
西門から出たのは、アンデッドの討伐に参加した時以来だ。
道なりに沿って、西北西に向かって走り始めて5時間ほど。
昼を少し過ぎた頃から、道は海沿いを北上する形になった。
しっかり整備されているから走りやすいし、巡回もされているからモンスターが出てこない。
順調に進んでいき、日が暮れる少し前にイムス伯爵領都に到着した。
街に東門から入り、門番さんのチェックを受ける。
チェック中に挨拶をしてどういう街なのかを聞くと、クロス伯爵領都と比べると半分くらいの大きさらしく、同じ伯爵領なのに? と思ったが、その分トヤダンジョンの周りが発展していて、合わせれば同じくらいということらしい。
冒険者ギルドとオススメの宿屋の場所を聞くと、冒険者ギルドの裏手にある宿屋通りが冒険者にはオススメらしい。
程よい値段で料理の量も多いそうだ。
領主館の近くにも宿屋はあるがこちらは高級らしい。
門番さんのチェックを終えて街に入る。
特にやるべきこともないので、教えてもらった宿屋通りに向かう。
どの宿屋も大きく変わらないという話だったので、手前から、ではなく奥まで行って一番奥の宿屋に入ってみる。
「いらっしゃいませ。お泊りですか?」
「はい、1人ですが夕食・朝食付きでいくらになりますか?」
「1人部屋風呂付きで10,000Gになります」
「それではお願いします。先払いでしょうか?」
「半分の5,000Gを今支払い、退室時に残りの5,000Gを支払い下さい」
「分かりました」
5,000Gを払うと部屋に案内された。
建物は3階建てで、その2階の階段脇の部屋だった。
外を見たりするわけでもないので、入口から近いところでちょうどいい。
「日暮れ後に1階の食堂へお越し下さい。
鍵をお見せいただければ食事を提供しますので、お忘れなく」
「分かりました、ありがとうございます」
夕食までまだ少し時間があるな。
部屋で休んでもいいけど、冒険者ギルドを見に行ってみよう。
何か面白い依頼書とか、モンスターの情報があるかもしれない。
◇◇◇
翌朝、朝食を食べて残りの代金を支払って宿を出る。
昨日、夕食前に冒険者ギルドには行ったが、まぁそんな都合のいい依頼はなくクロス領とあまり変わらない感じだったので、少し見てから宿に戻った。
西門をくぐり、1時間ちょっと道なりに北西に進むと、トヤダンジョンへ向かう北への道への分岐点に辿り着いた。
ここから先は道は狭くなり、巡回もあまりされないのでモンスターが出てくる可能性が上がる。
まぁ出てきてもレッサーベア程度らしいし、昨日ギルドに見に行ったけど特別なモンスターの情報は無かったから問題ないだろう。
そこから更に3時間半ほど進むと、道の先に湖が見えた。
正直、湖という情報が無ければ海と間違えてしまいそうなほどの大きな湖である。
そこから湖沿いに西に進路を変えて1時間半ほどでトヤ街に到着した。
湖のすぐそばにトヤダンジョンの入口があるそうだが、それよりまずは宿探しである。
門番さんに1ヶ月くらい滞在するのにオススメの宿を聞くと、
「あの大きな建物が見えるか? あれが一番大きな宿で一番の老舗だな。
湖沿いにあって、文句のつけようがない宿だ。
その分値段は高いけどさ。
少し値段を抑えるなら、湖沿いにいくつも宿があるからそこから選ぶのがいい。
湖沿いは古くからある宿だからハズレはないぞ」
と教えてもらえたのでお礼を言って、オススメされた一番の老舗の宿に向かう。
大丈夫、お金はある。ダンジョンで稼ぐし。
数分歩いてオススメされた宿に到着した。
門からも見えたが大きい。
6階建てで縦横100mずつくらいの大きな建物だ。
若干値段が不安になるが、建物の中に入っていく。
「いらっしゃいませ。お泊りでしょうか?」
「はい、1人ですが夕食・朝食付きでいくらでしょうか?」
「それですと1泊20,000Gからになります」
高いな。でも北の森より稼げるはずだからいいか。
「20,000Gのものでお願いします。
ちなみに、昼食用の弁当の販売はありますか?」
「はい、前日までに注文いただければ朝食時にお渡しできます」
「ではそれもお願いします。
今月末くらいまで泊まる予定なのですが、支払いはどうすればいいでしょうか」
「毎日夕食前にお支払いいただくか、数日分まとめてお支払いいただくか、お選びいただけます」
「1月28日の宿泊分まで弁当代もまとめて支払いでもいいでしょうか」
「1泊20,000Gに加えて弁当代1,500Gが25日分ですので、537,500Gとなりますがよろしいでしょうか?」
「はい、それでお願いします」
「かしこまりました。
ではこちらにお支払いをお願い致します」
よく考えたら今までで一番高い支払いだな。
「はい、確認できました。
それでは3階307号室までご案内致します。
夕食と朝食は1階の食堂へお越し下さい」
受付さんについていき、部屋に到着した。
安い部屋だから湖には面していない部屋だったけど、景色のために泊まるわけじゃないからな。
部屋には大きなベッドが置いてあり、軽く横になったら危うく寝そうになった。
危ない! 値段相応の価値はありそうだ……
その後、ギルドに行って依頼書を確認してから夕食を食べて1日を終えた。
いよいよ明日からダンジョンに挑む。
心地よいベッドのおかげであっという間に眠りについた。
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所持金:10,912,130G
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