62話:回答
ヴェロニカとノクスにパーティーの誘いをした翌日。
今日は休みだ。
休みだが鍛錬とポーション作りをするので討伐が休みというだけで、ぐうたらしたり、買い物をしたりというわけではない。
でも、ステータスが上がったこともあって討伐に行かなければ十分に身体の疲れは取れるようになっている。
「ディックスいた。
昨日の話の続きがしたいんだけどいい?」
朝食後に鍛錬をしばらくしているとヴェロニカが声をかけてきた。
「いいよ。どこかに移動する?」
「院長室でいい?院長先生にも聞いてもらいたいし」
「分かった。行くか」
ヴェロニカの後について院長室に向かう。
入ると既にセリアさんとノクスが待っていた。
「連れてきたよ」
「ヴェロニカと話し合いましたが、僕らはディックスとパーティーを組みたいと思います。
ディックスがソロで行動する日は今まで通り2人で行動します」
「そうですか。ディックスとパーティーを組んでくれて良かったです。
ディックスもいいですね?」
「もちろんです。私から提案したことですし」
「じゃあ改めてよろしくね、ディックス!」
「よろしくお願いします」
あっさりとパーティーを組むことが決まった。
いや、1日空けたからあっさりではないか?
「じゃあ早速3人でパーティーを組んで下さい」
「セリアさん、パーティーを組むってどうやるんですか?」
「ディックスは初めてでしたね。
パーティーを組むメンバー全員のマイカードを重ね合わせて、パーティー結成と言えば組めます。
解散する時も同じように、パーティー解散と言えばいいですよ」
「解散したくないって言ったらずっとそのままになるんですか?」
「別のパーティーを新しく組めば前のパーティーからは自動的に抜けますよ」
ずっとソロでやっていたから全然知らなかったな。
冒険者ギルドとかで教えてくれるものなのかな。
早速マイカードを出してヴェロニカとノクスのマイカードと重ね合わせる。
「リーダーはディックスなんだし、ディックスが言って」
「まぁいいか。
パーティー結成」
『ヴェロニカ、ノクスとパーティーが結成されました』
『スキル Dividend を獲得しました』
ちょっと待って!
パーティーを組んだらスキルをゲットしたよ!
それ以外の条件は考えられないよな。
3人は無視して、スキルの詳細を確認する。
++++++++++
スキル:Dividend
詳細:指定した対象にお金を投資して経験値を与えることができる。与えられた対象がその後獲得した経験値のうち10%がスキル使用者に配分される(1ヶ月あたり投資した金額総計の最大4%を上限とする)
++++++++++
これはつまり、一緒に討伐して稼いだお金を使って2人に経験値を与えられるし、私がソロで稼いだ分も使ってレベル上げができるということか。
その代わりにその後得られる経験値が10%減って、その分は私がもらえるというのは与えられた側にとってはデメリットだが、私にメリットが無いとお金をあげただけになるからバランスは取れているか。
大量の経験値を与えてレベルアップさせて、強くなったらより強いモンスターと戦って経験値を稼いでもらう。
10%経験値が減っても強いモンスターを倒せばより多くの経験値が得られるから、与えられた側も悪くないってことか。
「ディックス、どうしましたか?」
考え込んでいたらセリアさんから声をかけられた。
「すみません。
パーティーを組んだのがキッカケだと思いますが、新しいスキルを獲得しました」
「はぁー、そうですか。今度はどんなスキルですか?」
「指定した相手にお金を投資して経験値を与えられます。
ただ、与えられた側はその後モンスターを倒した時に得られる経験値が10%減って、その分は私がもらう形になります。
もらえる量には上限があるので無尽蔵ではないですし、レベルを上げて強くなれば、投資してもらう前よりも強いモンスターを倒せるようになってもっと経験値を稼げるので、どちらにも悪いことではないと思います」
「また初めて聞く内容のスキルですね。
新しいスキルも含めて、2人にちゃんと説明して下さいね」
そこから午前中は2人に私のジョブとスキル、ステータスの高さについて説明した。
「はへぇー。何か難しいスキルが多いね」
「ディックスが3ヶ月でレッサーベアを倒せた一番の要因は、モンスターの能力を自分のものにできるスキルと、それを借金して使えるスキルの2つでしょうか。
徐々に金額が上がっていても、レベルアップより圧倒的に早く強くなれますからね」
「それと新しいスキルで私たちも一気に強くしてもらえるしね!」
「それについてだけど、セリアさん。
何か制限を付けた方がいいですよね?
1日あたり私から与えていい経験値の上限みたいなもの。
そうしないとステータスだけ上がった形になって、技術が追いつかない形になりますし」
「そうね。最初というか2人でレッサーベアを倒せるまでは制限を付けましょうか。
どういう制限がいいかしら?」
「モンスターを倒したら次のモンスターの適正レベルまで上げて良い。
ただし、1日で上げて良いのは1レベルまで、という形でどうでしょうか。
今レベル2なので、ワームを倒したら次のモンスターであるジャイアントラットの適正レベルである3に上げます。
ジャイアントラットを倒したら次のホーンラビットの適正レベル5まで上げる。
倒せなかったら技術をちゃんと磨きながら、自分たちの倒したモンスター分の経験値だけしかもらえない、という感じです」
「レッサーウルフからレッサーベアの5レベルの所が一気に上がって良いのかとは思いますけど、悪くないですね。
あと、そんなにお金を使ってディックスは大丈夫ですか?」
「お金がある範囲で、という形ですね。
最近は貯めているのでしばらくは大丈夫だと思います」
「あまり無理はしないで下さいね。
2人もそれでいいですか?」
「はい! どんどん強くなるよ!」
「問題ありません。よろしくお願いします」
「じゃあ明日は南の草原で2人の動きを見てみようか。
ワームを倒せれば、さっきのスキルですぐにレベルも3に上げるよ。
今日の午後は庭で2人の魔法を実際に見せてくれ」
「もちろん! 院長先生、行ってきます!」
実際に2人の魔法を見て、ここからどうやって強くしていくべきかを考えていた。
仲間が育っていくのも楽しいかもしれない。
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所持金:10,468,990G
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