幕間 その理由
「そういえば気になったんですけどなんでVtuberやってるんですか?」
「なに?吸血鬼がVtuberやってるのがおかしい?」
「いえ、そういう意味ではなく……ニナさん位の容姿なら顔出しした方が人気出そうな気がして」
「あぁ……なるほどね。確かに妾の美貌なら顔出しした方が人気が出そうね……でもそれじゃつまらないわ」
「つまらないですか?」
「ーー妾は腐っても第一真祖。この美貌の他に常時チャームの魔眼が発動しているのでほとんどの耐性がない人魔は妾に魅了されてしまう………それが凄く嫌なのよ」
「それでVtuberですか?」
「そうっ!妾は皆が褒めそやす外見よりも『ニナ』と言う一個人の内面を見て欲しかった。その上で受け入れられて妾のファンになって欲しかった。
ーーーだからVtuberは妾にとって天職だと思っているわ」
「………結構俗物的なんですね」
「………もしかして真祖ならもっと高貴であるべきだとでも思っているわけ?……確かに他の真祖は傲慢ちきなヤツが多いけどそんなこと知ったこっちゃないわ。妾は妾ただ一人ーーーだから妾は妾のやりたいようにやるわ」
「いいですね。その考え方」
「………そういうアンタはなんでヲタクなんてやってるの?」
「自分ですか……?」
「アナタのことは知っているわ。
ーーー《万能の英雄》前の大戦では勇者並にあなたの名前は魔陣営に響き渡っていたわ」
「………その二つ名は恥ずかしいから言わないで欲しいんですけど」
「あの大戦で多くの魔を刈り尽くしたアナタがその魔のトップである闇神と仲良くヲタ活しているのが信じられないのだけど……」
「……それは……まぁ簡単な話ですよ。自分を倒した相手が薦めてくれたものが自分好みってだけです。あの時の自分はーーー」
『おーい、そろそろ次いくぞー』
「呼び出されてしまいましたね。ではお話はこのへんで」
「……そうね。………最後に一つ聞いてもいい?」
「いいですよ。何が聞きたいんですか?」
「アンタこの戦い勝てると思う?」
「………今のままじゃ100パー負けますね」
「妾も同意見よ。なのにアンタは負ける方につく
ーーーそれはどうして?」
「ーーーあの神さまは勝てない戦をしないのを知っているからですかねぇ」
『おーい早くしないと置いてっちまうぞ』
「……行きましょうか」
「……そうね」




