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残念吸血鬼

さっきまではすまし顔で高貴な雰囲気を醸し出していた第一真相は消え去った。今ここにいるのは――


「ごめんなさいぃぃいや本当はすぐ返すつもりだったんです『うっかり忘れてた』とか微塵も思ってませんからぁぁぁ!」


―――プライドをかなぐり捨てた残念な、本っ当に残念な吸血鬼が土下座していた………


それをみてオレ達は


『うわー………」


―――ドン引きしていた。


「これが第一真祖の成れの果てか……やばい悲しくなってきた」


「自分、真祖が土下座する所なんて生まれて初めてみました。……すごくいたたまれない気分です」


………コレ、自分で誘ってなんだか本当に戦力になるのか心配になってきた。


「………そもそも神に借金って何したんですか?自分の創造主に借金ってなかなかにぶっ飛んでますけど」


「あぁそれはなディラン氏………ニナは神の酒を飲んだんだよ」


「神の…酒ですか?」


―――神の酒 それはかつて神々が造っていた酒で今や俺にしか造れない酒だ。この酒を呑める者は限られているが呑める者にとって極上で至上な味でやみつきになってしまう。ちなみに製造方法は極秘だが一本造るのに100年かかるので一本買うのに小国の年間国家予算並の金が必要だ。


「まだ第二次人魔大戦真っ最中の頃、神祖集めて慰安会してる時に神の酒を出してな。前口上で『一本だけは奢る』って言ったんだけどこいつすぐ酔っ払いやがって備蓄半分を一人で飲み干しやがったんだよ」


「うぐっ!」


「神の酒は今や俺しか造れないから一本買うのに兆越えするって言ってんのにバカスカ飲むし」


「ぐがっ!!」


「せっかく何千何万と年日をかけて造った酒が一日で消えるなんて思ってなかったわ〜」


「ぬべるんちょっ!!!」


ーーー第一真祖撃沈


「………ちなみに借金はいくらなんですか?」


「ディラン氏も見てみる?」


借用書を手渡すとディラン氏の動きも止まる。


「……………これ、マジですか?」


「うんまじまじ笑っちゃうでしょ」


「……いや、笑えないでしょ……こんな……えぇ?」


………人はバグると上手く喋れなくなるって本当なんだなぁ。まぁ借金の桁が異常すぎて頭ぽかーんてなるよなぁ……


「―――さてと、それでニナよ――どうする?」


「どどどどうするとはっ?」


「お前には二つの選択肢がある。一つは借金を地道に返していく方法。だがこれはあまりオススメしない。これから借金を返していくならタダ働きしても5000年かかる」


ニナは土下座したまま動かない。


「二つめの選択は俺と一緒に世界を救うために戦ってもらう。その場合ここに書かれた借金をちゃらにしてやる」


「それはマジでございまするかっ!?」


「まじまじ、さらに世界を救えたならオマケで今ある神の酒の半分をくれてやろう」


数秒の沈黙の後、ニナは無言で立ち上がりーーー


「これより第一真祖である妾は貴方様の仲間になり共に世界を救うために尽力しましょう」


ーーー笑顔で握手を求めてきたので握り返した。


「おう、これからよろしく〜」



ーーー二人目『第一真祖ニナ』交渉成功



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