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ファンドマネージャー ~モンスターをM&Aして強くなる~  作者: 祐祐
第3章:依頼

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57話:護衛依頼②

 ウォードさんパーティーとレッサーベアの戦いは続いている。

 ウォードさんはレッサーベアの攻撃を1人で受け続け、その合間にエマさんとメルティさんが攻撃を仕掛けている。


 レッサーベアが2人に攻撃しようとするとそこにウォードさんが割って入る、ということが何度も続いたので、途中からレッサーベアも先にウォードさんを倒そうとして他2人には気を止めないようになっていた。

 とはいえ、大ダメージになりかねない顔面付近への攻撃には対応して避けたり、腕で防いだりしている。


 私は3人の戦いを見ながら、周囲から他のモンスターの襲撃が無いかも注意していた。

 この戦いの邪魔はさせたくない。



 戦い始めてから10分近く経っただろうか。

 長いな。

 1人での長期戦は体力よりも集中力がもたなくなってくる。

 そこが3人だから多少は楽なのだろう。


 ウォードさんは盾で上手く防御できていて、受け流す場面も増えてきたがそろそろ体力が厳しい気がする。

 そして、エマさんとメルティさんの攻撃は変わらずに威力が足りていない。

 エマさんは攻撃を喰らわないことを優先しすぎていて、深く踏み込めていない。

 メルティさんはもっと1発に威力を集中できればいいのだが、この緊迫した場面で普段使わない魔法を撃つことはできないようだ。



 数分後、遂にレッサーベアの攻撃でウォードさんが体勢を崩した。

 盾で受けることはできていたが受け流すのに失敗したのか、後ろに弾かれてそこでバランスを崩して転がってしまった。


 すぐにエマさんかメルティさんが攻撃をして牽制できれば良かったが、2人とも動きが止まってしまった。

 転がったウォードさんを狙って、レッサーベアが接近していく。

 ここは手を出さないと危ないと判断して、両手に準備していた投げナイフを投げつける。


 ナイフはレッサーベアの目と首を狙った。

 ウォードさんを攻撃しようとしていたレッサーベアはそれに気づき、足を止めて両腕で防御した。

 

「ウォードさん、すぐに体勢を直して下さい!

 エマさんは隙を見つけて攻撃をして下さい!できるだけ深く踏み込んで!

 メルティさんは土魔法で出す攻撃を数は少なくても威力の高いものにしてください!」


 私の声を聞いて、一瞬3人の動きは止まったがすぐにそれぞれ動き出した。


 ウォードさんは立ち上がり盾を構え、エマさんはレッサーベアに向かって駆け出し、メルティさんは杖を構えた。

 私もカバンから次に投げるための投げナイフを準備する。


 エマさんの攻撃は先ほどまでより深く踏み込んだ結果として、しっかりとレッサーベアの足を斬り裂いた。

 とはいえ、それで倒れるほどの攻撃ではない。


 攻撃を受けて反撃しようとしたレッサーベアの前にウォードさんが立ち塞がり、盾で攻撃を防いだ。

 その間にエマさんはレッサーベアから離れる。



 その間に私も移動して、メルティさんのそばに行く。

 杖を構えたまま集中しているようだったので、もし狙われたらマズイ気がして移動してきた。

 とはいえ、手を出すのは最低限にしたい。

 レッサーベアが4人目の敵として私を認識したことで注意力が分散するくらいの手助けにしたい。


「ディックス君、どうしてここに?」


「メルティさん、それは終わってからにしましょう。

 今はレッサーベアに集中して下さい」


 そんな余裕無いでしょうが。

 ここからどう状況が変わるのか。

 危険になったらまた投擲でサポートしなきゃいけないし。



 ウォードさんとエマさんはレッサーベアの近くで戦い続けている。

 ウォードさんは一度崩れたが、そこからは受け流す攻撃と受ける攻撃を分けているみたいだ。

 受け流すのを失敗した攻撃だけ受けているのかな。


 エマさんはタイミング良く攻撃しているが、徐々に疲れが出てきているのかウォードさんの後ろで待機する時間が長くなっている。

 それでも少しずつダメージは与えているようだ。


 そしてメルティさん。

 私が参戦してからはまだ一度も魔法を撃っていない。

 石つぶての魔法ではダメージが与えられないと分かっているから撃っていないのか、他の理由があるのか。

 どちらにせよ、できるだけ手も口も出さない。

 ウォードさんパーティーだけで倒さないといけない相手なのだ。


 手を出したい。私が倒してしまいたい。

 でもそうもいかない。

 今回はセリアさんからの依頼なのだ。

 しっかりとやり遂げないといけない。



「メルティ!なんでもいいから俺に当たらないタイミングで撃て!」


 懸命にレッサーベアの攻撃を受けているウォードさんが声を張り上げてメルティさんに指示を出す。 


「私の攻撃じゃダメージを与えられないのよ!

 それなのに魔法を撃って、もしもウォードに当たったら最悪なのよ!

 2人の邪魔になっちゃダメなのよ!」


 今まで魔法でダメージを与えられなかったことが無かったのか、冷静さを失っているな。


「牽制だけでも意味はある!いいから撃ってくれ!」


「無理よ!」


 うーん。これはもうダメかもな。

 

「レッサーベアを倒すのか、逃げるか決めて下さい!

 倒すなら私は何もしません!

 逃げるならサポートします!」


「逃げよう!いいよねウォード!」


「エマがそう判断したなら従おう。いいなメルティ」


「はい、それで」


 あれ?ウォードさんが決めると思ったのにエマさんが決めるんだ。

 リーダーはウォードさんじゃなかったのかな?



 まぁいいか。

 ではサポートという名の攻撃を開始しよう。


「2人ともレッサーベアから離れて下さい!」


 両手の投げナイフをレッサーベアの顔に向けて投げつける。

 それと同時にレッサーベアに向かって走り出す。


 レッサーベアは投げナイフに気づき、両腕で攻撃を防ぐ。

 視界を塞いだので、その間にウォードさんとは反対側の左側に回り込む。


 こちらの攻撃範囲に入る直前にレッサーベアは両腕を顔から離したがもう遅い。

 体勢を低くして、レッサーベアの右太ももを剣で斬りつける。


 剣は深く斬り裂き、出血と共にレッサーベアは膝をついた。

 そのまま背後に回り込み、背中を大きく斬りつけた。

 再度大きく出血をしたレッサーベアは両手を地面についた。


「もう大丈夫でしょう。

 再戦することを考えて、それぞれ全力で攻撃してください。

 特にメルティさんはいつもとは違う魔法で、1発の威力が高いものを撃って下さい」


 振り向くと3人とも呆気にとられた顔をしていた。

 なんでこんなに強いのか、って顔だな。

 まぁそれは追々。


「やらないなら私が倒してしまいますが、どうしますか?」


「いや、やらせてくれ。

 メルティ、エマ、俺の順番でやろう。

 メルティ、失敗しても構わないから挑戦してみてくれ」


 ここではウォードさんが仕切るんだな。

 戦闘中はエマさんの方が冷静に全体を見ているからエマさんが仕切って、戦闘以外ではウォードさんが仕切るという役割分担ができているのかな。



 そこから3人はそれぞれレッサーベアに攻撃をした。

 メルティさんは結局石つぶてしか撃てず、顔面に当てたが目を潰すことしかできなかった。

 エマさんは順番を先にウォードさんに譲って、ウォードさんはメイスで胴体を思いっきり殴りつけていた。

 その後にエマさんが腕に斬りつけた。


 エマさんの攻撃はある程度深めに入ったが、ここまで準備してもこれでは不安がある。

 その後、首を斬りつけ、出血でレッサーベアは息絶えた。



 いつもはAll is Moneyの効果で死体は消えてしまうが、今回はウォードさん達が倒した扱いになったのか、消えずに残っている。


「周りは見ておきますので、解体して下さい」


 解体をやったことが無いから、周囲の警戒にあたる。

 そこから15分ほどで解体は終わった。

 爪と牙を全て取って、皮と肉はかさばるので捨てていくようだ。

 改めて、全部お金に変換して持って帰れるのは便利だな。

 ありがとう、ファンドマネージャー。


「では帰りましょうか。

 詳しい話は孤児院に帰ってからにしましょう」



xxxxxxxxxx

所持金:759,390G

xxxxxxxxxx


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